歌詞・楽曲・アレンジ・演奏なにもかもが完璧な傑作。
自分はもうこの作品発表時(2000年)のころは紙媒体にはなんの期待もしていなかったので、当時どんな評価をされてたのかは知らない。
ほとんどスルーだったようだけど、大多勢がどう評価しようが関係ない。
この作品をスルーした雑誌の連中はみなアンテナの感度の鈍さを嘆くべきだと思ってる。
彼らの曲を初めて聴いたのは7曲目の『無題』。なぜか有線で何度も掛かっていた。すごい曲。
そして「あれは誰のなんという曲ですか?」と問い合わせて、すぐにアルバムを買いに行った。
アルバムにはそんな『無題』に引けを取らないすごい曲ばっかり。
このバンドは 鍵盤vo.(女).ba. (男)ds.(女)のギターがいない3人編成。
音楽は少しジャズっぽいポップロックとでもしとこうか。
このアルバム発表後、ネルソングレートと名前を変えて活動したらしいが結局すぐに分裂してしまった。
そらそうだよな・・・と思う。こんな緊張感はいつまでも持続できない。メンバーも終わりに向かってるのが分かってたんじゃないかな?
聴き直してみたら思ったのだけど、やっぱり、高島匡未-ピアノ& ボーカルがすごいんだな。
この人、尋常じゃない。張りのあるヴォーカルはもちろん、作曲が。
この人の作った楽曲を聴くと、他のロック・ポップ・歌謡曲の名曲だと言われているものがぜんぶ鼻唄に聞こえる。
コードをじゃらじゃら鳴らしてテキトーなvo.ラインをつけたとははっきり違う。なにか確固たる意志がないとこれできないでしょ?職業作曲家もはるか後方に追いやってしまう。
どう展開してどこに着地するのかまったく読めない。過去にもこれ以降もこんな曲およそ聴いたことがない。
10曲目『ダイヤル 35』なんか聴くとどっか他の星から来たのか、何かが降りてきて取り憑いたんじゃないかとさえ思う。
とにかくめちゃくちゃかっこいい。
バンドサウンドが好きな方はぜひ聴いてほしい。