本書は混沌としたユーゴスラビア情勢において、ボスニア・ヘルツェゴビナがアメリカのPR会社の力を借りて米国の世論ひいては国際社会を味方につけ、セルビアを悪と仕立て上げることに成功し、紛争を有利に導いた一部始終を描きだしている。
民間の広告会社がいわば「情報による死の商人」として戦争の行方を左右したという衝撃的な内容もさることながら、時系列に沿った明快な論調、読みやすい文章も相まって、各賞を受賞したのも首肯できる。
ただし、もやもやしたものを覚える読書体験だったことは否定できない。民間広告会社がいかにして多数の人間の生命を左右するか、そしてイメージ戦略に踊らされる世論がいかに愚かで脆いものかという不愉快な真実を、眼前に突き付けられたからだ。皮肉な言い方をすれば、本書は、著者が属するNHKも含む大手メディアが、善悪の判断は別としてどれほど大きな力を有しているかを実例と共に示した「メディア賛辞」の書である。
マスコミへの不信、TV離れが語られるようになった現在でも、大手メディアの作り出すイメージ=世論からだれも逃れられない。その不愉快な真実を改めて再認させてくれたという意味でも、本書は一読に値する。
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ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫) 文庫 – 2005/6/15
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- ISBN-104062750961
- ISBN-13978-4062750967
- 出版社講談社
- 発売日2005/6/15
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- 本の長さ416ページ
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高木/徹
1965年東京都生まれ。’90年東京大学文学部卒業、NHKにディレクターとして入局、現在報道局勤務。2000年10月放送のNHKスペシャル「民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~」は、優秀なテレビ番組に贈られるカナダのバーフテレビ祭「ロッキー賞(社会・政治ドキュメンタリー部門)」候補作に。同番組の取材をもとに執筆した『ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争』は、大きな話題を集め、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞を受賞した。第2作の『大仏破壊―バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか』(文芸春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。気鋭のジャーナリストとして期待されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1965年東京都生まれ。’90年東京大学文学部卒業、NHKにディレクターとして入局、現在報道局勤務。2000年10月放送のNHKスペシャル「民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~」は、優秀なテレビ番組に贈られるカナダのバーフテレビ祭「ロッキー賞(社会・政治ドキュメンタリー部門)」候補作に。同番組の取材をもとに執筆した『ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争』は、大きな話題を集め、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞を受賞した。第2作の『大仏破壊―バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか』(文芸春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。気鋭のジャーナリストとして期待されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/6/15)
- 発売日 : 2005/6/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4062750961
- ISBN-13 : 978-4062750967
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,532位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1位ジャーナリズム (本)
- - 2位その他戦争関連書籍
- - 5位講談社文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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2019年10月20日に日本でレビュー済み
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44人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年12月12日に日本でレビュー済み
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ピーター・ハントケがようやくノーベル文学賞を獲得した!私はこの『ドキュメント戦争広告代理店』に出会うまで、マスコミが流し続けたミロシェビッチに対する評価もセルビア兵が民族浄化の名の下に行ったとされた婦女暴行の数々も信じていた。しかし、この本を読んだ時、それらの情報が今でいう「フェイク」かもしれないと私の事実と信じていたものを立ち止まって疑うようになることができた。その発見によって、山崎佳代子さんの書かれた至極の本に出会うこともできた。
今年、久しぶりに文庫本を購入して読み返している時に、ペーター・ハントケの吉報が届いた。ペーター・ハントケもNATOのユーゴ紛争の介入を支持してきたヨーロッパの人々の常識に孤高の闘いを挑み続けた来た作家だったが、彼のモノを視る目の確かさにようやくこうした評価が与えられたのは嬉しい。私自身がこうした事実に対する向き合い方を学んだこの本を一人でも多くの人に読んで欲しいと改めて願う。
