チャップリンのチャップリンたる深い哲学に溢れている本。
毀誉褒貶の人生のなか生涯にわたってユーモアを表現し続けた偉人に尊敬の念を持たずにいられません。
一流の人物は全てを達観している。
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チャップリン自伝 上 ―若き日々 (新潮文庫) 文庫 – 1981/4/28
突然声の出なくなった母の代役として五歳で初舞台を踏み、母の発狂、父の死、貧民院や孤児院を転々とし、ついに地方まわりの一座に拾われて役にありつく――あの滑稽な姿、諷刺と哀愁に満ちたストーリーで、全世界を笑いと涙の渦に巻き込んだ喜劇王チャップリンの生いたちは、読む者を興奮させずにおかない。神話と謎につつまれたその若き日々を、みずからふりかえって描く。
- ISBN-104102185011
- ISBN-13978-4102185018
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1981/4/28
- 言語日本語
- 本の長さ390ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1981/4/28)
- 発売日 : 1981/4/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 390ページ
- ISBN-10 : 4102185011
- ISBN-13 : 978-4102185018
- Amazon 売れ筋ランキング: - 297,715位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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2020年3月3日に日本でレビュー済み
「チャップリン」といえば、喜劇王という呼び名で知られているぐらいの
理解しかなかったが、書店でふと見かけて、手にとってみた。
年齢を重ねると、誰かの人生に興味が湧くようになるものだ。
読んでまず思ったのは、驚くほど困窮した家庭で育ったということ。
チャーリーと兄と母の3人で暮らすその家庭は、
明日はどうやって生きていこうの状態がずっと続いていた。
今の日本なら、生活保護のようなセーフティーネットも存在するが、
当時の彼らの環境にはそのような制度があるわけでもなく、
「兄に黙って兄の服を質屋に入れ、気づかれる前に戻す」といったようなことを
毎週繰り返していたのを見ると、本当に切羽詰まった状態だったんだろうなというのが伺えた。
役者だった母の影響で5歳で舞台に立ったチャーリーが、
あの「山高帽にでかい靴、ちぐはぐなサイズのセットアップ」でおなじみの
チャップリンになるまでのその道のりは、サクセスストーリーと呼ぶにはあまりにも過酷なものだ。
天才型というより、努力してしっかり蓄積をしたものが、
チャップリンで一気に結晶化した、というタイプの人間なのだと感じた。
チャップリンというキャラクターがアメリカに渡り、
彼の存在を知らない人はいない、という状態の時に、
先輩役者から言われたこのセリフは、金言だと思う。
「大した成功者だよ、きみは。あとそれで身の処し方さえ心得ていたら、前途にはすばらしい生活が待ってるってもんさ・・・。ニューヨークに行ったらね、ブロードウェイなんぞへ出ちゃいかん。つまり、大衆の目なんてものは、できるだけ避けることだな。成功した俳優のたいていがやるまちがいというのは、みんなに見られて、ほめられたがる、これなんだよねーーーところが、それがだめ、せっかくのイリュージョンをこわしてしまうだけなんだな。そうだ、招待攻めになるだろうが、決していちいち出ていちゃいかん。友人もせいぜい一人か二人選ぶだけ、あとは想像するだけで満足するんだな。社交の招待をいちいちうけていたために失敗した偉い俳優は、それこそいくらでもいる。たとえばあのジョンドルーさね。あれは大変な社交界の人気男になってね、みんなそういった連中の家へ出入りしたのはいいが、向こうじゃ彼の劇場へは足を運ばなくなった。いくらでも客間で見られるんだものな。きみも見事に世界を征服した。いつまでもそれをつづけたいのなら、つねに世界の外にいることだ、いいかね」
