剣士「コナン・ザ・グレート」、父親「コマンドー」、ロボット「ターミネーターSr」、スパイ「トゥルーライズ」、兵士「プレデター」、捕囚「バトルランナー」、そしてこの自分探し逃亡者の「トータルリコール」が自分のシュワルツェネッガー七部作だ。
最も異色な役柄の本作は、筋肉露出を控え目にして演技力を魅せてくれる。一般市民の平穏と戸惑い、逃亡者の必死の形相、運命を知った勇士の決意、そしてもう一つの裏の人格。最もストーリーが複雑なので、シュワルツネッガーの微妙な表情変化が楽しめる貴重な作品だ。
当時のミニチュアセットでの合成映像は斬新で、完全透視セキュリティ、奇怪なミュータント達の造形、真空状態や発信器解除時の顔面演出、変相用の全自動被り物、無人TAXIのロボット運転手の悲哀等、鬼才ポール・バーホーベン監督が放つ独特の風刺が効いた演出が随所に光っているからこそ本作は面白いのだ。SFなのに当時流行りの宇宙空間や宇宙船、レーザー光線が一切出ない、近未来バイオレンスに徹した拘りには畏れ入る。
また敵のエグい殺し方やシャロン・ストーンの扱い方、レイチェル・ティコティンの顔面特撮等、およそ普通の監督では考えられない大胆さだろう。
シュワルツネッガーとバーホーベンの組み合わせは、やはり他作とは一味違う突き抜け方をするので、どうしても記憶に残るのだ。
この遊び心満点の監督の独創的な味付けは、そう簡単にリメイク出来ないのは当然で、この中毒性は一度知ったら止められない。
やはり七部作に相応しいシュワルツネッガー渾身の傑作だ。
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