なぜ、ネットニュースを見てしまうのか?
私は1日に1時間を超えるぐらいダラダラと見てしまうことがあります。
「この行動はヤバい」「時間を無駄にしている」「できれば変えたい」と思い、
「ネットニュースとの付き合い方」を真剣に考えたいと思い本書を購入しました。
以下、本書の内容とは、あまり関係のない話しなので、
「なぜ、ネットニュースを見てしまうか」ということに興味がある人だけ、
読んで下さい(3000字を超えるので、雑誌記事並みです)。
本書は、なぜネットニュースを見てしまうか?という私の問いには、
(当たり前ですが)直球では答えてはくれません。
ただ、ネットニュースをめぐる歴史と興亡、そして負の面であるフェイクニュースが、
発生するようになった経緯を知ると、
上記の答えを考える上で非常に参考になりました。
まず、ネットニュースを見てしまう、私なりの答えですが、
それは目標達成と自己目的的な欲望を満たしてくれるからです(これは心理学的知見を参考にしました)。
ネットニュースには、私が知りたいという欲求を、ある程度知ることができます。
例えばサッカー日本代表の結果だったり、大災害が起こった後の経過情報、有名人のゴシップなどが、
ネットニュースを見てしまう理由の「目標達成」にあたります。
そこには、明確に何を知りたいかという目標があり、
その目標に対して、ネットニュースは、答を与えてくれます。
ただし、これは、ネットニュースを見てしまう理由の、ごくごく一部のものだと思っています。
圧倒的に、後者の自己目的的な理由です。
その理由とは、ネットニュースを見ることで、自分の思いを満たしてくれる記事に出会ったり、
気になる記事だけを拾い読みできたり、また、不謹慎ですが、悲しいニュースを見ると、
ああ、世の中には、こんなひどいことが起こっているのかと、自分の状況と比較して、
安心したり、憤ったりと喜怒哀楽の感情を作り出すことができるからです。
ネットニュースは無料です。
無料なのに、自分の自己目的を満たしてくれる。
これは凄いことですが、「なぜ、無料なのか」と疑問に思わないといけません。
もちろん無料には理由があって、私たちが見るのは、記事の他に、様々な商品の広告を見ています。
ネットニュースを見る時間と量と、広告の量は比例関係ということです。
プラットフォーム会社は、ネットニュースに掲載される広告が、どれぐらいの人が見ると、
どれぐらい購買につながるか、ある程度わかっています。
だから、プラットフォームを運営する会社はニュースを無料にしています。
私たちは、意識的にも、無意識的にも、記事の他に、たくさんの広告を見ています。
無料の代償は、割と大きいかもしれません。
必然的に如何にPV数を上げるのか、プラットフォーム側も、
またニュースを提供するメディア側も、関心がPV数を如何に稼ぐかということにいきます。
必然的に、より多く、魅力的で、興味が湧き、刺激的なニュース作りをします。
それは、ニュースもまた、商品という面が強いからです。
脳科学の視点で、ネットニュースを見ると、興味深いと思います。
ニュースは、情報の一つの形態です。
最近の脳科学の成果では、「情報」は報酬刺激、
つまり脳の中の神経伝達物質の放出をもたらす興奮性刺激として考えられています。
なぜ、ニュースを見ると、楽しくなったり、悲しくなったり、
もっと知りたくなったり、怒りを感じるのか?
