ネットを見ていると本書を参考にしてトレーニングをしているブログをよく見かけるので、(「ダニエルズ式トレーニング」や「VDOTトレーニング」で検索すると出てくると思います)その原典を読みたいと思い購入しました。
私は大学まで陸上部で長距離走をしていましたが、恥ずかしながら顧問から与えられたメニューをこなすだけで、自分でメニューを組んだ経験が殆ど無かったため、本書は練習メニューを組むのに非常に役に立ちました。
指導者がいない市民ランナーでも、根性論や経験則に依存しない、科学的な観点に基づいたメニューを作成することが可能な素晴らしい本だと思います。
前述したようにネットを見るだけでも本書に記載されている内容はある程度は把握できますが、ブログだけに頼ると間違った練習をしてしまう恐れがあるので、やはり原典であり長距離トレーニングの専門家が執筆した本書と並行して活用するべきだと思います。
ちなみに、本書は800m走からクロスカントリーの大会、フルマラソンまで対応しています。(残念ながら、ウルトラマラソンには対応していません)
本書の練習メニューは、目標タイムではなく、「今の自分の走力(≒VDOT)」を基準にして組まれます(p.79)、そして練習量は「現在の走行距離」から決まります。(p.89)
私は少しでも早く良い記録を出したくて、ついつい練習の強度を上げてしまいがちですが、その度に「その力があることを、レースで証明してみせなさい(p.28)」という言葉を思い出し、反省させられました。
また、本書で何度も言及しているのは、一人一人に合わせたメニューを組むべきであるということです。例えば、本書ではみんなで同じ設定タイムの練習をしても、トップの一人だけが練習の目的を達成して、残りの選手はフォームが崩れる等で練習の目的を達成できなくなるという例を挙げています。(p.23)
(日本の場合だと、みんなで同じ練習をするのは、やはり駅伝の弊害でしょうか?尤も、トラックシーズンでも同じことをやっている学校は多いですが…)
このように、集団で練習することについての弊害について言及してあるなど学ぶことは多いですので、是非陸上部の顧問や指導者の方々にも読んでいただきたいです。
最後に、学生の方だと、顧問や指導者の作成したメニューを疑ったりするのは困難だとは思いますが、それでも、本書を通じて(勿論、別の本でも構いません)自分に合ったメニューとは何かというのを自分の頭で考えてほしいと思います。
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