めちゃくちゃおかしいショート・ストーリーが20篇収録されています。笑えます。おすすめです。といっても、さっぱりわからないと思いますので、20篇中からいくつかを勝手に選んで内容をかんたんに紹介します。もちろん、オチは書けません。
【午後の茶碗蒸し】それは不思議な光景だった。街を歩いていたあたしはみんなのおどろく声でふと空を見上げた。そこにはコロッケやハンバーガーやおにぎりがぷかぷかと浮かんでいたのだ。何これ、一体何を意味するの? するとだれかが言った。「おれの大好物だ」。ほかのだれかも言った。「おれもだ」。みんなの頭上にはそれぞれの大好きなものが浮かんでいる? ところがわたしの上空にはなにもない。やがて、茶碗蒸しを頭上にいただく大好きな彼が……。
【あいまいでいこう】どこかの国の選挙の結果、現政権のあいまい派が敗れ明確派が政権を奪った。明確派総裁は、日常のあいまいな表現を禁止すると宣言した。あいまい派総裁は、なんとなく負けてしまったようで残念とかいう感じですとコメントした。明確派が政権を執るまであと40日。あいまいな表現を使える最後のチャンスだ。そんなとき国民がとった行動とは……。
【愛妻家】公園のベンチにすわった男がふたり。あごひげ男と帽子男は、互いに「世界一の愛妻家」を自負している。愛妻を守るための奇想天外なシステムを構築している二人だ。家に来る男には番号札を取らせるとか、電話は音声ガイダンスを導入するとか、よその男に会わせないようにするばかばかしい仕組みを、交代で次々と披露していくのだが……。
どうです? おもしろそうでしょう。よくもまあ。こんなしょーもない設定を考えるものだと感心します。20篇がすべてこんな調子です。作者は関西ネイティブだそうです。大阪弁の罵倒合戦など、おもしろいのなんの。笑えます。ぜったいおすすめです。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
