登録者100万人を超える人気YouTuber、ふくれな氏の本。
私は年齢も性別も、おそらく本書の想定している読者像とは異なるのだろうが、人気YouTuberがどのような考え方をしているのか気になり、なんとなく買ってみた。
結果、個人的に、予想外に面白かった。
女性の世界は、容姿や美について、ある程度の基準がある。
本書に挙げられている例としては、たとえばパッチリ二重、黒目が大きい、顔が小さい、スリムといったものである。
この基準にどれだけ該当するかで女性の美しさの評価が決まる。いわば共通認識のようなものだ。
それぞれの要素を満たす人物は美しいとされ、自信を持ち、強そうで、クラスの中でも目立つ存在になる。
これらの特徴をさほど満たしていなかった著者は、中学生の頃から、これらの特徴を手に入れたいとアイプチをしたり努力を始める。
しかしそれも高校に行き、自分よりもはるかに可愛い女子が多くいる環境になった。
そうすると、努力しても追いつけない…となり、著者は自信を失ってしまった。
自信がなくなると人間は卑屈になる。
著者は自分より可愛いクラスメイトを妬み僻む、陰湿で嫌な人間になっていった。
そんな著者は偶然カラコンを使ったことを機に、世界が変わっていく。
その後はYouTubeをつかったメイクに邁進し、自己肯定感を取り戻していった。
このように、女性は容姿で評価されやすい。
これは男性からの目線という意味だけでなく、女性同士の世界でも重視される。
容姿の良い女性は、高いヒエラルキーなど、数々の利点を手に入れやすい。
ゆえに、それらがない女性はつらい思いをすることになる。
本書を読んでいても、著者のようにYouTuberとして成功した人間ですら、すっぴんを見せることの恐怖心が大きいことがわかる。
それくらいつらいものなのだ。
このような社会を変えることは必要なような気もするものの、美しいとされる容姿がある程度きまっているのはいつの時代でも同じだし、なかなか難しいと思う。
一個人がとりえる戦略としては、既存の美的基準に沿った形にメイクなりして適応していくことは、やむを得ないのかもしれない。
本書の146~149ページで書かれているように、たまたま流行していた価値観に沿った美しさではなく、いろんな可愛さの種類があるという認識が定着するとしても、それは少なくともだいぶ先のことなんだろうなと思った。
特に本書を読んでいて心を打たれたのが、116ページからのメイクした状態からメイクを取り除き、すっぴんを動画で晒す動画の話。
化粧をした自分でなく、すっぴんの素顔をYouTubeに公開することで、著者のコンプレックスを溶かしていったのがわかる。
YouTubeと、そこに寄せられた視聴者のコメントが、著者の長年の悩みを救ったのである。
読んでて私まで嬉しくなった。
それと、65ページに書いてある、「つらい場所に無理して居続けなくていい」という著者のアドバイスは、ほんともっと広く知られてほしいなと思った。
たとえば学校でいじめられてたりして、逃げ場がなくなって追い詰められてしまう子供は一定数いる。
これ見てる人でそういうつらい思いをしてる若い人がいたら、「学校なんて大した価値はないし、どうしてもつらいときがあれば逃げていいですよ」と私からも伝えてあげたい。
あと、本書で紹介されている彼氏のM君はいいやつだなと感じた。
こういういい男は、同じ男の目から見てもあまりいない。
著者には彼のことを、今後もずっと大事にしてあげてほしいなと思った。
長くなりましたが、年齢も性別も著者と全く違う私にとっても、学びが多く、いろいろと思うことが多い本でした。
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