その答えは、ニュースを見た私たちの脳は、
神経伝達である物質のドーパミンが放出されて気持ちよくなる、これが脳科学の知見です。
ドーパミン神経系は、予期せぬものや、新しいモノを期待することで、より活性化します。
これが、どんどんネットニュースを見てしまうことや、
プラットフォームが絶え間なくニュースを流す理由の一つです。
流せば、流すほど、見る人の脳は、喜びます。
またネットニュースが私たちの脳の中で報酬を引き起こす仕組みとして重要なことがあります。
それは、私たちの脳は、「すでに知っている事柄」について、
「さらなる情報」を求めるよう、調整されているということです。
このことは、より強調されてよいかもしれません。
つまり、ネットニュースをたくさん見ても、「自分が知りたいことを、
知れる」というわけでなく、「知っていることを、どんどん知るように脳の力学が働くということです。
もしかしたら、ネットニュースは自分が「知らないこと」を「知る」という目的では、
あまり役立たないものかもしれません。
圧倒的に態度が受動的だからです。
人が何かにはまる理由は、知らない、わからない、できないという理由は少数でしょう。
知っている、わかる、できるという理由の方が圧倒的に多いと思います。
ネットニュースには、最新の物理学の理論とそれを補う数式がのることは、あまりありません。
なぜなら、それは、多くの人が「知らない」「わからない」からです。
そういうことに興味が湧くのは、ごくごく少数派です。
PV数を上げることが、収入に結びつくというビジネスモデルの元で、記事を提供しているのなら、
難しい記事や読者が「知らない」「わからない」記事を提供するモデルなのは、稀でしょう。
「知らない」や「わからない」ものに、多くの人は、興味を湧きません。
簡単に知りえるとわかることに興味が湧きます。
言ってみれば、自分達が見る多くのネットニュースとは、
もう自分が「知っている」ことを反芻して、脳の報酬系に訴えているだけの反復行為かもしれません。
なぜなら、神経伝達物質のドーパミンは、報酬そのものに反応するのでなく、
報酬を予期させる情報をいち早く見つけようとする性質を持っているからです。
現に、絶え間なく更新されるネットニュースの見出しを見て、「あっこれ面白そうだな」と思ってみたものが、
本当に面白いと思った時、言い表せない快感を感じることがあります。
脳の報酬系は、予測していたよりも、
実際に、享受したものの報酬が大きいと、よりドーパミンが放出されることからも頷けます。
よって、読者である私たちは、自然と、より面白い記事はないかと探す、
「終わることのない旅」をすることになります。この旅の成果は何かと考えたら、
よくいうように、ニュースを見て、様々な視点を知ることが出来たことや、
知識の獲得や、読解力の向上のようなものではないでしょう。
新聞は、枠の情報態ですが、ネットニュースは、無枠の情報態です。
個人的な感覚では、新聞の方が上記の獲得に貢献すると思います。
ネットニュースは、脳科学の視点では、「遊戯」と言ってよいかもしれません。
以上のネットニュースの特性は、「依存症」になってしまう危険性をはらんでいます。
よって、ネットニュースの付き合い方は、ある面では、非常に慎重になった方がよいと思います。
例えは、少し違いますが、近年、ネットゲーム依存が問題になっています。
重度のネットゲーム依存症の脳の器質的変化が、
麻薬患者のそれと酷似している研究が出てきました。
ネットニュース?もこの症状を引き起こすのではないか?
この点、心配’です。あまりに、莫大な量の記事が日々流されています。
本人は、知識を得ているつもりですが、実際は、脳の科学反応が起こってるだけかもしれません。
なぜニュースを見てしまうのか、その一つの解答は、
自己目的的に私達が行動してしまう理由の他に、
そのニュースを作り出す側が、自分達にもっと、もっと、
それこそ中毒・依存症状を起こしてもらいたいほどニュースを見てもらいたいからです。
この消費者側の私たちの欲求と、提供・作り手側の思惑が間違った方向に行った結果、
出現したがフェイクニュースということです。
「肩こりは、幽霊が原因」と言ったニュースまで出るようになってしまいました。
視点を少し広げて、アメリカの調査を紹介します。
「ニュースと消費行動」というテーマで興味深いアンケート結果が出ました。
その結果を見てみると、
ニュース消費者の72%が、家族や友人と語り合うためにニュースを見ているという結果が出ました。
そして、69%が情報に接するのが社会的義務であること
61%がニュースの中で生活に役立つ情報がしばしば見つかること
44%がニュースがくつろげる娯楽や個人的な楽しみを提供してくれること
19%が仕事上ニュースに接している必要がある
と答えています。これは、ニュースというくくりなので、ネットニュースに的を絞ったものではありません。
