2010年3月2日に22歳で死亡した猫のチロの飼い主であるアラーキーこと荒木経惟による写真集。2009年11月30日からのチロの最後の3ヶ月と死亡後の5月5日までのチロ以外の写真も掲載されている。チロ以外の写真が、すべて日付入りで掲載されているので、アラーキーの半年のドキュメンタリーか日記を読んでいるような感がある。チロは、最初のページから老いと衰弱は明らかで、腎不全で死亡する直前のものは痛々しい。20年前に撮られたチロの写真集、”愛しのチロ”の完結編ともいえるのだが、前者が、年齢を問わず一般の全ての愛猫家のための本であるのに対し、本書は、チロあるいはアラーキーのファンのための一冊で、女性のヌード写真なども多いので、対象は成人に限られる。”愛しのチロ”と異なり、アラーキーのコメントなどは一切ないので、一見関係ないと思われる写真が掲載されている意味を理解するのは難しい。2010年に放映された35分のNHKのドキュメンタリー、“アラーキー・センチメンタルな夏”は、現在YouTubeなどで視聴が可能だが、この番組は、本書の味わいを深くしてくれる構成なのでファンにはお勧め。たとえば、本書は一見、哀しい写真集なのだが、当時、自らも癌を患っていたアラーキーは生きたい”生欲”が湧いてきたとし、”新しい写真集は色つきにしたい。チロの死を明るく振り返りたいんだよ”と語っている。また、本書のラストの30ページはすべて空の写真なのだが、この空の写真は、アラーキーが妻が他界してから、毎日撮影しているものだそうで、アラーキーの想いがこめられているのがわかる。また、KAWADE夢ムックの”荒木経惟”は、チロの死に際して寄せられたコメントやアラーキーの対談などが掲載されており、本書を補う内容なので、本書のファンには必携の一冊。死にかけていたはずのチロが、カメラを向けるアラーキーに応えるために、目に涙をためて立ち上がろうとした話などは涙を誘い、本書のチロの写真が胸に迫る。以下は同書のアラーキーのコメントから。
カメラを向けた荒木にチロは最後の命を燃やすように応えた。“シャッター音に反応して、クッとこっち見て立ち上がろうとすんだよ。目に涙をためて、、、最後までオレに真剣勝負で付き合ってくれた。”
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チロ愛死 ハードカバー – 2010/9/18
ベストセラー『愛しのチロ』でも知られる、アラーキーの愛猫チロ。22年をともに生きたチロの死を看取り=見撮り、チロへの深い愛を、切ないまでに焼きつけた、感動の写真集!
- 本の長さ1ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2010/9/18
- ISBN-104309272126
- ISBN-13978-4309272122
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商品の説明
著者について
1940年東京生まれ。写真家。“アラーキー”の愛称とともに多彩な活躍を続け、既に200冊以上の著作を刊行。1990年代以降、世界で最も注目を集めるアーティストの一人となる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
荒木/経惟
1940年、東京生まれ。千葉大学工学部卒業。第一回太陽賞受賞。オーストリアより科学・芸術勲章を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1940年、東京生まれ。千葉大学工学部卒業。第一回太陽賞受賞。オーストリアより科学・芸術勲章を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2010/9/18)
- 発売日 : 2010/9/18
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 1ページ
- ISBN-10 : 4309272126
- ISBN-13 : 978-4309272122
- Amazon 売れ筋ランキング: - 18,967位洋書 (の売れ筋ランキングを見る洋書)
- - 62位Individual Artists
- カスタマーレビュー:
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著者について
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2014年10月7日に日本でレビュー済み
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愛しのチロを手にした頃はまだ猫を飼っていませんでした。
毎日の世話なんて絶対無理だと思って、ブログや猫本で他所様の猫を眺めるだけでした。
その後、知人から半ば強引に保護猫を押し付けられて
いつもそばに猫がいる夢の暮らしを手に入れました(笑)
柔らかい身体に触るとストレスも溶けていくようで、
甘えられているようで、実は自分がべったり甘えてました。
最近その猫が病気で亡くなってしまい、
想像以上の喪失感で一向に立ち直れずいろいろ模索してたときに
チロも亡くなっていたのを知りました。
人も猫も、日々を生きて、いつか死んでしまう。
抗えない自然の営みだ。そこに空があるように。
本を見てそんなふうに思い至りました。
老いて弱って死んで骨になるまで見続ける。作者の深い深い愛情が沈んだ心に染み入りました。
毎日の世話なんて絶対無理だと思って、ブログや猫本で他所様の猫を眺めるだけでした。
その後、知人から半ば強引に保護猫を押し付けられて
いつもそばに猫がいる夢の暮らしを手に入れました(笑)
柔らかい身体に触るとストレスも溶けていくようで、
甘えられているようで、実は自分がべったり甘えてました。
最近その猫が病気で亡くなってしまい、
