去年の受験時代で旧版を使用し、家庭教師の関係で現行版を買いましたが、構成が若干変わっていました。同じ問題が多く、また解説も同じなので、もし旧版を持っている方でしたらあえて購入する必要はないかと思います。『元気がでる』を何度も繰り返して基礎が身につき、おかげで旧帝医学部に合格できたと思っています。レベルは教科書の章末問題‾センターの標準くらいで、使用目的は教科書の内容を理解したかどうかを確認するための問題集です。教科書の内容、基礎の理解が怪しい方でしたら、『初めから始める』をまず読むことをオススメします。そうじゃないと理解できない所が多々あります。
構成は方程式・式と証明、図形と方程式、三角関数、指数対数関数、微積分の計5章となっており、それぞれの章ごとに身につけるべき基礎事項を5つほどに分け、教科書を噛み砕いた説明の後に2〜5問の問題演習をする形です。もし『初めから始める』などの繋ぎでやっているかたでしたらいきなり問題を解いても大丈夫ですし、教科書や他の参考書で基本が分かっている方も問題から解いても躓くことはないかと思います。ただし、基礎事項の説明ですが、『初めから始める』のようにかなり細かく説明しているわけでもなく、また定理や公式の証明が多くなるので、0から始めるのは辛いと思います。あくまでも本書は基礎問題集なので、解説書などは別で取り組んだ方が良いです。
数2の場合、絶対暗記問題が84問、頻出問題が24問あり、『元気が出る』シリーズでは量が多い方ですが、頻出問題もしっかり自分の力で解けるレベルになるまでこなせばセンターの標準レベルまでに十分引き上げることができます。マセマ本全般に言えることですが、問題の解説はものすごく丁寧です。これでもかというくらい噛み砕いています。語り口調なので、数学が苦手の方にとってかなりやりやすいと思います。
あくまでも教科書章末問題‾センター標準なので、センター試験で9割を出せるような方でしたらあまり学ぶことはないと思います。教科書やマセマの『初めから始める』、他にも『はじめからていねいに』などの基礎本が終わり、そのレベルの演習をするための問題集です(HPや帯、中身にそう書いてあります。0から初めても大丈夫とはどこにも書いていません)。傍用問題集の『4STEP』や総合問題集の『チャート』などがある方でしたら、「解説がよく分からない」ということがなければ、あえて購入する必要はないかと思います(もちろん、解説が理解できないならやってみる価値ありです)。『初めから始める』からやれば繋ぎが楽なのでスムーズに取り組むことができますが、もちろん、他の基礎本や教科書からでも十分に対応できると思います。解答・解説はいわゆる「美しい解法」よりもかなりオーソドックスなもので、基礎を固めたいという方でしたらやる価値ありです。
本書は公式の導出からよく見かける重要な問題まで網羅されていますが、より基礎をかためたい方は同シリーズの『合格』レベルのものをやれば確実です。だいたい偏差値60までは上がります。本書にもある通り、「絶対暗記問題」は本当に暗記するまで繰り返し、すぐ頭の中で閃かないとよりレベルの高い応用問題に対処できないものばかりなので、反復練習は重要です。基礎問がすぐに頭の中に出て、ようやく応用問題に取り組めますし、解説も丁寧で、中身も濃いものなので繰り返し読んでも嫌にならないと思います。
他の参考書や問題集と比べても、マセマシリーズの解説はかなり親切です。問題数は消化するのにちょうど良いくらいですが、もしレベルを上げるならば、各自志望する大学にあわせて問題集は別で用意する必要があります。本書は基礎固めを目標にしているので、基礎が危ないという方にとって得るものが多い本だと思います。
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