ただ、ニュース消費者の70%以上の人は、「語り合うため」というのが、非常に興味深いと思います。
ニュースは、どちらかというと、自分の人生にダイレクトに影響する話題は、少ないと思います。
しかし、ニュースを他者と共有することで、語り合うキッカケになることは、私自身も経験しています。
なかなか共通の話題を他者と引き出すのは、難しいですが、ニュースならば、好き勝手なことを言えます。
なぜなら、自分にも、他者にも、ダイレクトに関係ないからです。
しかし、ニュースを語りあうことで、お互いの考えや見方を知ることができます。
そして、関係を構築するキッカケになるかもしれません(もちろん構築したくないということも判断できます)。
つまり、ニュースを他者と関係を作れる道具とすることができます。
また、ネットユーザーの37%がニュースを作り出したり、論評を加えたり、
SNSを通じてニュースを拡散させたりしているという調査結果が出ています。
その中で、ネットユーザーの9.2%はニュースにコメントを加えています。そして
6.3%はSNSにリンクをはる
4.1%はコンテンツにタグをつける
3%はオリジナルのニュースコンテンツや論説を作る
1.1%はツイッター上でニュースを伝えています。
これは、アメリカの調査で、日本には、これに該当するような調査を、
探すことができませんでした。私なんかは、ニュースにコメントをしていた時期があって、
「これって、プア充の典型的な行為だな」と思って、今はやっていませんが、
アメリカで9.2%、ネットユーザーの10人に1人ぐらいがやっているんだ、
「へぇー」と思いました。これを少数とみるのか、えっ!そんなに多いの!」と見るのかは、わかりませんが。
私の場合は、少数だな思いました。
冒頭の自分の疑問である「なぜ、ネットニュースを見てしまうのか」の答えですが、
唯一の解答は、もちろんありません。私なりの答えとしては、受け手である私たちは、
「ネットニュースがどういう形態のものなのか、よくよく考えた方がいい」なという感じです。
プラットフォーム側は、受け手えある私たちに、多くが無料という記事を提供しています。
その意味を考えるのは非常に重要です。それは、私たちを消費者と見ているからです。
たくさん見てもらうことで、利益が上がるならば、
これからも、私たちの自己目的的な欲望を満たしてくれる内容の記事を、
様々な工夫を凝らして、届けてくれるはずです。
それが、自分達にどう影響を及ぼすのか、良いのか、悪いのか、
それとも、違う「目的」が作り手側にあるのか、
それは、自分達が、ネットニュースと、どう付き合っていくかにより
ますが、全く付き合う必要もないともいえないですし、
ネットニュースが私たちに福音だけをもたらしてくれることはありません。
やはり、アメリカの調査の結果で出たように、他者と関係を構築したり、
社会的義務としてであったり、生活に役立てたり、くつろげたり、仕事で使ったりと、
あくまで、「利用するという意志」が大事で、
そのバランスの追及がネットニュースとの付き合い方で大切なことだと思いました。
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ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか (光文社新書) 新書 – 2017/1/17
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- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2017/1/17
- 寸法11 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104334039669
- ISBN-13978-4334039660
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
ネットメディア覇権戦争―偽ニュースはなぜ生まれたか
医療系まとめサイト閉鎖で注目を集めた、不確かなネット情報=「偽ニュース」。元新聞記者のジャーナリストが増加の背景を考察した。
1995年、ニュースサイトの開設を祝し新聞社のメディア事業局でくす玉が割られるシーンから本文が始まる。以降ネット界を牛耳ったヤフー、LINEなどの試行錯誤を追う中で、浮かび上がるキーワードは「無料」だ。ポータルサイトやSNSの登場以降、ニュースはマスメディアに限らず誰もが配信・享受できるものへと変わった。情報発信にともなう責任の境界は次第に曖昧になり、その間隙をついて「偽ニュース」が広がっていった、と著者は分析する。偽ニュース対策の協議会が設立予定で、今後取り組みの本格化が予想される中で、問題の概要がいち早く知れる一冊。
評者:松岡瑛理
(週刊朝日 掲載)出版社からのコメント
・フェイスブック上の偽ニュースがトランプ大統領を誕生させた?