つねに世界の外にいること。
これはすごく大事にしたい精神性だと思った。
理解しかなかったが、書店でふと見かけて、手にとってみた。
年齢を重ねると、誰かの人生に興味が湧くようになるものだ。
読んでまず思ったのは、驚くほど困窮した家庭で育ったということ。
チャーリーと兄と母の3人で暮らすその家庭は、
明日はどうやって生きていこうの状態がずっと続いていた。
今の日本なら、生活保護のようなセーフティーネットも存在するが、
当時の彼らの環境にはそのような制度があるわけでもなく、
「兄に黙って兄の服を質屋に入れ、気づかれる前に戻す」といったようなことを
毎週繰り返していたのを見ると、本当に切羽詰まった状態だったんだろうなというのが伺えた。
役者だった母の影響で5歳で舞台に立ったチャーリーが、
あの「山高帽にでかい靴、ちぐはぐなサイズのセットアップ」でおなじみの
チャップリンになるまでのその道のりは、サクセスストーリーと呼ぶにはあまりにも過酷なものだ。
天才型というより、努力してしっかり蓄積をしたものが、
チャップリンで一気に結晶化した、というタイプの人間なのだと感じた。
チャップリンというキャラクターがアメリカに渡り、
彼の存在を知らない人はいない、という状態の時に、
先輩役者から言われたこのセリフは、金言だと思う。
「大した成功者だよ、きみは。あとそれで身の処し方さえ心得ていたら、前途にはすばらしい生活が待ってるってもんさ・・・。ニューヨークに行ったらね、ブロードウェイなんぞへ出ちゃいかん。つまり、大衆の目なんてものは、できるだけ避けることだな。成功した俳優のたいていがやるまちがいというのは、みんなに見られて、ほめられたがる、これなんだよねーーーところが、それがだめ、せっかくのイリュージョンをこわしてしまうだけなんだな。そうだ、招待攻めになるだろうが、決していちいち出ていちゃいかん。友人もせいぜい一人か二人選ぶだけ、あとは想像するだけで満足するんだな。社交の招待をいちいちうけていたために失敗した偉い俳優は、それこそいくらでもいる。たとえばあのジョンドルーさね。あれは大変な社交界の人気男になってね、みんなそういった連中の家へ出入りしたのはいいが、向こうじゃ彼の劇場へは足を運ばなくなった。いくらでも客間で見られるんだものな。きみも見事に世界を征服した。いつまでもそれをつづけたいのなら、つねに世界の外にいることだ、いいかね」
つねに世界の外にいること。
これはすごく大事にしたい精神性だと思った。
ベスト500レビュアー
本書は、1966年に翻訳刊行された『チャップリン自伝』のうち、前半3分の1の英語版が“My Early Years”として再度出版されたことを機会に、1981年に『チャップリン自伝~若き日々』として刊行されたもの。
チャップリンは1889年にロンドンで生まれたが、本書に描かれた、第一次世界大戦前後までの前半生は、当時のヨーロッパの様子と、その後制作される数々のチャップリンの映画の特異性の背景を知る上で、非常に興味深いものである。
チャップリンは、ともに寄席の舞台俳優である両親のもとに生まれたが、1歳のときに両親が離婚したことにより、以降、母親のもとで育てられた。そして、5歳のときに、喉をつぶしてしまった母親の代役で初舞台を踏むが、その後母親は二度と舞台に立つことができず、貧窮生活に陥り、7歳頃には母親は精神に異常をきたして施設に収容された。その後、チャップリンは4歳上の兄と貧民院や孤児学校を渡り歩きつつ、新聞売子、印刷工、おもちゃ職人、ガラス吹き、診療所の受付等々、あらゆる職を転々とする傍ら、12歳で本格的な劇団に参加、その後様々な劇団を転々とし演技のスキルを積んでいった。そして、二十歳頃、名門フレッド・カーノー劇団に入り、同劇団の2度目のアメリカ巡業の際に、映画プロデューサーマック・セネットの目にとまり、25歳頃に映画デビューを果たす。この頃に、山高帽に窮屈な上着、だぶだぶのズボンにドタ靴、ちょび髭にステッキという彼のトレードマークを確立し、その後、世界的なスターへの道を駆け上って行くことになる。
