本書の特徴は、何と言っても「ゼロから作る」という名のとおり、ライブラリーに頼らず、各処理の内容をステップ・バイ・ステップで説明しているところだと思う。
ただし、一旦、概要が理解できるようになると、このようなボトムアップの説明よりも、むしろトップダウン的に、まず最初にニューラルネットワーク全体を示し、必要に応じて、詳細に入っていく資料の方がわかりやすい。
そういう意味では、ディープラーニングによるニューラルネットワークを分類すると、
1) 教師あり学習
a) 全結合(Affine)
b) 畳み込み(Convolution)
2) 教師なし学習(強化学習)(Deep Q-Network(DQN))
以上の分類では、本書では、「教師なし学習」は扱っていないし、「畳み込み」についても、実施例はほとんど画像処理であるにしては、アルゴリズムの説明は少し簡略化されてすぎているような印象を受ける。
本書でDeep Learningを学んで感じたことは、Deep Learningでよく論じられる「過学習」や「勾配消失」などの課題に対する対策のほとんどは、理論的というよりは、むしろ‘職人’的な経験則に裏付けられたものが多い。
そういう意味で、今後このニューラルネットワークがどのように進化していくのか(例えば、GoogLe Netの「インセプション構造」やRes Netの「スキップ構造」など)、気になるところだ。
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