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ダナエ 単行本 – 2007/1

5つ星のうち 4.3 17件のカスタマーレビュー

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商品の説明

内容紹介

男たちの生き方に共感必至!
CM制作を手がける麻生は昔の恋人の窮地を救うため突飛な手を考えた!(「水母」)。広告界と美術界を舞台にした力作3篇を収録!

内容(「BOOK」データベースより)

世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女で、「これは予行演習だ」と告げる。宇佐美の妻は、娘を前夫のもとに残していた。彼女が犯人なのか―。著者の代表作といえる傑作中篇など全3篇収録。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

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登録情報

  • 単行本: 217ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/01)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4163255907
  • ISBN-13: 978-4163255903
  • 発売日: 2007/01
  • 商品パッケージの寸法: 18.6 x 13.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3 17件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 726,170位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

投稿者 小次郎 トップ500レビュアー 投稿日 2009/5/16
形式: 文庫
5月17日が藤原伊織の命日である。2009年5月17日は三回忌になる。
この文庫本「ダナエ」の元になっている単行本は、
亡くなった2007年1月に出版された。中編3つの比較的薄めの小説集である。
中でも「まぼろしの虹」が発表されたのが
2006年の11月。おそらくは死を覚悟し、病が深刻になる直前の
「凪ぎ」のような時期に書かれている。
この中編を読むだけで、この本を買う価値はあると思う。
「中編集」とはいえ、3篇とも、書かれた時期が異なる。
3篇目の「水母」は2002年発表だから、
まだ食道ガンの宣告を受ける前。だからこの「水母」には、
「テロリストのパラソル」に通じるハードボイルドさと、重い暗さがある。
しかし他の2篇は、ガン宣告のあとに書かれている。
とくに「まぼろしの虹」……。

「ダナエ」も、どこか「救い」が用意されている作品で、
深読みすればガン宣告による藤原伊織の「突き抜けた諦念」のようなものさえ感じるが
「まぼろしの虹」には、虚無や暗さはほとんどなく、むしろ透明感が漂う。

巻末の解説を書いているのが、直木賞を同時に受賞した小池真理子。
この解説が秀逸だ。藤原伊織の世界を、こう表現
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形式: 単行本
美術界、広告業界に生きる男を主人公に、心の機微を端正に描く藤原伊織氏らしい作品3篇が収められている。

ギリシャ神話とレンブラントの絵「ダナエ」に着想を得たという表題作。喪われた過去への悲しみと悔恨をミステリータッチで綴る。(『乱歩賞作家 青の謎』所収 2004年八月刊行)

かつての恋人の危機に際し、「自分を卒業できない」主人公の、痛ましい「卒業」を描く「水母」。(2002年7月発表「卒業」を改題)

熟年離婚を題材に、登場人物それぞれの心模様が透かし絵のように現れてくる「まぼろしの虹」。(2006年10月発表)

近作であるこの作品が一番好きだ。一人ひとりに焦点を当て、その内面をふくらませてみたくなる。特に、自由が奪われる前に「ごくふつうの、それもあまり縁遠くなくて、わりに近くにいるはずの人間にふれていたかった」として、二人の男女をひっそり眺めることに時間を費やした男。自由でいられる最後の晩に、真夏のおでんを一心に頬張る男。彼の心のうちはいかなるものか。彼の目に、二人はどう映ったのだろうか・・・ 余白に物語が潜む作品だ。

藤原氏のご病状の回復を心から願っております。そして多くの作品を読ませていただけますように。
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投稿者 佐藤さえ 投稿日 2008/9/7
形式: 単行本
 表題作を含め3篇の作品が収められた本

 「ダナエ」展示されていた肖像画に、なにものかによって硫酸がかけられ破損してしまった。
 一人で犯人を探していた画家がたどりついた意外な犯人と、その動機。

「まぼろしの虹」血のつながらない29歳の姉と23歳の弟が自分達の母親の不倫相手について話し合うのですが。

「水母」10年前の恋人の映像作品「水母」を見ていると、突然画面が乱調になり面食らう主人公。作品の上映が終わったあとに、見知らぬ男性に相談をもちかけられて。

 文章がきれいなので、さらさらと読むことが出来る作品ばかりです。
 そして、読後感が乾いた感じでやさしい。
 作者の書く登場人物が、あまり欲がないため淡々としているせいなんだな、と思い当たりました。
 とくにこの本は、人物達の場所の移動が少なく、事件も血なまぐさいものがないため、その感が強かったです。
 
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形式: 単行本
藤原伊織の事実上の遺作になった1冊だ。
3つの中編で構成される。どれもが抒情性にあふれている。
ただこれまでの作品と少し違うのが、何というか……
読後の清々しさだ。
藤原作品は、どれもラストは悲しい。
この3つの作品も悲しいのは事実だが、
どこかに「救い」が用意されている。

おそらくこの作品をまとめている頃、
藤原伊織はすでに死を覚悟していた。
その潔さがあらわれているのだろうか。

作家は、作品だけで評価されるべきだと思うが、
自身の生き方が作品に投影されていて、59歳での死によって
読み手は作品の主人公に藤原伊織本人を見てしまう。
しかし私はそれを否定はしない。
作家も人間である以上、そういう読み方があっていいと思うのだ。
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