Newtonの別冊。三角関数の世界を扱っている。通常のNewtonとは違って数式がバンバン出てくるのが特徴で、その分他のNewton別冊より敷居は高めではある。しかし、美しいイラストが満載されており、特に多用されている三角形や波の図とともに、三角関数の概念的なイメージを式とイラストに重ね合わせながら理解できるようになっているという点おいて、大変優れた内容になっている。数は少ないが、演習問題まである。
扱っている範囲も広い。サイン、コサイン、タンジェント、加法定理、余弦定理、正弦定理、三角関数の微分と積分。さらには、フーリエ変換、オイラーの公式まで。測量と幾何学、音波、電磁波、地震波、電子の波といった、三角関数が活躍する応用分野についての話もある。第6章の水谷編集長直伝の三角関数講義はちょっと難しめかもしれないが、よく整理されている。
コラムもいくつかある。個人的には、「誘導円」と「周転円」という2つの説に基づいて天動説の天文学理論を作り上げ、三角関数の表記表やトレミーの定理によって数学でも業績を上げたプトレマイオスに関する話が面白く読めた。なぜ昔の人は天動説を信じていたのだろうかと思ったことがあるが、知られていることが少ない中世においては、高い数学的素養を持った人たちによってそれなりの科学的な根拠が築かれていたことも背景にあったことに気づかされた。
ちょっとお高いが、中身はいい本だ。
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