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チャヴ 弱者を敵視する社会 単行本(ソフトカバー) – 2017/7/20
オーウェン・ジョーンズ (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
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イギリスでは異例の14万部を記録!
ニューヨーク・タイムズ紙ノンフィクション部門ベスト10選出。
アメリカ、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデン、オランダ、トルコ、韓国で次々刊行され各国で絶賛。
いま最も注目されている若き論客オーウェン・ジョーンズの世界的ベストセラーついに日本上陸!
サッチャー政権の誕生から今にいたるまで、イギリスで推し進められてきた新自由主義。
緊縮財政、民営化、規制緩和、自己責任の大合唱、はイギリス社会とそこで生きる人々の生活をどう破壊していったのか?
怒れる二十代の若者が、 労働者階級の生活の「虚構」と「現実」を調べ上げ、 支配層を厳しく糾弾し、
現代イギリスの不平等と階級憎悪を ぞっとするほど克明に描き出した力作。
いまなお新自由主義に邁進する日本の社会や私たちの生活の将来を知るために最適な一冊。
【本書への賛辞】
「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙
最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌
暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌
情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙
政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙
いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」
ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙
この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)
これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙
情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
ニューヨーク・タイムズ紙ノンフィクション部門ベスト10選出。
アメリカ、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデン、オランダ、トルコ、韓国で次々刊行され各国で絶賛。
いま最も注目されている若き論客オーウェン・ジョーンズの世界的ベストセラーついに日本上陸!
サッチャー政権の誕生から今にいたるまで、イギリスで推し進められてきた新自由主義。
緊縮財政、民営化、規制緩和、自己責任の大合唱、はイギリス社会とそこで生きる人々の生活をどう破壊していったのか?
怒れる二十代の若者が、 労働者階級の生活の「虚構」と「現実」を調べ上げ、 支配層を厳しく糾弾し、
現代イギリスの不平等と階級憎悪を ぞっとするほど克明に描き出した力作。
いまなお新自由主義に邁進する日本の社会や私たちの生活の将来を知るために最適な一冊。
【本書への賛辞】
「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙
最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌
暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌
情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙
政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙
いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」
ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙
この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)
これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙
情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社海と月社
- 発売日2017/7/20
- ISBN-104903212602
- ISBN-13978-4903212609
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ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
これが、新自由主義の悲惨な末路だ!緊縮財政、民営化、規制緩和、自己責任社会…。支配層の欺瞞を暴き、英米とEU各国で絶賛された衝撃の書!
著者について
オーウェン・ジョーンズ Owen Jones
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。
20代で初の著書である本書を上梓。たちまち世界的ベストセラーとなり、各国の政治運動のあり方に一石を投じた。
