映像ソフトとしての4KUHDの魅力は一にも二にも従来のBDの上を行く映像音響面のクオリティの高さだ。
それゆえ、マニアやコレクターとしてはつい食指が伸びるのだが、その際やはり頭をよぎるのはまだまだ高い価格であろう。
だから、たまにメーカーが何を血迷ったか(いえ、有難いんですが)ドンと値引きをしているのを見ると背中を押された気持ちになる(笑)。
今作はアルティメットDVDもBDも所有している。どちらのソフトも120インチプロジェクターで投影させても及第点のクオリティで、だからアマゾンで長らく6000円前後で売られていた時はさすがに購買意欲が湧かなかったが、今回3500円を切る価格を見て誘惑に負けてしまった(笑)。
ところで、「ダイハード」が公開されたのは88年。当時は地味なキャストでさして大作扱いはされていなかったものの、とにかく前評判が高い作品で自分も劇場で鑑賞したが、全編サスペンスとアクションの畳み掛けで息つく暇もない至福のひとときを体験した。
今ソフトを視聴してみて作品的にやっぱり巧いなぁと実感したのは、映画を面白くする為の様々な伏線の貼り方であり、大味なアクション映画に見えて実に細部まで拘りが窺える構成であり、そして主要な登場人物たちの際立ったキャラクター造形に気の利いた台詞の数々だ。
クリスマスの夜に日系企業のキャリア職の妻に逢う為ニューヨークからやってきたNY市警の警官がテロリストを装った冷酷で強靭な強盗集団が乗っ取ったハイテクビルに居合せてしまいひとり闘いに挑む、、、。
これだけの設定の中で観る者を少しも飽きさせず次から次へと状況が動いていく。
二転三転、一喜一憂する展開の肝になるのは、主人公、テロリスト(強盗団)のリーダー、唯一主人公が気を許せる仲間である黒人警官ら3者で交わされる無線でのやり取り。これが丁々発止の駆け引きと一転攻守が入れ替わるサスペンスとダイナミズムを生み、緊迫感を持続させる。
彼らだけではない。特ダネを取ろうと躍起になるTVレポーターやら、我身だけ生き延びようとする卑劣で自信家の人質社員とか、上で恐るべき犯罪が起こっているにも拘わらず何も知らないリムジンの運転手のバイトとか、テロリスト集団をベトコンに例えヘリコブターで奇声を挙げるFBI捜査官とか(いっそのこと、ワルキューレを流して欲しかった)、善悪入り乱れたキャラクターたちがストーリーに幅と笑いを与えている。
テロリストを名乗る犯人たちが欧州出身なのも作品に品格をもたらしているし(笑)、ジョン・フィリップス(Anderson&Sheppard?)を粋に着こなすアラン・リックマンは今作品で日本でもすっかりお馴染みになった。
そのリックマンも、一味で最も狂暴だったアレクサンダー・ゴドノワも、残念ながら既にこの世にいない。
旧ソビエトの有名なバレエ・ダンサーでジェーン・フォンダの愛人だったゴドノワは今作の直後亡くなってしまったのでなかったか。
改めて、今作から30年が経過しているとの事実を痛感する。
さて、肝心のソフトのクオリティですが、、、。
クリスマスの夜のLAながら、緊迫感溢れる展開そのままに重苦しくて陰影が際立つ凝縮感。
暗鬱で混濁した色調。
明るくてドンパチ、大仕掛けな最近のハリウッド映画とは一線を画すストイックさに覆われるが、時に明るいトーンに変換するのが血の通った作品テーマに通じる感覚だろうか。
だだ、音響面では不満が残る。既存BDとの差異があまり感じられない。
クリスマスの夜に爆破音や銃声が乱れ飛ぶがこちらの期待通りではない。
トータル的にはBDの一歩上を行っているとは思うのだけど。
もっとも、観始めたらどんどん物語に引き込まれてしまって、きちんとチェックする余裕もなかったのですが(笑)。
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