●著者プロローグより
サヴィルロウ、パリ、イスタンブール、イタリアと訪ね回るうちに、「スーツとは男にとって何なのだろうか」考えた。日本では、「スーツはビジネスマンにとってのユニフォーム。しかもいささか窮屈な存在」と受け止める傾向が顕著だ。ところが、ヨーロッパの仕立屋を訪れる客たちは、誰もがスーツを愉しむことに情熱を傾けているように見えた。生地を選ぶ、ポケットなどのディテイルを考える、さらにシャツやネクタイや靴との組み合わせを悩む。彼らにとって、ビスポークは悦び、大げさな言い方をするなら愛情の対象なのだ。
一着のスーツの背後に広大な歴史が横たわり、しかも複雑な権謀術数が投影されていたりする。このとき、この政治リーダーはなぜこのネクタイを締めたのか——。そんな疑問が生じ、そこから外交の機微が浮かび上がったりするのだ。以来、国際政治にまつわるテーマを取材するときは、資料を渉猟するのと同じに、そこで見られるファッションの解読が重要な作業となった。
世界の政治リーダーたちはどのような服を着ているのか、そこから読み解けるのはどのような事象か。それを第1章にまとめた。今後、ニュースの映像を見るとき、ぜひファッションにも注目し、あれこれ推理することを愉しんでいただきたい。第2章では、スーツを愉しむために留意したいいくつかをピックアップした。スーツをビスポークするとき、あるいはプレタポルテのなかから一着を選ぶとき、参考にしていただけたなら幸いである。
第3章は、スーツをより愉しむための小道具類にフォーカスしている。スーツもディテイルの集合体なのだが、そこにさらに小道具類を加えて組み合わせると、スーツはもっともっと面白くなるだろう。
●小泉首相は、グレイのスーツが多い。
これって、いかがなものなのか?
●ブッシュ大統領が赤のネクタイをするときは
こんなメッセージがあること、ご存知?
●アメリカのラムズフェルド国務長官のシャツの形、
イラク戦争から変わった。これはどう読み解くか?
内情を知っていると、結構、おもしろいものです。
本書は、そんな服飾面の「へぇ~」を
現代からさかのぼって読み解いています。
もちろん、他人に差をつけたいと切望する
ビジネスパーソンにとっては
即戦力になる実用書でもあります。
●大切な商談のときは、どんなスーツがいいか?
●社内での重要な会議のときのスーツの色は?
●春ならどんな素材の生地?
●フィッティングしたとき、まずどこで良し悪しを判断する?
これらを、カラーのイラストで紹介しています。
これから「勝負スーツ」を購入しようと考えている人、
とにかく差をつけようと考えている人、
ドレスコードを含め、自分のファッションに迷いのある人、
ぜひ手に取ってください。
スーツから「成功」を勝ち取りましょう。
内容(「BOOK」データベースより)
ブッシュ大統領、小泉首相…政界のトップたちを服装面から分析・採点してわかった勝つための「見栄え」のルール。
著者について
中島 渉:なかじまわたる
(冒険小説・ハードボイルド作家、ジャーナリスト)59年生まれ。86年小説「ハルマゲドン黒書」で作家デビュー後、数々の冒険小説、ハードボイルドを発表。
また、政治、経済、スポーツ、そして、独自の視点での男性服飾評論にも定評がある。
作家活動のみならず、TV番組コメンテーター、ラジオナビゲーター、トークショー出演など幅広く活躍。
著書に『ハルマゲドン黒書』(講談社)、『義経』(マガジンハウス)など多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中島/渉
冒険小説・ハードボイルド作家、ジャーナリスト。59年生まれ。86年小説『ハルマゲドン黒書』で作家デビュー後、数々の冒険小説、ハードボイルドを発表。また、政治、経済、スポーツ、そして独自の視点での男性服飾評論にも定評がある。作家活動のみならず、TV番組コメンテーター、ラジオナビゲーター、トークショー出演など幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)