本作品を雑誌連載では読んでいたのだけれど、結末がどうなったか確認したくて9巻と本巻を購読。ある意味完璧なハッピーエンドなのだがあまりスッキリしない。スッキリしない理由は本作品の並行世界・時間旅行ものとしての完成度にある。主人公は最初の時間旅行で元々居た並行世界Aの時間軸を遡りその世界の過去に行く。そこで主人公がいろいろ行動したために元々の世界とは異なる時間軸に並行世界Bが分岐する。二度目の時間旅行では並行世界Bの時間軸を行き、その世界の現在に戻る。並行世界Bの現在でも色々あった主人公は今度はその時間軸を遡り並行世界Bの過去に行く。そこで主人公が色々介入した末に並行世界Cが新たな時間軸に分岐する。いずれの並行世界の過去においても、成人した主人公と胎児であった主人公が並存している。物語のラストは並行世界Cの現在であり、当初の主人公の願いはほとんど叶えられ完全に近いハーッピーエンドの体裁を整えてはいるが、そこに存在しているのは分岐時点では胎児であった主人公である。この胎児主人公と時間軸を渡り歩き作品世界をを通じての主役であった成人主人公が別人格と感じられるためにハッピーエンドがスッキリしないことになる。しかしこのスッキリしなさこそが本格的タイムパラドックス物としての本作品の妙味であるかもしれない。
改めて1巻から読み返してみた。世界Bの現在から時間を遡る前の主人公の諦めと覚悟、そこに至るまでの物語の流れがはっきりと分かって結末の情緒が一層際立った。加えて年齢や境遇による人間の風貌の変化が自然に描き分けられていることに感心した。
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テセウスの船(10) (モーニングコミックス) Kindle版
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日2019/12/23
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ファイルサイズ83824 KB
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商品の説明
著者について
東元 俊哉
1981年生まれ、北海道出身。主な著作に『破道の門』『湘南レスキュー部』『バウンスアウト』(以上、講談社)、『バタフライ』(日本文芸社)など(※すべて「東元俊也」名義)。 --このテキストは、comic版に関連付けられています。
1981年生まれ、北海道出身。主な著作に『破道の門』『湘南レスキュー部』『バウンスアウト』(以上、講談社)、『バタフライ』(日本文芸社)など(※すべて「東元俊也」名義)。 --このテキストは、comic版に関連付けられています。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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ベスト50レビュアー
Amazonで購入
110人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第一巻のレビューで、この作品の薄っぺらさについてはさんざん愚痴ったので、こちらでは書かない。主人公と父親の無計画極まりない犯行阻止計画についてもツッコむだけ無駄。これが限界なのだと許容するより他ない。
ここで文句言いたいのは、物語のエピローグ。主人公の人生は平和で理想としたものに入れ替わった(少なくともその時点では)という描写でまとめられるが、娘(未来)はどうなった?
作中では直接的には無関係な過去の改変が、その後の運命に大きな違いを与えている例があった。となれば、妻が同じとて生まれてくるのが全く別の子供である可能性は十分に考えられる。もし、ふたりに(奇跡的に)同じ未来が生まれてくるのだとして、そこは描くべきだっただろう。
そこをおざなりにするというのは、あまりに無神経すぎる。親である主人公の重要な側面に対して、全く配慮がない。
たとえば、同じタイムスリップものでも「ハイポジ」では、娘の存在が過去の改変という行為に対するひとつの問題意識として投げかけられる。つまり、自身の人生がいかに悲惨なものであったとしても、過去に戻って人生を「やり直す」「改変する」ということは、本来生まれてくるはずだった存在を消し去り、自分の都合のいいものに置き換えるという行為にほかならない。
そんなことは許されるのか。
消えて置き換えられる存在がかけがえのない存在…たとえば我が子であったなら、どうするだろうか。
つまり、突き詰めて考えていけば「子」の存在は、タイムスリップによる人生の改変そのものの是非にすら波及するほどのナイーブさを秘めた話であるはずなのだ。
しかし、この作者のもとではここまであっけらかんと無視される。第一話では赤ん坊を展開のための動機づけとして“消費”しておきながら、最終話ではまるで端から「そんなものは重要ではなかった」とばかりに忘却しているのである。
物語の装置として登場人物を利用する傾向はこの作者において顕著だが、「主人公と子供の関係」すらもここまで記号として何の思い入れもなく扱っていたというのは呆れを通り越して、気持ち悪さすら覚える。
この作者は人格や生命の尊厳を本当に理解できているのか。空想の中だからと侮って、そういうところまで深く考えていないのだろうか。
この作者の最大の問題点は、そのフィクションに対する徹底したまでの不誠実さにあると言わざるを得ない。
ここで文句言いたいのは、物語のエピローグ。主人公の人生は平和で理想としたものに入れ替わった(少なくともその時点では)という描写でまとめられるが、娘(未来)はどうなった?
