書斎で勉強する息子の算数・数学の勉強をみる傍ら、私自身も脳トレの一環として数学を楽しんでいる身であります。最近では大学レベルの数学をメインに学んでいます。東大や京大の入試問題であれば8.5〜9割くらいはほとんど手を止めることなく完答できるくらいの数学力があります。ちなみに2024年のレベルであれば東大は5完1半(最後の6問の後半で時間切れ、実際これは難しい)、京大は5完1半(最後の6問の後半で時間切れ)でした。そんな背景の読者としてのレビューと思って読み流してください。
大学教養レベルの微分積分分野の教科書的なテキストとして数研講座シリーズから2系統が刊行されています。「大学教養 線形代数」と「大学教養 線形代数の基礎」がその2系統になります。タイトルからも分かるように「大学教養 線形代数」が平均的なレベルの教科書であり、「大学教養 線形代数の基礎」がワンランク平易なレベルの教科書となります。そしてそれぞれに対応した姉妹書「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」と「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数の基礎」も遅れて刊行されました。高校数学でいうところの前者が青チャート・後者が黄チャートといったところでしょう。表紙のカラーもそうなっています。
線形代数は大学の理系学部に入学したほとんどの学生が初年度に学ぶことになります。そしてその多くは分厚くて難解な大学指定の教科書(線型代数入門etc.)と高校・予備校のようには懇切丁寧ではない大学の授業によって、早い段階から大学レベルの数学の壁にぶち当たり跳ね返されてしまうことでしょう。高校までの数学の授業では多くの場合で、定理や公式の厳密な証明はそこそこに問題演習を通じて定理や公式の意味や使い方を理解していくことに主眼が置かれていました。つまり数学の学習時間の大半は問題演習でした。それに対して大学での数学の授業は多くの場合で高校までの数学の授業とは違い、定理や公式を次々と厳密性を持って証明していくことに費やされます。この理解に骨が折れます。問題演習はもちろんあるのでしょうが、基本〜標準レベルの練習問題がほとんどであり数学の学習時間に占める割合も少なくなっています。大学教養の線形代数は行列とベクトルが中心なのですが、教育課程によっては高校で行列を全く学んでいないケースもあることでしょう。ベクトルに関しても以前の教育課程に比べると空間ベクトルを中心に内容が軽めになっています。この辺りも線形代数への取っ付きにくさにつながっているかと思われます。私はがっつり行列を学んだ世代ですが、それでもn次の行列には苦労させられたものです。
兄貴分に当たる「大学教養 線形代数」では定義・定理の証明などが一般性あるいは厳密な言葉中心で記載されており数値や数式を使った例題や練習問題は決して多くありませんが、弟分「大学教養 線形代数の基礎」では定理や公式の意義や内容を例題や練習問題での運用を通じてつまり数値や数式を使っての解説の割合が増えており、難解な証明はひとまず学習開始時には飛ばすことが可能です。それゆえに高校数学の延長のような感じで学びやすくなっています。いずれにしても問題量としては十分ではありませんので姉妹書のチャート式シリーズを手元に置いて具体的な問題演習を並行して進めていく方が理解が進みやすいと思います。結果的には時間効率も良いと思われます。私自身はそうしていました。
チャート式のレイアウトは高校数学の黄チャートそっくりです。章の初めには基本事項・重要事項のまとめがあります。易しめの基本例題とやや難しめの重要例題に分けられ問題の難易度は⭐︎の数で3段階に分けられています。例題の後にGuide & Solutionがあり、その後に解答と解説です。各例題にはPracticeとして練習問題がつけられています。高校数学でチャート式に慣れ親しんだ方には使いやすい構成かと思います。教科書のみでは問題演習量が不足しがちですし、問題演習をすることで理解が深まり定着することもまた高校数学と同じです。問題の難易度も証明問題少なめで計算・処理問題が多く初学者向けと思います。あくまでも定期テストレベルであり難しすぎる問題はありません。院試対策としての使用はあくまでも導入レベルまででしょう。計算中心の演習では物足りないと感じるのであれば青チャートも合わせてやってみても良いでしょう。青チャートでは圧倒的に証明問題の割合が増えています。
厳密性に欠けるとか物足りないといった意見もあることでしょう。しかしながら、分厚い専門書ではなく教養課程の大学生向けの教科書ですので、線形代数の導入に使う教科書として考えれば十分ではないかと思います。次のステップでより専門性の高いテキストへと進んでいけば良いからです。厳密性を追求し過ぎて理解が追いつかなければ何ともなりません。理系学部の中でも医歯薬系学部あるいは農学部で数学の単位のために線形代数の学習が必要な方にとっては、この本レベルでも難しいと感じる可能性が高いです。ちなみにですが、私は「大学教養 線形代数」に最初に取り組みましたが、それでも難しく感じましたので「大学教養 線形代数の基礎」とその姉妹書のチャートをこなしてから再度こちらに取り組みました。一方で、理工学部でも数学はツールとして使用するという方にとってはこの本レベルの理解で十分でしょう。理学部などで数学を専門的に学んで行かれる方にとっては物足りなさを感じるのでしょうか。