当時だからこそ有り得た波乱万丈の半生とも言えようが、チャップリンの映画が単なるコメディに留まらず、ユーモアの陰にも鋭い社会諷刺や下町に生きる庶民の哀愁や怒りまでもが描かれた作品となっているのは、本書に垣間見られるチャップリンの生来のクレバーさと、幼少期からの様々な体験によるものであることがよくわかる。
依然多くのファンを持つ不世出の映画人の、哀しくも楽しい半生記である。
(2009年11月了)
チャップリンは1889年にロンドンで生まれたが、本書に描かれた、第一次世界大戦前後までの前半生は、当時のヨーロッパの様子と、その後制作される数々のチャップリンの映画の特異性の背景を知る上で、非常に興味深いものである。
チャップリンは、ともに寄席の舞台俳優である両親のもとに生まれたが、1歳のときに両親が離婚したことにより、以降、母親のもとで育てられた。そして、5歳のときに、喉をつぶしてしまった母親の代役で初舞台を踏むが、その後母親は二度と舞台に立つことができず、貧窮生活に陥り、7歳頃には母親は精神に異常をきたして施設に収容された。その後、チャップリンは4歳上の兄と貧民院や孤児学校を渡り歩きつつ、新聞売子、印刷工、おもちゃ職人、ガラス吹き、診療所の受付等々、あらゆる職を転々とする傍ら、12歳で本格的な劇団に参加、その後様々な劇団を転々とし演技のスキルを積んでいった。そして、二十歳頃、名門フレッド・カーノー劇団に入り、同劇団の2度目のアメリカ巡業の際に、映画プロデューサーマック・セネットの目にとまり、25歳頃に映画デビューを果たす。この頃に、山高帽に窮屈な上着、だぶだぶのズボンにドタ靴、ちょび髭にステッキという彼のトレードマークを確立し、その後、世界的なスターへの道を駆け上って行くことになる。
当時だからこそ有り得た波乱万丈の半生とも言えようが、チャップリンの映画が単なるコメディに留まらず、ユーモアの陰にも鋭い社会諷刺や下町に生きる庶民の哀愁や怒りまでもが描かれた作品となっているのは、本書に垣間見られるチャップリンの生来のクレバーさと、幼少期からの様々な体験によるものであることがよくわかる。
依然多くのファンを持つ不世出の映画人の、哀しくも楽しい半生記である。
(2009年11月了)
殿堂入りVINEメンバー
チャップリンと言えば放浪紳士の役柄が有名です。その役柄が如何にして出来たか、この「若き日々」の内容から窺い知れます。放浪者役はチャップリンの少年期の生活で実際に経験し見聞したことが自然に昇華されたモノだったのだな、と合点がいきました。チャップリンが俳優として軌道に乗るまで、彼の生活は単に貧しい/不幸というレベルではないのです。母親が栄養失調が原因で発狂するレベルなのですから。でも、そんな中でも「希望と勇気とサムマネー」の心構えで困難な状況を乗り切っていく幼少期〜少年期の氏の姿に素直に感動しました。
「キッド」に出てくる子役のモチーフも、このチャップリンの幼少期を思わせるモノがあります。チャップリンの映画DVDを見た後にご一読下さい。チャップリン映画の見方が変わると思いますョ。
それにしても、チャップリン氏の記憶力には脱帽します。描写が非常に細かく具体的です。(見慣れない横文字の人名も沢山出てくるので、慣れない人には大変かも?)老年期にこの本が書かれたことを思うと、もうこれは脱帽モノです。生涯現役だったんだな、と思わせます。
「キッド」に出てくる子役のモチーフも、このチャップリンの幼少期を思わせるモノがあります。チャップリンの映画DVDを見た後にご一読下さい。チャップリン映画の見方が変わると思いますョ。
それにしても、チャップリン氏の記憶力には脱帽します。描写が非常に細かく具体的です。(見慣れない横文字の人名も沢山出てくるので、慣れない人には大変かも?)老年期にこの本が書かれたことを思うと、もうこれは脱帽モノです。生涯現役だったんだな、と思わせます。
ベスト500レビュアー