・DeNAのWELQ問題は起こるべくして起きたのか?
・ローマ法王が、誤った情報を拡散することは罪だと警告。
・「マスゴミ」と言う人ほど、なぜ偽ニュースにコロリと騙される?
――偽ニュースを生み出す背景や構造を明らかにした上で、Yahoo! 、
LINE、スマートニュース、日経、ニューズピックスという5つのニュー
スメディアを中心に、スマホを舞台にしたニュースを巡る攻防を描く。
偽ニュースは2016年に突然生まれたわけではなく、ビジネスとジャーナ
リズムの間で揺れ動くビジネスパーソンの戦いの歴史であり、現在進行形の
物語である。
【目次】
はじめに――「偽(フェイク)ニュース」が世界を動かす
第一章 戦争前夜 偽ニュースはなぜ生まれたか
第二章 王者ヤフーの反撃
第三章 負け組LINEの再挑戦
第四章 戦いのルールを変えたスマートニュース
第五章 課金の攻防・日本経済新聞
第六章 素人のメディア・ニューズピックス
第七章 猫とジャーナリズムと偽ニュース
【著者紹介】
藤代裕之(ふじしろひろゆき)
ジャーナリスト/法政大学社会学部メディア社会学科准教授。広島大学文学部
哲学科卒。立教大学21世紀社会デザイン研究科修士課程修了。徳島新聞社で記
者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントでニュースデ
スクや新サービスの立ち上げを担当した。ソーシャルメディア時代のメディアと
ジャーナリズムをテーマに、取材、研究、実践活動を行っている。著書に『地域
ではたらく「風の人」という新しい選択』(共著、ハーベスト出版)、『ソーシ
ャルメディア論 つながりを再設計する』(編著、青弓社)など。日本ジャーナ
リスト教育センター(JCEJ)代表運営委員。
・DeNAのWELQ問題は起こるべくして起きたのか?
・ローマ法王が、誤った情報を拡散することは罪だと警告。
・「マスゴミ」と言う人ほど、なぜ偽ニュースにコロリと騙される?
――偽ニュースを生み出す背景や構造を明らかにした上で、Yahoo! 、
LINE、スマートニュース、日経、ニューズピックスという5つのニュー
スメディアを中心に、スマホを舞台にしたニュースを巡る攻防を描く。
偽ニュースは2016年に突然生まれたわけではなく、ビジネスとジャーナ
リズムの間で揺れ動くビジネスパーソンの戦いの歴史であり、現在進行形の
物語である。
【目次】
はじめに――「偽(フェイク)ニュース」が世界を動かす
第一章 戦争前夜 偽ニュースはなぜ生まれたか
第二章 王者ヤフーの反撃
第三章 負け組LINEの再挑戦
第四章 戦いのルールを変えたスマートニュース
第五章 課金の攻防・日本経済新聞
第六章 素人のメディア・ニューズピックス
第七章 猫とジャーナリズムと偽ニュース
【著者紹介】
藤代裕之(ふじしろひろゆき)
ジャーナリスト/法政大学社会学部メディア社会学科准教授。広島大学文学部
哲学科卒。立教大学21世紀社会デザイン研究科修士課程修了。徳島新聞社で記
者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントでニュースデ
スクや新サービスの立ち上げを担当した。ソーシャルメディア時代のメディアと
ジャーナリズムをテーマに、取材、研究、実践活動を行っている。著書に『地域
ではたらく「風の人」という新しい選択』(共著、ハーベスト出版)、『ソーシ
ャルメディア論 つながりを再設計する』(編著、青弓社)など。日本ジャーナ
リスト教育センター(JCEJ)代表運営委員。
内容(「BOOK」データベースより)
不確実な情報、非科学的な情報、デマ=「偽ニュース」。本書では、偽ニュースを生み出す背景や構造を明らかにした上で、ヤフー、LINE、スマートニュース、日本経済新聞、ニューズピックスという5つのニュースメディアを中心に、スマホを舞台にしたニュースを巡る攻防を描く。偽ニュースは2016年に突然生まれたわけではなく、ビジネスとジャーナリズムの間で揺れ動くビジネスパーソンの戦いの歴史であり、現在進行系の物語である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤代/裕之