大学での線形代数の単位が取れれば良いと考えているのであれば、マセマシリーズに取り組むだけでも小手先の技術は身につき何とかなってしまうと思いますが、少しでも食らいついて理解してやろうと思う方は分厚い専門書でなく高校時代から慣れ親しんだ数研の教科書とチャートのセットに取り組んでみるのもありでしょう。「大学教養 線形代数」は理工系学部向け、「大学教養 線形代数の基礎」は医歯薬系学部・農学部向けとしてお勧めしたいです。
この注文でお急ぎ便、お届け日時指定便を無料体験
Amazonプライム無料体験について
Amazonプライム無料体験について
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
| 非会員 | プライム会員 | |
|---|---|---|
| 通常配送 | ¥460 - ¥500* | 無料 |
| お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
| お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
チャート式シリーズ 大学教養 線形代数の基礎 単行本 – 2022/4/19
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥3,080","priceAmount":3080.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"3,080","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"7owtmVMaWkuDBdhD25BcOLbN4eST2cVQ0kburnk3SwyTsHJtWWjo2S7LZhcuO1VKxIYO76gP7Gd1%2FYyexkB%2BEc%2BQC%2Fl03YFnzjrIJJ8oi0YaeJ33MZmtmySCLBdDtQVdQRvjUfSKby0%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
姉妹書『数研講座シリーズ大学教養線形代数の基礎』に掲載された練習,章末問題249問に加え,本書『チャート式シリーズ大学教養線形代数の基礎』にのみ掲載された48問,計297問を,高校数学の参考書“黄チャート"と同様の例題方式で詳解した線形代数の参考書です。
第1章 ベクトル,行列
0 数ベクトル
1 行列とは
2 行列の積
3 いろいろな行列
第2章 連立1次方程式
1 連立1次方程式と行列
2 行基本変形と行列の階数
3 連立1次方程式とその解
第3章 基本変形と基本行列
1 行列の標準形
2 行列の正則性
3 逆行列
第4章 行列式
1 行列式とは
2 行列式の計算
3 行列式と行列の積
4 行列の性質と行列式
5 還元定理と余因子展開
第5章 ベクトル空間
1 ベクトル空間とベクトル空間の部分空間
2 1次結合と1次従属・1次独立
3 基底と次元
第6章 線形写像
準備 写像について
1 線形写像とは
2 線形写像とベクトル空間の部分空間
3 線形写像と次元
4 線形写像と表現行列
5 1次変換と表現行列
第7章 内積
1 内積と計量ベクトル空間
2 正規直交基底
3 グラム行列と対称行列
4 直交変換と直交行列
第8章 固有値と固有ベクトル
1 固有値,固有空間,固有ベクトル
2 正方行列の対角化
3 最小多項式と対角化
PRACTICEの解答
EXERCISESの解答
大学教養線形代数の基礎の問題と本書の解答の対応表
索引
第1章 ベクトル,行列
0 数ベクトル
1 行列とは
2 行列の積
3 いろいろな行列
第2章 連立1次方程式
1 連立1次方程式と行列
2 行基本変形と行列の階数
3 連立1次方程式とその解
第3章 基本変形と基本行列
1 行列の標準形
2 行列の正則性
3 逆行列
第4章 行列式
1 行列式とは
2 行列式の計算
3 行列式と行列の積
4 行列の性質と行列式
5 還元定理と余因子展開
第5章 ベクトル空間
1 ベクトル空間とベクトル空間の部分空間
2 1次結合と1次従属・1次独立
3 基底と次元
第6章 線形写像
準備 写像について
1 線形写像とは
2 線形写像とベクトル空間の部分空間
3 線形写像と次元
4 線形写像と表現行列
5 1次変換と表現行列
第7章 内積
1 内積と計量ベクトル空間
2 正規直交基底
3 グラム行列と対称行列
4 直交変換と直交行列
第8章 固有値と固有ベクトル
1 固有値,固有空間,固有ベクトル
2 正方行列の対角化
3 最小多項式と対角化
PRACTICEの解答
EXERCISESの解答
大学教養線形代数の基礎の問題と本書の解答の対応表
索引
- 本の長さ439ページ
- 言語日本語
- 出版社数研出版
- 発売日2022/4/19
- 寸法15.1 x 1.5 x 21 cm