本書はまた、ニューヨーク・タイムズ紙の「2011年の本トップ10」に選ばれ、2013年には「ポリティカル・ブック・アワード」の「ヤング・ライター・オブ・ザ・イヤー」も獲得した。
現在は、ガーディアン紙などでコラムを執筆。テレビやラジオでも活躍中。いま世界が注目する若き論客である。
その他の著書に『The Establishment』(2018年小社刊)がある。
依田卓巳 Yoda Takumi
翻訳家。
訳書に『人を魅了する』『日本人の知らないHONDA』(ともに小社刊)、
『国際協調の先駆者たち』(NTT出版)、『アテンション』(飛鳥新社)、『マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた』(新潮社)など多数。
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。
20代で初の著書である本書を上梓。たちまち世界的ベストセラーとなり、各国の政治運動のあり方に一石を投じた。
本書はまた、ニューヨーク・タイムズ紙の「2011年の本トップ10」に選ばれ、2013年には「ポリティカル・ブック・アワード」の「ヤング・ライター・オブ・ザ・イヤー」も獲得した。
現在は、ガーディアン紙などでコラムを執筆。テレビやラジオでも活躍中。いま世界が注目する若き論客である。
その他の著書に『The Establishment』(2018年小社刊)がある。
依田卓巳 Yoda Takumi
翻訳家。
訳書に『人を魅了する』『日本人の知らないHONDA』(ともに小社刊)、
『国際協調の先駆者たち』(NTT出版)、『アテンション』(飛鳥新社)、『マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた』(新潮社)など多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジョーンズ,オーウェン
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。20代で初の著書である『チャヴ―弱者を敵視する社会』を上梓。ニューヨーク・タイムズ紙の「2011年の本トップ10」に選ばれ、2013年には「ポリティカル・ブック・アワード」の「ヤング・ライター・オブ・ザ・イヤー」も獲得した。現在は、ガーディアン紙などでコラムを執筆。テレビやラジオでも活躍中
依田/卓巳
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。20代で初の著書である『チャヴ―弱者を敵視する社会』を上梓。ニューヨーク・タイムズ紙の「2011年の本トップ10」に選ばれ、2013年には「ポリティカル・ブック・アワード」の「ヤング・ライター・オブ・ザ・イヤー」も獲得した。現在は、ガーディアン紙などでコラムを執筆。テレビやラジオでも活躍中
依田/卓巳
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 海と月社 (2017/7/20)
- 発売日 : 2017/7/20
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 392ページ
- ISBN-10 : 4903212602
- ISBN-13 : 978-4903212609
- Amazon 売れ筋ランキング: - 86,087位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 36位ヨーロッパの地理・地域研究
- - 567位社会一般関連書籍
- - 2,950位社会学概論
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年9月17日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
私は現在、イギリスでも貧しいと言われる地域の病院で働いています。筆者は有名大学を卒業し、若くして本書を著し高く評価されているようです。冒頭で、著者は一方に組みするものでないと断っていますが、内容としてはやはり若手左派論客と見なされる著者の意見が随所に反映されていると感じます。著者に意見があるのはごく当然のことで、本を書く目的も自分の意見を示すためだと思いますが、私が理系出身のせいか、それであれば初めから自分の立ち位置をはっきりさせておくべきと感じました。書かれていることは学問として有益なのでしょうが、現に貧しい中にいる人は決して絶望の中で生きている訳ではありません。知識として知ることは間違いなく有益でしょうが、あくまで筆者の意見であるという冷めた目線も大事だと思います。
46人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年9月2日に日本でレビュー済み
この本を20代の若者が書いたということがすごい。イギリスの労働者階級が職を失い、苦境に陥っているのは、産業の空洞化や、エリート階級による搾取が原因なのに、彼らを貶め、怠惰と決めつけることが現在の風潮になってしまっている。そのからくりを見事に暴いた名著だと思う。
「階級はもはや存在しない」と言われていたが、それは嘘で、「階級」は今も、イギリスを理解するための最も重要なキーワードだ。この本を読んで、上流階級が自分たちの階級を守るために戦い続けていることがよくわかった。
民営化、自己責任、規制緩和……、どれも日本でも聞きなれた言葉だ。「イギリスがたどった道は日本がこれから歩む道」と帯に書いてあるが、これは単なる宣伝文句ではなく、真実だと思う。戦後のイギリス社会の変化を描いた通史としても読めるが、イギリスに興味のある人だけでなく、日本の現在と将来を考えるために誰もが読むべき本だと思う。
