本書の一つの頂点である第4章「技術が悟る瞬間」の中の一文には、著者ロベルト・ベルガンティの思想が力強く凝縮されている。曰く:
「先見の明があること、違った角度から社会文化的現象を観察すること、リスクを負う覚悟があること、市場テストに惑わされないこと、技術ベースの強みを利用することは、効果的なデザイン・ドリブン・イノベーション(DDI)の主要な特徴である」
そして、第2部では、この高らかな宣言を受けて、DDIのエンジンともいうべきデザイン・ディスコースの全貌が徐々に露わにされて行く。特に、第6章「解釈者たち」、第7章「耳を傾ける」、第9章「話しかける」を貫く熱気は、各章に散りばめられた複数の図のどれもが主旨の可視化の点で必ずしも完成度が高くないと感じられることで、返って生々しいリアリティを発して迫ってくる。そうした原図の作り込み方から想像すれば、日本語翻訳作業の苦労がしのばれる。
それにも関わらず、訳文からは、全編に流れる著者の熱い心を訳者が知性の限りを尽くして再現しようとしている学者らしい良心のようなものが伝わって来て、清々しいとさえ感じ取れる。
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デザイン・ドリブン・イノベーション 単行本 – 2012/7/1
ロベルト ベルガンティ
(著),
Roberto Verganti
(原著),
佐藤 典司
(翻訳),
岩谷 昌樹
(翻訳),
八重樫 文
(翻訳),
立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)
(翻訳)
&
3
その他
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- 本の長さ345ページ
- 言語日本語
- 出版社同友館
- 発売日2012/7/1
- ISBN-104496048795
- ISBN-13978-4496048791
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商品の説明
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ベルガンティ,ロベルト
ミラノ工科大学教授。コペンハーゲン・ビジネス・スクール客員教授。Journal of Product Innovation Management編集委員、Design Management Institute顧問。イタリアでのデザインマネジメントに関する研究で、イタリアの最も権威あるデザイン賞であるCompasso d’Oroを受賞している
佐藤/典司
立命館大学経営学部教授、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)代表。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1980年(株)電通入社の後、(社)ソフト化経済センター出向などを経て、1998年(株)電通を退社し現在に至る。専門はデザインマネジメント、情報・知識価値マネジメント
岩谷/昌樹
東海大学政治経済学部准教授、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)客員研究員。立命館大学経営学部卒業、同大学大学院経営学研究科修了。同大学経営学部助手、非常勤講師を経て、2003年東海大学政治経済学部専任講師、2006年同大学同学部助教授、2007年より現在に至る。博士(経営学)。専門は国際経営論、グローバル企業の戦略、デザインマネジメント。日本経営管理協会主催「経営管理黒澤賞」協会賞2回受賞(1999年、2002年)、共立総合研究所主催「懸賞論文」優秀賞受賞(2000年)、2006年度および2009年度東海大学Teaching Award優秀賞受賞
八重樫/文
立命館大学経営学部准教授、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)事務局長。武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。デザイン事務所勤務、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科教務補助員、デザイン情報学科助手、非常勤講師を経て、2005年福山大学人間文化学部人間文化学科メディアコミュニケーションコース専任講師、2007年立命館大学経営学部環境・デザイン・インスティテュート准教授、2012年より現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ミラノ工科大学教授。コペンハーゲン・ビジネス・スクール客員教授。Journal of Product Innovation Management編集委員、Design Management Institute顧問。イタリアでのデザインマネジメントに関する研究で、イタリアの最も権威あるデザイン賞であるCompasso d’Oroを受賞している
佐藤/典司
立命館大学経営学部教授、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)代表。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1980年(株)電通入社の後、(社)ソフト化経済センター出向などを経て、1998年(株)電通を退社し現在に至る。専門はデザインマネジメント、情報・知識価値マネジメント
岩谷/昌樹
東海大学政治経済学部准教授、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)客員研究員。立命館大学経営学部卒業、同大学大学院経営学研究科修了。同大学経営学部助手、非常勤講師を経て、2003年東海大学政治経済学部専任講師、2006年同大学同学部助教授、2007年より現在に至る。博士(経営学)。専門は国際経営論、グローバル企業の戦略、デザインマネジメント。日本経営管理協会主催「経営管理黒澤賞」協会賞2回受賞(1999年、2002年)、共立総合研究所主催「懸賞論文」優秀賞受賞(2000年)、2006年度および2009年度東海大学Teaching Award優秀賞受賞
八重樫/文
立命館大学経営学部准教授、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)事務局長。武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。デザイン事務所勤務、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科教務補助員、デザイン情報学科助手、非常勤講師を経て、2005年福山大学人間文化学部人間文化学科メディアコミュニケーションコース専任講師、2007年立命館大学経営学部環境・デザイン・インスティテュート准教授、2012年より現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 同友館 (2012/7/1)
- 発売日 : 2012/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 345ページ
- ISBN-10 : 4496048795
- ISBN-13 : 978-4496048791
- Amazon 売れ筋ランキング: - 737,506位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 29,279位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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星5つ中の3.6
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トップレビュー
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2018年2月26日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2018年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イノベーションとはユーザー領域で問題を見つけて解決することであると言われる.