作中では直接的には無関係な過去の改変が、その後の運命に大きな違いを与えている例があった。となれば、妻が同じとて生まれてくるのが全く別の子供である可能性は十分に考えられる。もし、ふたりに(奇跡的に)同じ未来が生まれてくるのだとして、そこは描くべきだっただろう。
そこをおざなりにするというのは、あまりに無神経すぎる。親である主人公の重要な側面に対して、全く配慮がない。
たとえば、同じタイムスリップものでも「ハイポジ」では、娘の存在が過去の改変という行為に対するひとつの問題意識として投げかけられる。つまり、自身の人生がいかに悲惨なものであったとしても、過去に戻って人生を「やり直す」「改変する」ということは、本来生まれてくるはずだった存在を消し去り、自分の都合のいいものに置き換えるという行為にほかならない。
そんなことは許されるのか。
消えて置き換えられる存在がかけがえのない存在…たとえば我が子であったなら、どうするだろうか。
つまり、突き詰めて考えていけば「子」の存在は、タイムスリップによる人生の改変そのものの是非にすら波及するほどのナイーブさを秘めた話であるはずなのだ。
しかし、この作者のもとではここまであっけらかんと無視される。第一話では赤ん坊を展開のための動機づけとして“消費”しておきながら、最終話ではまるで端から「そんなものは重要ではなかった」とばかりに忘却しているのである。
物語の装置として登場人物を利用する傾向はこの作者において顕著だが、「主人公と子供の関係」すらもここまで記号として何の思い入れもなく扱っていたというのは呆れを通り越して、気持ち悪さすら覚える。
この作者は人格や生命の尊厳を本当に理解できているのか。空想の中だからと侮って、そういうところまで深く考えていないのだろうか。
この作者の最大の問題点は、そのフィクションに対する徹底したまでの不誠実さにあると言わざるを得ない。
ベスト500レビュアー
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ついに迎えたお泊り会の日、手荷物検査など佐野が警戒を強める中でも不穏な行動をとる
加藤みきお。そして奇怪な絵に導かれ山小屋へ向かった心を待ち受けていたのは……。
大量殺人の起こる過去を変えるタイムスリップサスペンス、ここに完結。「加藤」が事件を
起こした真の理由、その歪んだ欲望に同情の余地はなく。最後の最後で詰めが甘かったのが
心には幸いしましたが。
それなりに面白かったけど、やっぱりこうなったかという結末。これはまさにテセウスの船。
「最初の部品」をほとんど失って終わったこの物語をどうとらえればよいのか、何とも空疎な
ハッピーエンドに見えます。厳密に言えばわずかに残った物はあるのですが、それを知る者は
少なく。ラストがちょっと不穏なのも気味の悪い。「古い部品」を知る彼は何を思うのか…。
しかしこの「後味の悪さ(切なさ)」は狙い通りだったのでしょう。お疲れ様でした。
加藤みきお。そして奇怪な絵に導かれ山小屋へ向かった心を待ち受けていたのは……。
大量殺人の起こる過去を変えるタイムスリップサスペンス、ここに完結。「加藤」が事件を
起こした真の理由、その歪んだ欲望に同情の余地はなく。最後の最後で詰めが甘かったのが
心には幸いしましたが。
それなりに面白かったけど、やっぱりこうなったかという結末。これはまさにテセウスの船。
「最初の部品」をほとんど失って終わったこの物語をどうとらえればよいのか、何とも空疎な
ハッピーエンドに見えます。厳密に言えばわずかに残った物はあるのですが、それを知る者は
少なく。ラストがちょっと不穏なのも気味の悪い。「古い部品」を知る彼は何を思うのか…。
しかしこの「後味の悪さ(切なさ)」は狙い通りだったのでしょう。お疲れ様でした。
2020年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
A 本来の世界線
B 母親と長男が一家心中した世界線