ジャーナリスト/法政大学社会学部メディア社会学科准教授。広島大学文学部哲学科卒。立教大学21世紀社会デザイン研究科修士課程修了。徳島新聞社で記者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントでニュースデスクや新サービスの立ち上げを担当した。ソーシャルメディア時代のメディアとジャーナリズムをテーマに、取材、研究、実践活動を行っている。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)代表運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ジャーナリスト/法政大学社会学部メディア社会学科准教授。広島大学文学部哲学科卒。立教大学21世紀社会デザイン研究科修士課程修了。徳島新聞社で記者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントでニュースデスクや新サービスの立ち上げを担当した。ソーシャルメディア時代のメディアとジャーナリズムをテーマに、取材、研究、実践活動を行っている。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)代表運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2017/1/17)
- 発売日 : 2017/1/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 296ページ
- ISBN-10 : 4334039669
- ISBN-13 : 978-4334039660
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 375,702位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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法政大学社会学部メディア社会学科教授/ジャーナリスト。法政大学大学院メディア環境設計研究所長。広島大学卒。徳島新聞社で記者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントでニュースデスクや新サービス立ち上げを担当した。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)代表運営委員。ソーシャルメディア時代のジャーナリズムやメディアのあり方について研究している。
カスタマーレビュー
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8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年2月15日に日本でレビュー済み
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前半8割強は日本のネットメディアの歴史、後半2割弱はフェイクニュースが生まれ、広がった仕組みについて、日本や世界の事例を示しながら述べています。
ヤフーに対しては批判的な主張がやや強く感じられるものの、本書は筆者の持論を展開するためのものではなく、ネットメディアの歴史や構造の解説を通して現状の問題点を示し、考えるべき課題の材料を提供してくれている内容になっていると感じました。
・PV数に応じた収入となる広告モデルでは、アクセス数が増えやすいスポーツや芸能といった「やわらかいニュース」優先になること。問題のある記事を積極的に削除しないのは、PV数を稼げるからということ。
・プラットフォームという姿勢を崩さないのは、法律的に責任を負わなくてよく有利だからということ(プロバイダ制限責任法)。結果、誰も記事に対する責任を負わなくなったこと。
・プラットフォームからの配信料が安くビジネスが成り立たないことなどからステマが生まれてしまったこと。また、記事を量産せざるを得なかったこと。
等々、PV至上主義のネットメディアの歴史を振り返る中で、どのような問題構造があり、現在のフェイクニュースが生まれる土壌につながっていったのか?といったことがよくわかりました。
現在のネットメディアの問題点について、これほど整理された情報を把握できる書籍は、現時点では他にはないような気がします。
不満点を挙げるとすれば、ネットメディアの歴史に関してはほとんどが日本に関するものだったことです。もっと海外の事例についても触れ、日本との共通点や違いについての言及があると、よりいっそう良かったなと思います。
ヤフーに対しては批判的な主張がやや強く感じられるものの、本書は筆者の持論を展開するためのものではなく、ネットメディアの歴史や構造の解説を通して現状の問題点を示し、考えるべき課題の材料を提供してくれている内容になっていると感じました。
・PV数に応じた収入となる広告モデルでは、アクセス数が増えやすいスポーツや芸能といった「やわらかいニュース」優先になること。問題のある記事を積極的に削除しないのは、PV数を稼げるからということ。
