イエスのジョン・アンダーソンが、1994年(当時49歳!)、中南米のミュージシャンたちと製作したラテン音楽のアルバムです。
しかし、ひと筋縄では行かないのがジョン。ラテンのエッセンスをちょっとふりまいて・・みたいな音楽ではありません。音楽的意欲とアイデア、センスに満ちた「音の旅人」の面目躍如たる作品になっています。
M1のミルトン・ナシメントをゲストに迎えたトラックがまず凄い。アコギとベ−ス、ラテンのパーカッションによるほの暗いサウンドをバックに、ジョンの英語のヴォーカルとナシメントのスペイン語のヴォーカルが呼応し、なんとも言えないクールでシリアスな雰囲気に満ちています。
M2はミルトン・ナシメントの曲で、軽快なラテンのリズムに乗ってジョンがスペイン語でアフリカ大陸からやって来た人々の立場で歌い、
M3はチャランゴやケーニャをバックに、艶やかなベネズエラの女性ヴォーカルとのデュオで、ジョンのメロディのセンスが光った曲。
M5はジャングルを想わせるSEの中、英語でもスペイン語でもない、不明な言語でジョンが歌っています。もしかしたら失われつつある先住民の言語か?
M9はタンゴ、M10はアップテンポのサンバ、M11はメレンゲ、ラストは静かな雰囲気の中、vanessa mixcoによるスペイン語による詩の朗読でアルバムの幕を閉じます。
アレンジはアコースティック中心で、アコギ、ラテン・パーカッション、キーボードなど。
中南米の歴史と文化に深い共鳴を示し、充分に吸収した後、独自のセンスでクールなラテン音楽に昇華した見事なアルバム。イエスも含め、ジョン・アンダーソンによる数多い作品の中でも傑作のひとつだと思います。
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