しかし,商品企画や起業など,イノベーションの当事者にインタビューすると,
一様に「ユーザーは自分の抱えている問題を知らない」という声を聞く.
では,どうやってイノベーションのアイデアを手に入れるのだろうか,ということが疑問だった.
この本はこの疑問に対する一つの解答を与えてくれる.
画期的なデザインとは,
着目しているモノやコトに対して,従来とは異なる新しい「意味」を考えること
と定義し,そのための方法論を述べている.
大変面白い.
しかし,商品企画や起業など,イノベーションの当事者にインタビューすると,
一様に「ユーザーは自分の抱えている問題を知らない」という声を聞く.
では,どうやってイノベーションのアイデアを手に入れるのだろうか,ということが疑問だった.
この本はこの疑問に対する一つの解答を与えてくれる.
画期的なデザインとは,
着目しているモノやコトに対して,従来とは異なる新しい「意味」を考えること
と定義し,そのための方法論を述べている.
大変面白い.
2015年10月24日に日本でレビュー済み
昨今のイノベーションの多くは新しい価値観を生み出す「意味的な革新」が起きた時に
市場に大きなインパクトを与える。この本ではイノベーションを「技術革新」と「意味の革新」
という二つを基軸として用い、整理する方法が著者のミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ
教授によって提唱された。
イノベーションはスマートな姿でやってこない、既存の価値観にとらわれない自由な発想が
必要とされる。自分の会社からイノベーションが出ないと嘆くマネージメントの方は、その
イノベーションの芽を自ら摘んでしまっていないかを振り返ってみる必要がありそうです。
市場に大きなインパクトを与える。この本ではイノベーションを「技術革新」と「意味の革新」
という二つを基軸として用い、整理する方法が著者のミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ
教授によって提唱された。
イノベーションはスマートな姿でやってこない、既存の価値観にとらわれない自由な発想が
必要とされる。自分の会社からイノベーションが出ないと嘆くマネージメントの方は、その
イノベーションの芽を自ら摘んでしまっていないかを振り返ってみる必要がありそうです。
2012年8月18日に日本でレビュー済み
本書で議論されているのは、経営者が理解すべきデザインとイノベーションの関係であり、すぐれたイノベーション研究、マネジメント研究である。巷にあふれる ‘デザイン思考本’ とは一線を画す内容で、経営学研究者としてのオリジナリティーを感じる。
ベルガンティ教授は「意味の急進的イノベーション(Radical Innovation of Meanings)」を唱え、それはユーザー中心のデザインでは実現しないと言い切る。他社を寄せつけない「意味の急進的なイノベーション」を起こすためのデザインとイノベーションに関する考え方や経営上の施策が書かれている。
ベルガンティ教授は「意味の急進的イノベーション(Radical Innovation of Meanings)」を唱え、それはユーザー中心のデザインでは実現しないと言い切る。他社を寄せつけない「意味の急進的なイノベーション」を起こすためのデザインとイノベーションに関する考え方や経営上の施策が書かれている。