これはチャップリンの口述筆記だろうか。若き日々を細部に亘ってよく覚えていることに驚く。
エピソードを読むと、そのエピソードを使った映画のワンシーンが自然と思い浮かんでくる。
「わずか4メートル四方ほどの広さしかない部屋は、息がつまりそう・・・傾いた天井が、これまた実際以上に低く見える」
→ 「モダン・タイムス」 彼女と住む部屋
「突然、音楽が聞こえてきた。にぎやかな音楽だった。角の酒場『白鹿』の扉口でやっているらしく、がらんとなった広場に明るく反響した・・・小型オルガンとクラリネットでやっている・・・」
→ 「ライムライト」 カルヴェロは楽師たちを部屋に招き入れ、自らもヴァイオリンをもって一緒に奏でる
「エイト・ランカシア・ラッズに人気があったのは、ジャクソンさんも言ったように、わたしたちが、まだまったく舞台ずれしていなからだった・・・とたんに、わたしたちは、電気にうたれたように、あわてて明るい笑顔をふりまくのだった」
→ チャーリーが随所で浮かべるあの人なつっこい、茶目っ気たっぷりの笑顔
「ブラックモア俳優周旋所へ定期的に顔を出していた。・・・事務所には寸分の隙もなく着かざった男女俳優たちが大勢いて、たがいに大口をたたきあっていた・・・ときどき奥の部屋から若い事務員が現れては、尊大な俳優たちの誇りを、まるで刈入れ機のように一言のもとになぎたおしてしまうのだった。『君、今日はなんにもないよ−ああ、君もだ−それから君も−君も』」
→ 「ライムライト」 カルヴェロが俳優周旋所を訪れて
等々
そして、チャーリーより時は遡るが、ディケンズの「オリバー・ツィスト」に出てくるような貧民院での兄弟の生活。
父親の影は薄いが、母親と兄シドニイとの生活。シドニイとは離れていてもずっと心がつながっている。兄弟とも舞台俳優になることが夢で、それをかなえる。
一目惚れや片思い。ボクシングによるボクサーとのけんか。トランプの誕生。ロンドンからアメリカ、その行き来。舞台技術を映画に初めて取り入れる。
様々なエピソードがぎっしり詰まった、チャップリンからの贈り物を堪能しました。続けて、下巻を読みます。
エピソードを読むと、そのエピソードを使った映画のワンシーンが自然と思い浮かんでくる。
「わずか4メートル四方ほどの広さしかない部屋は、息がつまりそう・・・傾いた天井が、これまた実際以上に低く見える」
→ 「モダン・タイムス」 彼女と住む部屋
「突然、音楽が聞こえてきた。にぎやかな音楽だった。角の酒場『白鹿』の扉口でやっているらしく、がらんとなった広場に明るく反響した・・・小型オルガンとクラリネットでやっている・・・」
→ 「ライムライト」 カルヴェロは楽師たちを部屋に招き入れ、自らもヴァイオリンをもって一緒に奏でる
「エイト・ランカシア・ラッズに人気があったのは、ジャクソンさんも言ったように、わたしたちが、まだまったく舞台ずれしていなからだった・・・とたんに、わたしたちは、電気にうたれたように、あわてて明るい笑顔をふりまくのだった」
→ チャーリーが随所で浮かべるあの人なつっこい、茶目っ気たっぷりの笑顔
「ブラックモア俳優周旋所へ定期的に顔を出していた。・・・事務所には寸分の隙もなく着かざった男女俳優たちが大勢いて、たがいに大口をたたきあっていた・・・ときどき奥の部屋から若い事務員が現れては、尊大な俳優たちの誇りを、まるで刈入れ機のように一言のもとになぎたおしてしまうのだった。『君、今日はなんにもないよ−ああ、君もだ−それから君も−君も』」
→ 「ライムライト」 カルヴェロが俳優周旋所を訪れて
等々
そして、チャーリーより時は遡るが、ディケンズの「オリバー・ツィスト」に出てくるような貧民院での兄弟の生活。
父親の影は薄いが、母親と兄シドニイとの生活。シドニイとは離れていてもずっと心がつながっている。兄弟とも舞台俳優になることが夢で、それをかなえる。
一目惚れや片思い。ボクシングによるボクサーとのけんか。トランプの誕生。ロンドンからアメリカ、その行き来。舞台技術を映画に初めて取り入れる。
様々なエピソードがぎっしり詰まった、チャップリンからの贈り物を堪能しました。続けて、下巻を読みます。