・プラットフォームという姿勢を崩さないのは、法律的に責任を負わなくてよく有利だからということ(プロバイダ制限責任法)。結果、誰も記事に対する責任を負わなくなったこと。
・プラットフォームからの配信料が安くビジネスが成り立たないことなどからステマが生まれてしまったこと。また、記事を量産せざるを得なかったこと。
等々、PV至上主義のネットメディアの歴史を振り返る中で、どのような問題構造があり、現在のフェイクニュースが生まれる土壌につながっていったのか?といったことがよくわかりました。
現在のネットメディアの問題点について、これほど整理された情報を把握できる書籍は、現時点では他にはないような気がします。
不満点を挙げるとすれば、ネットメディアの歴史に関してはほとんどが日本に関するものだったことです。もっと海外の事例についても触れ、日本との共通点や違いについての言及があると、よりいっそう良かったなと思います。
2017年2月18日に日本でレビュー済み
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WELQ問題を発端に、ネットメディアのあり方を考え始める中で、非常に参考になりました。
最近のキュレーションメディアだけではなく、ヤフーやLINE、日経電子版やスマニュー、ニューズピックスに至るまで、歴史と内情に踏み込んだ記載であるため、ネットメディアの持つ圧倒的な影響力と、一方で抱える課題を構造的に理解できました。
ネットメディアの今後のあるべき姿を考えたい方、メディアリテラシーについて考えたい方などにオススメです。
最近のキュレーションメディアだけではなく、ヤフーやLINE、日経電子版やスマニュー、ニューズピックスに至るまで、歴史と内情に踏み込んだ記載であるため、ネットメディアの持つ圧倒的な影響力と、一方で抱える課題を構造的に理解できました。
ネットメディアの今後のあるべき姿を考えたい方、メディアリテラシーについて考えたい方などにオススメです。
2017年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これほどタイムリーに、この本が世の中に出ることがまず驚き。様々なネットメディアが勃興し、批判され、それを乗り越えようとしながら激戦を繰り広げる。その様子が冷静に表現されている。Yahoo!ニュース、Livedoorニュース、スマートニュース、日経新聞電子版、Newspicks、そして最近のDeNAや偽ニュースサイトの問題も取り上げている。根底には、メディアに対して社会的責任を求める筆者の一貫した思想が流れているように感じられる。ネットメディア業界の人だけでなく、それを活用するビジネスパーソンにとって有益な一冊。また、ネットxメディアという一つの産業が、新旧入り乱れた戦いの中でどのように発展していくのかを描いた産業ケース・スタディとしても、学びが大きかった。
2017年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近ニュースアプリに関して学んでいた。ただ、ニュースアプリ自体はまだここ数年で勃興した新しい世界のため、本は特にないような世界だった。そんな中で結構最近の動きまで(アノWELQ問題まで)抑えている新書を同僚から勧められた。これが本書である。
内容としては、Yahoo!Japanのニュース部分がメインの場所に来た時代から、近年のキュレーションメディア問題まで、多くの取材をもとに、しかし十分に整理され、書かれている。そういう点で、この本はネットニュースメディアの世界の流れを俯瞰して抑えるのには非常に有用であるように思う。しかし、どれもあくまで俯瞰しての記載というように見えた。
日経新聞デジタルを立ち上げから導いていた渡辺氏の言葉「ソーシャルメディアの登場で、ニュースはブレイキングからビューズになる」というのは今のメディアの大きな転換点だと思う。ブレイキングとは”速報ニュース”、ビューズとは”視点や解説”のこと。速報性よりも事象をわかりやすく説明したり、様々な見立てを提供したりすることに価値が移るという話。
キュレーションメディアのような低レベルな記事はひとつひとつの価値は低いため、量産していく必要がある。それ自体に価値はないため、広告で稼ぐことになる。一方、経済メディアという特殊かつ価値のある(と思われる)日経新聞デジタルやニューズピックスは有料化を目指し、記事を高い価値のあるものとして扱い、そのもので稼ぐことを目指していく。