想像以上の喪失感で一向に立ち直れずいろいろ模索してたときに
チロも亡くなっていたのを知りました。
人も猫も、日々を生きて、いつか死んでしまう。
抗えない自然の営みだ。そこに空があるように。
本を見てそんなふうに思い至りました。
老いて弱って死んで骨になるまで見続ける。作者の深い深い愛情が沈んだ心に染み入りました。
2014年1月19日に日本でレビュー済み
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愛猫のミー子が亡くなって、私と家内はとても落ち込んでいました。特に訳あってミー子の最後を見届けることができなかったのも大きな原因の一つでした。そんな時、荒木さんの「チロ愛死」に出会って救われる思いがしました。日付順に、衰弱していくチロが荒木さんの愛でカメラに収められています。チロはミー子に似ていました。私はそんな風には撮せなかった。愛が足りなかった。
アラーキーと呼ばれるこの人がこんな視点で猫のことを見ているんだと知ったことも、なぜだか心落ち着かせてくれました。「チロ愛死」は愛猫を失った人にはお勧めです。いつかそこから立ち直らなければならないのですから。
アラーキーと呼ばれるこの人がこんな視点で猫のことを見ているんだと知ったことも、なぜだか心落ち着かせてくれました。「チロ愛死」は愛猫を失った人にはお勧めです。いつかそこから立ち直らなければならないのですから。
2011年7月6日に日本でレビュー済み
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健やかなる時も病める時も、そして最愛の妻、陽子さんを亡くしたときも、
ただそっと寄り添い、見守り続けてくれた大切な存在、チロちゃん。
そして訪れた別れの時。
生まれては一瞬で消える「刹那」の連続の中で私たちは「生きて」いて、そしていずれ「死」を迎える。
その当然の「死」というものが、まるで言葉か別世界でしか存在しないかのように、
きれいにそれを覆い隠し、忘れさせてしまうこの世界。
その中にあって、痛々しく変わっていこうとも、
愛する者の生きている姿を、そしてその死までも撮るという事。
それは「刹那」の「生」を「永遠」に変えること。
「撮ることが生きてる証」
先日放映された番組での荒木さんの言葉。
この写真集は、かけがえの無い存在が生きていたという証そのもの。
荒木さんに向けられる、この愛しくて切なくて慈しみに満ちた眼差し。
自らの終わりを受け入れながらも、最後の一瞬まで生きようとする姿。
涙で滲んでいるかのような写真。
これを撮れるのは、チロちゃんにとってまさしく荒木さんしかいない。
オーバーラップする陽子さんの死とチロちゃんの死。
以前、「東京日和」で陽子さんを亡くした後撮られた、
チロちゃんが空を見ている後ろ姿の写真がありました。
写真を見て涙がでたのはそれが初めてでした。
そしてこの写真集の最後には、本当に美しい空が何枚も映されています。
愛しい存在たちが、そこから優しく身守ってくれているかのような空が。
ただそっと寄り添い、見守り続けてくれた大切な存在、チロちゃん。
そして訪れた別れの時。
生まれては一瞬で消える「刹那」の連続の中で私たちは「生きて」いて、そしていずれ「死」を迎える。
その当然の「死」というものが、まるで言葉か別世界でしか存在しないかのように、
きれいにそれを覆い隠し、忘れさせてしまうこの世界。
その中にあって、痛々しく変わっていこうとも、
愛する者の生きている姿を、そしてその死までも撮るという事。
それは「刹那」の「生」を「永遠」に変えること。
「撮ることが生きてる証」
先日放映された番組での荒木さんの言葉。
この写真集は、かけがえの無い存在が生きていたという証そのもの。
荒木さんに向けられる、この愛しくて切なくて慈しみに満ちた眼差し。
自らの終わりを受け入れながらも、最後の一瞬まで生きようとする姿。
涙で滲んでいるかのような写真。
これを撮れるのは、チロちゃんにとってまさしく荒木さんしかいない。
オーバーラップする陽子さんの死とチロちゃんの死。
以前、「東京日和」で陽子さんを亡くした後撮られた、
チロちゃんが空を見ている後ろ姿の写真がありました。
写真を見て涙がでたのはそれが初めてでした。
そしてこの写真集の最後には、本当に美しい空が何枚も映されています。
愛しい存在たちが、そこから優しく身守ってくれているかのような空が。
2010年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たまたまですが、「愛しのチロ」の前に「チロ愛死」を熟視しました。表紙のチロくんの眼差しがすべてを物語るように、アラーキーに全幅の信頼を置いていたのがよく分かります。チロくんの様子とともに、氏の日々の仕事ぶりが反映され、余計に一日一日の大切な時間を共有できます。先にこの本を見たことから、「愛しのチロ」を追憶とともに目で追うことが出来ましたが、もし順番が逆なら、同じくネコと暮らしている私自身立ち直れただろうかと想像します。ラストの空の写真に込めた思いは、「もう星になってしまったか」か「オレもそのうち行くからな」なのか。家族への愛を淡々と綴っているからこそ、氏のセンチメンタルな感情が伝わります。
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Nat06
5つ星のうち4.0
Étrange
2018年7月11日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
Perturbant..une impression de vécu et qui dérange

Amazon Customer
5つ星のうち5.0
Five Stars
2017年5月11日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
wonderful book and seller