「階級はもはや存在しない」と言われていたが、それは嘘で、「階級」は今も、イギリスを理解するための最も重要なキーワードだ。この本を読んで、上流階級が自分たちの階級を守るために戦い続けていることがよくわかった。
民営化、自己責任、規制緩和……、どれも日本でも聞きなれた言葉だ。「イギリスがたどった道は日本がこれから歩む道」と帯に書いてあるが、これは単なる宣伝文句ではなく、真実だと思う。戦後のイギリス社会の変化を描いた通史としても読めるが、イギリスに興味のある人だけでなく、日本の現在と将来を考えるために誰もが読むべき本だと思う。
2020年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の根本にあるのは憎悪。
根本が感情なので論理はない。ダブスタだろうがレッテル貼りだろうがなんでもやる。
それも無差別に。
半グレやDQNが多数を占めない連中は下層じゃないと言ってみたり、下層の人間は真っ当に生活している半グレみたいなのはごく一部だと言ってみたり。
ミリオネアを中流階級に無理矢理入れてミリオネアが脱税しているのを中流階級全体の悪徳として語ったり、ミリオネアを中流から除外して中流階級の人間も悲惨な労働環境搾取されている側で下層と協調すべきだとか語ってみたり。
上流ということばを王室や貴族のみを指すように語ってみたり、ミリオネアも含めて語ったり。
階層というレッテルをその場その場で都合よく使い分けて悪罵を巻き散らかすのを正当化しているだけの本。
根本が感情なので論理はない。ダブスタだろうがレッテル貼りだろうがなんでもやる。
それも無差別に。
半グレやDQNが多数を占めない連中は下層じゃないと言ってみたり、下層の人間は真っ当に生活している半グレみたいなのはごく一部だと言ってみたり。
ミリオネアを中流階級に無理矢理入れてミリオネアが脱税しているのを中流階級全体の悪徳として語ったり、ミリオネアを中流から除外して中流階級の人間も悲惨な労働環境搾取されている側で下層と協調すべきだとか語ってみたり。
上流ということばを王室や貴族のみを指すように語ってみたり、ミリオネアも含めて語ったり。
階層というレッテルをその場その場で都合よく使い分けて悪罵を巻き散らかすのを正当化しているだけの本。
2017年8月5日に日本でレビュー済み
本書は、イギリスの「ガーディアン」紙などで活躍する著者が2011年に刊行したもの。ただ、2016年版に付された「ふたたび、親愛なるみなさんへ」もおさめられている。書名にもなっている「チャヴ」は、イギリスでは“労働者階級全般”を意味しているが、特権階級・中流階級及び保守的なメディアでは、差別的な意味を込めて使っていることが多いようだ。
著者の名前はブレイディみかこ氏のコラムなどで目にしていたが、まとまったものを読むのは初めて。まさに「歯に衣着せぬ」と言うべき論調で、「弱者を敵視する社会」となってしまった現代のイギリスを批判している。
印象に残るのは、2章「「上から」の階級闘争」。イギリスの保守党の実態を様々に明らかにしながら、保守党がごく一部の特権階級の利益のために働いているにも関わらず、「必要最小限のほかの人々に必要最小限のものを与えること」(本文中では「必要最小限」に傍点が付されている)で、特権階級に属さない人々の多くから支持をとり続けていること。労働者階級などが「階級闘争」を放棄する一方で、特権階級は密かに「階級闘争」を維持していることを指摘している。また、現在の「労働者階級」の分断、さらに労働者階級への“敵視”は、サッチャーが首相だった1980年代に始まっているという部分にも共感できる。
ほかにも色々なケースを挙げながら、現代のイギリスが抱える多様な側面を抉り出している。そして、2012年版に付された「親愛なるみなさんへ」の345ページにも書かれているように、原題の副題が「白人労働者階級への敵視」ではなく「労働者階級への敵視」であることも重要だろう。「中流階級」に、労働者階級を敵視させる巧みなやり方は、イギリスがかって植民地で行ってきた人種・民族などを利用した分断政策を思い起こさせる。
本書にあることは、イギリスだけの問題ではなく、日本の問題でもある。
「中流階級」とおだてられ、「必要最小限のもの」だけを有難く受けとり、“弱者を敵視”することを“是”とする立場を、私は選びたいとは思わない。
著者の名前はブレイディみかこ氏のコラムなどで目にしていたが、まとまったものを読むのは初めて。まさに「歯に衣着せぬ」と言うべき論調で、「弱者を敵視する社会」となってしまった現代のイギリスを批判している。
印象に残るのは、2章「「上から」の階級闘争」。イギリスの保守党の実態を様々に明らかにしながら、保守党がごく一部の特権階級の利益のために働いているにも関わらず、「必要最小限のほかの人々に必要最小限のものを与えること」(本文中では「必要最小限」に傍点が付されている)で、特権階級に属さない人々の多くから支持をとり続けていること。労働者階級などが「階級闘争」を放棄する一方で、特権階級は密かに「階級闘争」を維持していることを指摘している。また、現在の「労働者階級」の分断、さらに労働者階級への“敵視”は、サッチャーが首相だった1980年代に始まっているという部分にも共感できる。
ほかにも色々なケースを挙げながら、現代のイギリスが抱える多様な側面を抉り出している。そして、2012年版に付された「親愛なるみなさんへ」の345ページにも書かれているように、原題の副題が「白人労働者階級への敵視」ではなく「労働者階級への敵視」であることも重要だろう。「中流階級」に、労働者階級を敵視させる巧みなやり方は、イギリスがかって植民地で行ってきた人種・民族などを利用した分断政策を思い起こさせる。
本書にあることは、イギリスだけの問題ではなく、日本の問題でもある。
「中流階級」とおだてられ、「必要最小限のもの」だけを有難く受けとり、“弱者を敵視”することを“是”とする立場を、私は選びたいとは思わない。
2018年3月22日に日本でレビュー済み
