北欧旅行が近いのでつい買ってしまいましたが、ちょっと失敗だったと思っています。
マイナー言語(話者440万人)であるノルウェー語の単語と例文の音声がCDで聞けるので、その点はたいへん貴重ですが、価格上昇分の付加価値が本書にあるかと言えば結構微妙です。旧版をお持ちの方は買い換えなくてもよいのではないでしょうか。
旧版と違う第1の点は音声ダウンロードサービスが付いた点です。2頁にQRコードが印刷してあり、QRコードを利用するか白水社のサイトのURLを入力して、会員登録した上で同社のライブラリから何度でもダウンロードができるようになりました。
第2は、ナレーターのメッセージ(133頁)と単語リストの間に12頁追加され、旧版より若干増えましたが、CDには吹き込まれていません。
簡単なスピーチの表現として「~に乾杯!」Skål for「みなさん!」Alle sammen! または Mine damer og herrer!
簡単なメッセージの表現「~でありますように」Håper ~「~を願っています」Ønsker ~「よい~を」God
文法チェック問題1「私はあなたに会います」「あなたの名前は?」他、全10問および解答
文法チェック問題2「彼女はこの本を読みたいです」「私はノルウェーが気に入っています」他、全10問および解答
自己紹介(ノルウェー語による自己紹介の例文と対訳)
日本の紹介(来日した人にノルウェー語で挨拶し、簡単に日本を紹介し、日本語を学ぶことを薦める例文と対訳)
ノルウェー語(Bokmål:ボークモール)は多分にデンマーク語と深い関連があり、スウェーデン語とも共通の語源を持つ単語が多数あります。(アイスランド語やドイツ語も同じノルト語の仲間です)しかし、字面がそっくりな単語でも発音に大きな違いがある場合が結構あります。子音の発音が化けてつづりとの差異が目立つスウェーデン語や、黙字が多いデンマーク語(童話作家として有名なアンデルセンはアナスンに近く、dを発音しません)よりノルウェー語のほうが発音が素直で取り付きやすいと思われます。
ノルウェーのことは、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語いずれも共通のつづりの”Norge”ですが、音は「ノルガ」「ノルや」「ノるは」のようになり微妙に異なります。(北欧3ヶ国語を一度にやると混乱しそうです。発音が一番厄介なデンマーク語は聞き取りも一番難しく、後に回したほうがよいかもしれません)
本書では文法面がまったく不十分ですので、1993年発行の「自習ノルウェー語文法」(大学書林刊)で学ばれることをお勧めしますが、古書でしか手に入らず数冊しか在庫がない状態です。別売りのカセットテープがありましたが入手困難な上、今どきカセットテープの再生環境がない方も多いかと思われます。是非MP-3CD付きで改訂版を発行して欲しいと思います。
英語やドイツ語で書かれた外国の語学参考書を求める手もあります。一度発行されると英語以外ではなかなか改訂版が出ない日本の出版事情と大きく異なり、新しい書籍が続々と発行されますので、ここ数年以内に発行された最新版で学習できることになります。日本での文法用語がわからないことにはなりますが、実用上の問題はありません。
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