- ISBN-104410154907
- ISBN-13978-4410154904
新品まとめ買い チャート式・シリーズ
すべての商品はAmazon.co.jpから販売、配送されます。 配送料および配達日はレジでご確認ください。
1点以上の商品はAmazon.co.jp以外の出品者から販売または配送されます。 詳細を見る
1点以上の商品は現在、購入することができません
よく一緒に購入されている商品

対象商品: チャート式シリーズ 大学教養 線形代数の基礎
¥3,080¥3,080
最短で12月19日 木曜日のお届け予定です
残り20点(入荷予定あり)
¥3,080¥3,080
最短で12月19日 木曜日のお届け予定です
残り18点(入荷予定あり)
総額: $00$00
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
spCSRF_Treatment
3をすべてカートに追加する
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
登録情報
- 出版社 : 数研出版 (2022/4/19)
- 発売日 : 2022/4/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 439ページ
- ISBN-10 : 4410154907
- ISBN-13 : 978-4410154904
- 寸法 : 15.1 x 1.5 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 54,208位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 64位代数・幾何
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4つ
5つのうち4つ
20グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2024年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2024年1月14日に日本でレビュー済み
チャート式は、私が高校生の頃から大好きでした。当時は赤チャート、青チャートを愛用してましたね。
50歳を目前に控え、学生の頃に叶わなかった大学進学。そして、数学者・数学教師になるという夢を諦めきれずにいます。今は航空自衛隊で幹部自衛官として勤務していますが、航空自衛隊を依願退職後は、本来やりたかった数学者・数学教師として勤務すべく、学習院大学理学部数学科を目指しています。(受験科目が3つで済むので気楽です♪)
昔の記憶をたどりつつ、独学で学んでいます。本チャートは、YouTubeで知りました。チャートなら買って間違いないと確信して、パラパラと読むようにしています。大学に入ったら、こういった線形代数や微分積分を学ぶんだなと。
難しいとは思いますが、なんとかなるかなと思っています(笑)
50歳を目前に控え、学生の頃に叶わなかった大学進学。そして、数学者・数学教師になるという夢を諦めきれずにいます。今は航空自衛隊で幹部自衛官として勤務していますが、航空自衛隊を依願退職後は、本来やりたかった数学者・数学教師として勤務すべく、学習院大学理学部数学科を目指しています。(受験科目が3つで済むので気楽です♪)
昔の記憶をたどりつつ、独学で学んでいます。本チャートは、YouTubeで知りました。チャートなら買って間違いないと確信して、パラパラと読むようにしています。大学に入ったら、こういった線形代数や微分積分を学ぶんだなと。
難しいとは思いますが、なんとかなるかなと思っています(笑)
2023年8月3日に日本でレビュー済み
これは数研出版が他に出している「線形代数の基礎」という本の知識等を前提にしているものなので単体で難しいというのは当たり前ですよ。青チャートで三角比を独学するならまだしも、大学数学を問題集で理解するなんて考えられませんね。
2023年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
編入試験独学のため購入。
が、専門用語で専門用語を解説しているので使い物にならず。
教科書があって、大学初等数学の授業を受けて、ある程度理解している人が演習するためのものだと思います。
気持ちとしては星1つ(タイトルに基礎って書いてるし)なんだが、あまりに自分の程度が低すぎただけの可能性も残念ながら否定できないので、星2つにしておきました。
が、専門用語で専門用語を解説しているので使い物にならず。
教科書があって、大学初等数学の授業を受けて、ある程度理解している人が演習するためのものだと思います。
気持ちとしては星1つ(タイトルに基礎って書いてるし)なんだが、あまりに自分の程度が低すぎただけの可能性も残念ながら否定できないので、星2つにしておきました。
2023年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
比較的、理解しやすく書いてあるが、なかなかマスター出来なかった。