グローバリズムの優等生にみえるイギリスだが、住んでみなければわからない
社会の暗部があり、本書はその生々しい現実を突きつけるショッキングな
作品である。
国民を富裕な「勝ち組」と貧しい「負け組」に分けるところまでは今日の日本と
変わらぬが、イギリスでは貧しい労働者(特に若者で「CHAV」と呼ばれる)を
「怠惰な落ちこぼれ」、「反社会的な乱暴者」と決めつける(実際にそういう
輩もいるが、皆ではない)。
そして彼らを「demonize」(「悪魔のように見なす」という語感か。強い言葉で
ある)して、メディアや政治家が公式の場で叩くことが当たり前のように行われ、
「働かないCHAVを甘やかす」社会福祉政策縮小の口実にされているという。
イギリス人と「階級」は(フランス人とワインがそうであるように)不可分だと
する著者は、イギリスには「労働者階級」が厳然として存在していると主張する。
国民の中で多数を占める「労働者階級」は、しかし、富裕層に騙されており、
その階級意識を失いつつある。
「CHAV = 労働者階級」というステレオタイプを植え付けることで、労働者たちは、
自分はCHAVではなく「中流階級」であり、努力すればより良い生活が得られると
信じ込まされている。
しかし、実際は彼らには働くべき工場もなく、低賃金の仕事でさえ十分に無い。
イギリスの製造業の生産拠点は最早国内に無く、緊縮財政で官公庁の仕事も削減
されているためだ。
にも拘わらず、本人の「自己責任」という美名の下に、サッチャリズム以来の
イギリス政府は次第に困窮の度を深める「労働者階級」を支援することもせず、
むしろ支援を縮小しつつある。
本書が提起するイギリス政界の最大の問題は、弱者である「労働者階級」を
政治的に代表する政党がイギリスから無くなってしまった、という点に
あるだろう。恐ろしいことに、「揺りかごから墓場まで」で有名な社会福祉の
元祖ともいえるイギリス「労働党」が、こともあろうに「労働者階級」を
代表していない。著者の糾弾は、保守党のみならず、労働党にも及ぶのである。
本書はルポルタージュなので、「労働者階級」は団結せよ、とか、政府は労働者を
救済せよ、といった主張は控えている。しかし、社会運動の起爆剤になりかねない
エネルギーを内包した内容だ。
事実、あとがきに触れられているように、本書出版後(本書が直接の契機では
ないが)に、イギリスでは所謂「CHAVS」を中心とした大きな暴動が発生している
という。
グローバリズムの進展による経済的格差の拡大、大きな貧困層の形成が先進国の
問題となりつつある。アメリカでトランプ大統領が誕生した背景にも、貧窮化する
白人労働者「階級」の不満が見え隠れする。イギリスもこれから大きく変わる
可能性があり、その政治的地殻変動のエネルギーのありかが本書に書かれていると
思う。
今後、製造業の衰退や移民の増大が進めば、日本にも同じことが起こる可能性が
ある。本書の帯に書かれているように、本書は我々日本人が知っておくべき
「他山の石」だと言えるだろう。
社会の暗部があり、本書はその生々しい現実を突きつけるショッキングな
作品である。
国民を富裕な「勝ち組」と貧しい「負け組」に分けるところまでは今日の日本と
変わらぬが、イギリスでは貧しい労働者(特に若者で「CHAV」と呼ばれる)を
「怠惰な落ちこぼれ」、「反社会的な乱暴者」と決めつける(実際にそういう
輩もいるが、皆ではない)。
そして彼らを「demonize」(「悪魔のように見なす」という語感か。強い言葉で
ある)して、メディアや政治家が公式の場で叩くことが当たり前のように行われ、
「働かないCHAVを甘やかす」社会福祉政策縮小の口実にされているという。
イギリス人と「階級」は(フランス人とワインがそうであるように)不可分だと
する著者は、イギリスには「労働者階級」が厳然として存在していると主張する。
国民の中で多数を占める「労働者階級」は、しかし、富裕層に騙されており、
その階級意識を失いつつある。
「CHAV = 労働者階級」というステレオタイプを植え付けることで、労働者たちは、
自分はCHAVではなく「中流階級」であり、努力すればより良い生活が得られると
信じ込まされている。
しかし、実際は彼らには働くべき工場もなく、低賃金の仕事でさえ十分に無い。
イギリスの製造業の生産拠点は最早国内に無く、緊縮財政で官公庁の仕事も削減
されているためだ。
にも拘わらず、本人の「自己責任」という美名の下に、サッチャリズム以来の
イギリス政府は次第に困窮の度を深める「労働者階級」を支援することもせず、
むしろ支援を縮小しつつある。
本書が提起するイギリス政界の最大の問題は、弱者である「労働者階級」を
政治的に代表する政党がイギリスから無くなってしまった、という点に
あるだろう。恐ろしいことに、「揺りかごから墓場まで」で有名な社会福祉の
元祖ともいえるイギリス「労働党」が、こともあろうに「労働者階級」を
代表していない。著者の糾弾は、保守党のみならず、労働党にも及ぶのである。
本書はルポルタージュなので、「労働者階級」は団結せよ、とか、政府は労働者を
救済せよ、といった主張は控えている。しかし、社会運動の起爆剤になりかねない
エネルギーを内包した内容だ。
事実、あとがきに触れられているように、本書出版後(本書が直接の契機では
ないが)に、イギリスでは所謂「CHAVS」を中心とした大きな暴動が発生している
という。
グローバリズムの進展による経済的格差の拡大、大きな貧困層の形成が先進国の
問題となりつつある。アメリカでトランプ大統領が誕生した背景にも、貧窮化する
白人労働者「階級」の不満が見え隠れする。イギリスもこれから大きく変わる
可能性があり、その政治的地殻変動のエネルギーのありかが本書に書かれていると
思う。
今後、製造業の衰退や移民の増大が進めば、日本にも同じことが起こる可能性が
ある。本書の帯に書かれているように、本書は我々日本人が知っておくべき
「他山の石」だと言えるだろう。