この巻の主人公ソフィアは、典型的な長女タイプ。しっかり者で責任感が強く、みんなに頼りにされますが、ぎゃくに人を頼るのが苦手です。理不尽なことをパパにいわれたときも、「おちつけ、自分にそういい、深呼吸して息をととのえた。どなりつけても、人を思いどおりに動かすことはできない」などと考える優等生ぶりで、もどかしくなるほど。友だちに迷惑がかかるからと悩みをひとりで抱え込み、よけいに事態がややこしくなってしまうなど、あるある感が満載です。
さて、そんなソフィアと仲間たちが参加するのが、今回の話の軸になるハッカソンというイベント。基本的には、課題が出て、チームごとにアイデアを練り、作業を進め、成果を競うというプログラミングのコンテストなのですが、面白いのは、困ったときにはチームを超えて助け合っていいということです。お話の中では、会場内に掲示板があり、困ったことを付箋で貼っておくと、他チームの人が助言をくれる、というルールになっていました。そのようすを見て、ソフィアは実感するのです。「勝つ」とは、他の人を負かすことではない……プログラミングの心得は、普段の生活の中でも生かせることがありそうです。
「はい、責任感はあります」でも、家のことや学校のこと、もてあます恋心に、はたすべき友だちとの約束…ああ、考えることがありすぎる!どうして、いつだって、わたしがみんなの穴うめをしないといけないの?アメリカのミドルスクールを舞台にした、青春+プログラミング小説。小学校高学年から。
著者について
作 ステイシア・ドイツ Stacia Deutsch
アメリカの児童文学作家で、これまで100冊以上の子どもの本を書いてきた。作品に Blast to the Past シリーズ、Spirit Riding Free シリーズなど。
訳 美馬しょうこ
翻訳家。英語やスペイン語圏の児童書の紹介につとめている。訳書に『わたしの すてきな たびする目』(第61回産経児童出版文化賞・翻訳作品賞)『ジャガーとのやくそく』『ペネロペひめと にげだしたこねこ』など。
絵 高橋由季 イラストレーターとして、書籍や雑誌、広告、CDジャケットなど、さまざまな媒体で活動中。2010年より、カヤヒロヤとともにデザインユニット「コニコ」を結成。2014年、第190回ザ・チョイスで準入選。2016年、韓国のブックショップYOUR MINDより「Coffee&Bread」を出版。
監修 石戸奈々子
NPO法人CANVAS理事長、株式会社デジタルえほん代表取締役、慶應義塾大学教授。政策・メディア博士。東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、NPO法人CANVAS、株式会社デジタルえほん、一般社団法人超教育協会等を設立、代表に就任。著書に『プログラミング教育ってなに? 親が知りたい45のギモン』『子どもの創造力スイッチ! 』『デジタル教育宣言』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ドイツ,ステイシア
アメリカの児童文学作家で、これまで100冊以上の子どもの本を書いてきた。映画のノベライズ本の執筆なども数多く手がける
美馬/しょうこ
翻訳家として、英語やスペイン語圏の児童書の紹介につとめている。訳書に『わたしのすてきなたびする目』(第61回産経児童出版文化賞・翻訳作品賞)など
高橋/由季
イラストレーターとして、書籍や雑誌、広告、CDジャケットなど、さまざまな媒体で活動中。2010年より、カヤヒロヤとともにデザインユニット「コニコ」を結成。2014年、第190回ザ・チョイスで準入選
石戸/奈々子
NPO法人CANVAS理事長、株式会社デジタルえほん代表取締役、慶應義塾大学教授。政策・メディア博士。東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、NPO法人CANVAS、株式会社デジタルえほん、一般社団法人超教育協会等を設立、代表に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)