証券会社のマーケットサイドにおいても、近しいことを盛んに言われていたな、と思う。アナリストは決算コメントなんてものはいらない、四半期に1本でもテーマレポートを書け、セールスは当たり前のニュースを伝えるんじゃない、会社の考える思考を伝えるんだ、と口酸っぱく言われていたようだ。決算コメントのような即時ニュース的なものは今では機械が書き、発行された内容を機械でポジティブかネガティブかを判定し、取引がなされ、それで終わりだろう。当時はレポートを書くアナリスト、数字をチェックする編集、コンプライアンスなど法律上問題がないかをチェックするリーガルチェックなど、ただの決算レポートを発行するだけでも人が大量に介在する必要があったため”人のたくさんいる日系証券会社にそういう付加価値の低いレポートは任せておけ”という雰囲気だった。逆にテーマレポートは何かしらその時の注目されるテーマに即したレポート(例えば今であればトランプ大統領の誕生でメリットを享受する企業はどこか?)や新たに生まれる相場の流れに関する見立てなどを、長い枚数をかけて示すレポートである。
そういう意味で、決算コメントはブレイキングのレポート、テーマレポートはビューズに近いだろう。これからの時代はブレイキングはよりAIによって書かれるようになり、価値はなくなるだろう。一方で、ビューズは今後も人の思考により書かれ続けることになろう(例えその過程でAIなどの分析によるデータが差し挟まれるとしても)。
キュレーションメディアなき今、キュレーションメディアが近年埋めていたブレイキングの世界、そして”薄利多売メディア”の枠を取り合う競争が起こると同時に、ビュースの世界、本当の意味で価値ある世界を抑える争いが起こるのだろう。
内容としては、Yahoo!Japanのニュース部分がメインの場所に来た時代から、近年のキュレーションメディア問題まで、多くの取材をもとに、しかし十分に整理され、書かれている。そういう点で、この本はネットニュースメディアの世界の流れを俯瞰して抑えるのには非常に有用であるように思う。しかし、どれもあくまで俯瞰しての記載というように見えた。
日経新聞デジタルを立ち上げから導いていた渡辺氏の言葉「ソーシャルメディアの登場で、ニュースはブレイキングからビューズになる」というのは今のメディアの大きな転換点だと思う。ブレイキングとは”速報ニュース”、ビューズとは”視点や解説”のこと。速報性よりも事象をわかりやすく説明したり、様々な見立てを提供したりすることに価値が移るという話。
キュレーションメディアのような低レベルな記事はひとつひとつの価値は低いため、量産していく必要がある。それ自体に価値はないため、広告で稼ぐことになる。一方、経済メディアという特殊かつ価値のある(と思われる)日経新聞デジタルやニューズピックスは有料化を目指し、記事を高い価値のあるものとして扱い、そのもので稼ぐことを目指していく。
証券会社のマーケットサイドにおいても、近しいことを盛んに言われていたな、と思う。アナリストは決算コメントなんてものはいらない、四半期に1本でもテーマレポートを書け、セールスは当たり前のニュースを伝えるんじゃない、会社の考える思考を伝えるんだ、と口酸っぱく言われていたようだ。決算コメントのような即時ニュース的なものは今では機械が書き、発行された内容を機械でポジティブかネガティブかを判定し、取引がなされ、それで終わりだろう。当時はレポートを書くアナリスト、数字をチェックする編集、コンプライアンスなど法律上問題がないかをチェックするリーガルチェックなど、ただの決算レポートを発行するだけでも人が大量に介在する必要があったため”人のたくさんいる日系証券会社にそういう付加価値の低いレポートは任せておけ”という雰囲気だった。逆にテーマレポートは何かしらその時の注目されるテーマに即したレポート(例えば今であればトランプ大統領の誕生でメリットを享受する企業はどこか?)や新たに生まれる相場の流れに関する見立てなどを、長い枚数をかけて示すレポートである。
そういう意味で、決算コメントはブレイキングのレポート、テーマレポートはビューズに近いだろう。これからの時代はブレイキングはよりAIによって書かれるようになり、価値はなくなるだろう。一方で、ビューズは今後も人の思考により書かれ続けることになろう(例えその過程でAIなどの分析によるデータが差し挟まれるとしても)。
キュレーションメディアなき今、キュレーションメディアが近年埋めていたブレイキングの世界、そして”薄利多売メディア”の枠を取り合う競争が起こると同時に、ビュースの世界、本当の意味で価値ある世界を抑える争いが起こるのだろう。
![図説 日本のメディア [新版]―伝統メディアはネットでどう変わるか (NHKブックス No.1253)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/817qBcHMsML._AC_UL160_SR160,160_.jpg)