今年、久しぶりに文庫本を購入して読み返している時に、ペーター・ハントケの吉報が届いた。ペーター・ハントケもNATOのユーゴ紛争の介入を支持してきたヨーロッパの人々の常識に孤高の闘いを挑み続けた来た作家だったが、彼のモノを視る目の確かさにようやくこうした評価が与えられたのは嬉しい。私自身がこうした事実に対する向き合い方を学んだこの本を一人でも多くの人に読んで欲しいと改めて願う。
殿堂入りNo1レビュアーベスト50レビュアー
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1992〜5年に續いたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が民族的な對立感情を利用して何の様に計画され、引き起こされたか「宣傳」の觀點から分析した論考です。ユーゴスラビア觧躰に伴ってボスニアに生じた對立は、一旦火がつくと民族問題は一気に激化する典型的な事例ではありましたが、それにしても何故あそこまで破壊的な内戰が3年も續くのか、当時は如何も腑に落ちない印象も有りました。今でこそ、クリントン政権の背後に控えて居た勢力による商賣の正體は多くの人々の知る處ですが、本書が描く「人道」や「人権」を口實にして其の實は眞逆の方向に誘導して行く手口に當時の我々は十分な認識を持って居たとは謂えず、本書が鳴らす警鐘は傾聴に値するでしょう。また、登場する役者の正躰も今となれば、ああ、あの人たちかと頷けます。本書の著者が其処迄意識して書いて居たか如何か分かりませんが、今回の米國大統領選挙の様子を見ていると、本書の描く處がより深く見えて來るのでは無いでしょうか。
2020年9月22日に日本でレビュー済み
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ガリ国連事務総長やマッケンジー将軍など、今考えると正しく物事を認識していたと思われる人が、どんどん排除されていく。
実際は上手くいかなかった施策もたくさんあったのだろうが、ここぞという所で周囲の状況を読み切って手を打っていく所に感心してしまった。
クライアントを勝たせるためのプロの仕事と思う反面、あまりにも狙い通りに動くメディアや世論には恐ろしさを感じた。
ミロシェビッチはその後どうなったんだっけ、とその後調べてコソボ紛争などの情報を見つけたが、その情報ももう額面通りには受け取れない。
しかし、情報に対してはそれくらいの慎重さが必要だと思わせられれた。
実際は上手くいかなかった施策もたくさんあったのだろうが、ここぞという所で周囲の状況を読み切って手を打っていく所に感心してしまった。
クライアントを勝たせるためのプロの仕事と思う反面、あまりにも狙い通りに動くメディアや世論には恐ろしさを感じた。
ミロシェビッチはその後どうなったんだっけ、とその後調べてコソボ紛争などの情報を見つけたが、その情報ももう額面通りには受け取れない。
しかし、情報に対してはそれくらいの慎重さが必要だと思わせられれた。
2022年1月9日に日本でレビュー済み
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この本は、国際政治を大学で学んだものとして、今まで読んだ国際政治に関するドキュメンタリーの中でも最も記憶に残る一冊でした。
2016年のトランプ勝利とその後のアメリカの分断は、この本で書かれているような情報戦をソーシャルメディアを駆使して行った結果で、その背後にはロシアの影が見え隠れすると思っている。ボスニアは広告代理店を使い、ロシアはFBを始めとしたソーシャルメディアを使った。その違いだけで、世論を有利に誘導し、政治の流れを変える手法は何も変わらない。Qアノンもロシアの広報戦の一手にすぎず、すでに分断された世論に様々な陰謀をフィードし、アメリカの世論が後戻りできないところまで分断していく。まさにロシアが望むようにアメリカの民主主義を中から破壊していく。トランプは自身のエゴのために悪魔に魂を売り大統領の地位を獲得したが、結果自国の将来をロシアに売り渡した売国奴として歴史に名前を刻むことになるだろうと思う。誰かがこれを解明し、本当は何が起こったのかを理解し、多くのトランプ支持者が自分がそれに加担していたのだ、という事実を認識する日は来るのか。
2016年のトランプ勝利とその後のアメリカの分断は、この本で書かれているような情報戦をソーシャルメディアを駆使して行った結果で、その背後にはロシアの影が見え隠れすると思っている。ボスニアは広告代理店を使い、ロシアはFBを始めとしたソーシャルメディアを使った。その違いだけで、世論を有利に誘導し、政治の流れを変える手法は何も変わらない。Qアノンもロシアの広報戦の一手にすぎず、すでに分断された世論に様々な陰謀をフィードし、アメリカの世論が後戻りできないところまで分断していく。まさにロシアが望むようにアメリカの民主主義を中から破壊していく。トランプは自身のエゴのために悪魔に魂を売り大統領の地位を獲得したが、結果自国の将来をロシアに売り渡した売国奴として歴史に名前を刻むことになるだろうと思う。誰かがこれを解明し、本当は何が起こったのかを理解し、多くのトランプ支持者が自分がそれに加担していたのだ、という事実を認識する日は来るのか。
2020年2月3日に日本でレビュー済み
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とりあえず、読み物として十分楽しめます。これを楽しいと言って良いのかみたいな倫理観を持ってこられると困りますが、楽しいにも色々あるって事で気にしないで下さいね。
時代は1990年代初めにあったボスニアとセルビアの紛争で両国の明暗を分けたものは何か。
PR:パブリック リレーションズ だ。どのようにPRをして戦略を建て、それがどのようにヨーロッパの国々や主にアメリカに影響を与えていったのか、ポリティカルな面で語られるこの物語はなんなら少しSFの香りまでする。私のこれまでの素養の無さを痛感させられもしたので、良い意味でとても刺激をもらえた一冊でした。どうぞお手に取ってみてもらいたい本です。
時代は1990年代初めにあったボスニアとセルビアの紛争で両国の明暗を分けたものは何か。
PR:パブリック リレーションズ だ。どのようにPRをして戦略を建て、それがどのようにヨーロッパの国々や主にアメリカに影響を与えていったのか、ポリティカルな面で語られるこの物語はなんなら少しSFの香りまでする。私のこれまでの素養の無さを痛感させられもしたので、良い意味でとても刺激をもらえた一冊でした。どうぞお手に取ってみてもらいたい本です。





