1990年の映画である奇才バーホーベン監督の『トータル・リコール』は、唯一無二のSF映画として存在感のある作品になっていると思います。(もしかしたらこの感覚自体が"おっさん化"してるのかもしれませんが…)
旧作は何度もテレビ放映され、その世界観と演出の"汚らしさ"、"エグさ"にバーホーベン監督のセンスと意地の悪さを感じ、子供ながらに夢中になり、呆れかえったものです。
そしてその"汚らしさ"、"エグさ"がまさに心に焼き付いた『トータル・リコール』のインパクトだっただけに、そのアクが抜かれた今作はCGが凄いとはいえ淡々と観れてしまいます。(携帯電話の例のシーンはかなり"旧作臭く"思わず釘付けになりましたが)
いかんせん、旧作で強烈なインパクトを残したものが多すぎるんですよね。
タクシーロボ、変装セット、火星の街、採掘機、クセのある登場人物…。(例の窒息シーンはくどいですね)
今回の世界観自体すごく良いけど、そのすごさと没入感が見合っていないのがもったいない。
ポテンシャルの高さを生かせなかった本当に惜しい作品です。
しかしバーホーベンは凄い。『ロボコップ』に続いて『トータル・リコール』でも現代の技術だけじゃ太刀打ち出来なかった…。

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