覆面作家・梶山三郎氏のデビュー作。トヨトミ自動車(モデルはどう見てもトヨタ自動車)をはじめ、実在の企業・人物を彷彿とさせる内容に、読んでいて思わずニヤリとさせられる。本作の内容が事実なのか、フィクションなのか、色々議論はあるようだが、いずれにしても本作が優れた作品である事に変わりはない。どこまでが事実なのか、脚色なのかを読者に想像させる余地を著者が残してくれているのだろう。
叩き上げで出世した武田剛平、トヨトミ本流の血を受け継いだ豊臣統一、本作はこの2人を軸に据えて進む。叩き上げで異例の社長に就任するも、トヨトミの閉鎖的体制に反旗を翻して退任させられた武田、無能ながらもトヨトミの血だけで頂点に登り詰めるも、不祥事や経営不振に翻弄され続ける統一と、2人の辿った人生は綺麗なコントラストを成している。ただそれでも、2人共に、トヨトミ自動車を想う気持ちは変わらなかった、という事が本作の終盤を読んでいて良く分かる。無能だった筈の統一も、立派にトヨトミの血を受け継いでいたのだ、と希望を感じさせる終わり方であった。
どうやら本作の続編もあるらしいので、是非読んでみたいと思う。
トヨトミの野望 (小学館文庫) (日本語) 文庫 – 2019/10/4
梶山 三郎
(著)
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本の長さ515ページ
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言語日本語
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出版社小学館
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発売日2019/10/4
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寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
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ISBN-104094067027
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ISBN-13978-4094067026
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
愛知県豊臣市に本社を構える世界的自動車企業、トヨトミ自動車。フィリピンに左遷されていた武田剛平はどん底から這い上がり、社長に昇りつめた。創業家とはなんの関係もないサラリーマン社長はその豪腕で世界に先駆けてハイブリッドカーの量産に挑戦する。いっぽう、創業家出身の豊臣統一は入社以来、豊臣家の七光りと陰口を叩かれながらも、いつの日か武田剛平を越えてやろうと野心を抱いていた。自動車王国アメリカでのロビー活動、巨大市場中国の攻略、創業家との確執―世界と戦う企業の経済戦争を描いた衝撃フィクション!
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2019/10/4)
- 発売日 : 2019/10/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 515ページ
- ISBN-10 : 4094067027
- ISBN-13 : 978-4094067026
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 38,091位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 40位経済・社会小説 (本)
- - 168位小学館文庫
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2019年11月3日に日本でレビュー済み
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21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たまたま、文芸春秋の広告ページで興味を持ち注文しました。
実在する日本を代表する企業をイメージしながら一気に読み終え、
ネットで検索すると、登場人物のモデルは多分この人と云ったサイトがすぐにヒットしました。
続編の新刊は近くの書店経由で入手し、これまた一気に読み終えました。
元旦の日本経済新聞のトヨタの企業広告は「ハイウェイを走る自動運転車と空飛ぶ自動車」でした。
日本の産業を牽引する自動車業界の近未来を予言する企業広告とマッチし、
自動車業界がこれから目指している方向性に少し触れたようで、充実した読書時間でした。
実在する日本を代表する企業をイメージしながら一気に読み終え、
ネットで検索すると、登場人物のモデルは多分この人と云ったサイトがすぐにヒットしました。
続編の新刊は近くの書店経由で入手し、これまた一気に読み終えました。
元旦の日本経済新聞のトヨタの企業広告は「ハイウェイを走る自動運転車と空飛ぶ自動車」でした。
日本の産業を牽引する自動車業界の近未来を予言する企業広告とマッチし、
自動車業界がこれから目指している方向性に少し触れたようで、充実した読書時間でした。
2020年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多くの方がレビューされたベストセラー本なので読み物としての面白さは割愛して自分なりの視点でレビューしてみます。
読み物としてストーリーの面白さが好奇心を掻き立て、書かれている内容と事実の裏取りをしてしまった。下世話な例だが、ALSとIce bucket チャレンジの動画を実際に見て本当だ… (詳細は本書を参考)という信憑性を増させるスパイスもあれば、アメリカ政府との駆け引きの裏側に興味を持ち、過去のニュースを再度読み返すきっかけにもなった。業界の人間でないだけに初めて知ることも多く、就活生や異業界で働く方で、自動車産業を学ぶためにも良い教材になると思う。
読み物としてストーリーの面白さが好奇心を掻き立て、書かれている内容と事実の裏取りをしてしまった。下世話な例だが、ALSとIce bucket チャレンジの動画を実際に見て本当だ… (詳細は本書を参考)という信憑性を増させるスパイスもあれば、アメリカ政府との駆け引きの裏側に興味を持ち、過去のニュースを再度読み返すきっかけにもなった。業界の人間でないだけに初めて知ることも多く、就活生や異業界で働く方で、自動車産業を学ぶためにも良い教材になると思う。
2019年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実に生々しい企業小説で登場人物のリアル性があり非常に面白かった!
2020年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ノンフィクションのようなフィクションである、という触れ込みで知人に紹介された。通常あまり小説は読まないタイプだが、今回は、生徒時代に「竜馬がゆく」を読んだ以来のドキドキ感であっというまに読み進めた。人間関係、心情、世の中の動き、観察眼、いろいろ感じるところが人それぞれだろうが、私は面白かった!
2020年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
年始にふと、本屋のポスターで見かけて買ってみたら、非常に面白かったです。
純粋な小説ストーリーとして面白いんだが、
あの大企業トヨトミの(だけではない)ドロドロの社内政治、根回し、
ユニークな登場人物と、各人の評価や人間関係、スキャンダル等のゴシップ観点、
またその中でも光るトヨトミらしさ、
経営者としての苦悩、手腕、ふるまい方、、、
続編もぜひ読みたいと思いました。
純粋な小説ストーリーとして面白いんだが、
あの大企業トヨトミの(だけではない)ドロドロの社内政治、根回し、
ユニークな登場人物と、各人の評価や人間関係、スキャンダル等のゴシップ観点、
またその中でも光るトヨトミらしさ、
経営者としての苦悩、手腕、ふるまい方、、、
続編もぜひ読みたいと思いました。