ちょっとした事情があって、ここのところ村上作品をデビュー作から読み続けているのだけど、本作はこれまでとは違う意識で読んだ。
それはその昔、本作で村上作品を読むのを休止したからで、その理由を思い出すという理由からだ。
上巻は普通に面白く読んでいたけれど、下巻を読んで思ったのは、あーあの頃のわたしは、「僕」と同様に物語の展開に混乱していたのだろう、加えて、失う/失われることにばかり心をもっていかれていたのだろう、ということ。
今読むと、本作で「僕」はちゃんとケリをつけたのだねと感じるけど、あの頃はそんなことに思い至る余裕はなかったのかな。
『世界の終わりと~』のリブートであるようにも思う。
「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」とふたつに分けなければ書けなかった思い/認識をひとつの物語にする。
壮大な独り言かな、とも思う。
子供であったり、周りに合わせていたり、独善的であったりした自分を登場人物たちに語らせ、自らを見つめ直し、そして自分なりのステップで進もうとする。
進む決意をする。
あの頃のわたしは進む決意ができなかったのかもなあ。
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