C 最終的な世界線
とすると、B世界で主人公宅に青酸カリを置いた人は結局誰だったんだろう
担任教師が置いた説が主人公姉から提示されていたが、実際に息子か犯人と確認したのはかなり未来であると描写されていた。つまり犯行前後には教師は関与しておらず、結局主人公宅に青酸カリを置いた人間は不明なままである
またC世界における犯人(成人)と犯人(未成年)だが、二人とも指紋やDNAの照合はされなかったのだろうか?事件があった年代にDNA鑑定はすでに行われていたはずだが・・・
C世界において、犯人(成人)が焼死したとかならともかく、射殺された以上遺体からDNA、指紋の聴取はしているはず。かつ、犯人(成人)は犯人(未成年)と親戚関係であると施設職員などには言っていたことからDNAによる血縁関係は調べられるはず。そこで指紋の完全一致、DNAの完全一致などが認められた場合、正直未成年の殺人事件よりも前代未聞の大騒ぎになるとおもわれるが・・・
そこらへんの詰めの甘さが少し残念
でもサスペンスとしては面白かったですよ
B 母親と長男が一家心中した世界線
C 最終的な世界線
とすると、B世界で主人公宅に青酸カリを置いた人は結局誰だったんだろう
担任教師が置いた説が主人公姉から提示されていたが、実際に息子か犯人と確認したのはかなり未来であると描写されていた。つまり犯行前後には教師は関与しておらず、結局主人公宅に青酸カリを置いた人間は不明なままである
またC世界における犯人(成人)と犯人(未成年)だが、二人とも指紋やDNAの照合はされなかったのだろうか?事件があった年代にDNA鑑定はすでに行われていたはずだが・・・
C世界において、犯人(成人)が焼死したとかならともかく、射殺された以上遺体からDNA、指紋の聴取はしているはず。かつ、犯人(成人)は犯人(未成年)と親戚関係であると施設職員などには言っていたことからDNAによる血縁関係は調べられるはず。そこで指紋の完全一致、DNAの完全一致などが認められた場合、正直未成年の殺人事件よりも前代未聞の大騒ぎになるとおもわれるが・・・
そこらへんの詰めの甘さが少し残念
でもサスペンスとしては面白かったですよ
2020年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
完璧なハッピーエンドが欲しかったわけでもないが、読み終わった後に眉間にシワが刻まれてるのに気づく。
受け入れがたいモヤモヤが残る。
結局『物語を引っ張ってきた主人公』は全てを失った。
その無念を、『普通に産まれた主人公』が『普通の幸せ』を得る事で晴らす。
そこは解る。
だが、『主人公の父』にとってはこの上無い残酷な出来事だ。
『主人公の父の家族』にとっても、同じ時間を共有した人間を失う悲劇に他ならない。
その心の痛みとか、そういうものに対する『重み』が感じられない。
そもそも『命の重み』自体が、全編通して伝わってこない。
『真犯人』と同じ様な思考回路で描かれた物語と感じて、正直気持ちが悪かった。
タイトル通り、登場人物が『ただの部品』の様に扱われていると感じられる。
最終的に抱く印象は、『タイトルありきで、部品作って組み立てた物語』。
受け入れがたいモヤモヤが残る。
結局『物語を引っ張ってきた主人公』は全てを失った。
その無念を、『普通に産まれた主人公』が『普通の幸せ』を得る事で晴らす。
そこは解る。
だが、『主人公の父』にとってはこの上無い残酷な出来事だ。
『主人公の父の家族』にとっても、同じ時間を共有した人間を失う悲劇に他ならない。
その心の痛みとか、そういうものに対する『重み』が感じられない。
そもそも『命の重み』自体が、全編通して伝わってこない。
『真犯人』と同じ様な思考回路で描かれた物語と感じて、正直気持ちが悪かった。
タイトル通り、登場人物が『ただの部品』の様に扱われていると感じられる。
最終的に抱く印象は、『タイトルありきで、部品作って組み立てた物語』。
