業界の細かいことまで書いてあって、このころに同業者だった人はのめり込む。コアの部分だけ読みたい人には大作すぎるかも。
怖い。関連する情報操作系の本を次々読んでしまった。
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スノーデン 独白: 消せない記録 単行本 – 2019/11/30
エドワード・スノーデン (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
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今世紀最大の叛逆的英雄エドワード・スノーデン。
世界最強のインテリジェンス組織を敵に回した自らの半生、
そして葛藤と決断のすべてを語った衝撃の自伝!
ぼくの名前はエドワード・ジョセフ・スノーデンだ。かつては政府のために働いていたけれど、いまは社会のために働いている。
この二つがちがうのだということに気がつくまで、30年近くかかったし、それに気がついたことで、職場ではちょっとしたトラブルに巻き込まれた――
(本書冒頭より)
世界最強のインテリジェンス組織を敵に回した今世紀最大の叛逆的英雄エドワード・スノーデン。
自らの半生、葛藤と決断、そして未来への希望を綴る衝撃の自伝!
過去に類例を見ない第一級のドキュメント。
【本書の特徴】
「I wrote a book」.──
2019年8月1日、アメリカ国家安全保障局(NSA)の元契約職員で、現在モスクワに亡命中のエドワード・スノーデンが
Twitterを介してシンプルなメッセージを世界に向けて発信した。
その生い立ちから、2013年6月に香港から行われたアメリカ国家安全保障局(NSA)による国際的監視網への告発を決意するにいたる心情の変化、
ロシア亡命までの道筋が克明に描かれる。
スノーデン本人のみが知りえた情報、そして感情……これは世界最大級のインテリジェンス組織であるNSA、CIAにたった一人で立ち向かった男による、
過去に類例を見ることのない第一級のドキュメントだ。
すでに二度にわたって映画化された彼の勇姿だが、潜伏期間を経て亡命先のロシアにたどり着くまでを記した終盤の流れは、
それらを凌駕するスリリングな臨場感すら溢れる。
読者は、この混迷をきわめる社会に射す一筋の光の存在に立ち会うことになるだろう。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2019/11/30
- 寸法15 x 2.7 x 21 cm
- ISBN-104309227864
- ISBN-13978-4309227863
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「ぼくは真実を語ることにした」今世紀最大の英雄か、それとも国家を破壊しようとした叛逆者か―アメリカ政府による秘密の“大量監視システム”の存在を暴露したことで、最強の諜報組織NSAとCIAを敵に回した男、エドワード・スノーデン。全世界ベストセラーの自伝、ついに日本上陸!
著者について
エドワード・スノーデン(Edward Joseph Snowden)
ノースカロライナ州エリザベスシティで生まれ、メリーランド州フォートミードの影で育つ。
システムエンジニアとして訓練を積み、CIA職員となって、NSA契約業者として働く。その公共サービスのために無数の賞を受賞。
たとえばライト・ライブリフッド賞、ドイツ告発者賞、真実表明ライデンアワー賞、
国際人権連盟からのカール・フォン・オシエツキー・メダルなど。現在は報道の自由財団理事会の議長を務める。
山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。
大手シンクタンクに勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う。
著書に『新教養主義宣言』『たかがバロウズ本。』ほか。訳書にクルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』、ショート『ポル・ポト』ほか。
ノースカロライナ州エリザベスシティで生まれ、メリーランド州フォートミードの影で育つ。
システムエンジニアとして訓練を積み、CIA職員となって、NSA契約業者として働く。その公共サービスのために無数の賞を受賞。
たとえばライト・ライブリフッド賞、ドイツ告発者賞、真実表明ライデンアワー賞、
国際人権連盟からのカール・フォン・オシエツキー・メダルなど。現在は報道の自由財団理事会の議長を務める。
山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。
大手シンクタンクに勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う。
著書に『新教養主義宣言』『たかがバロウズ本。』ほか。訳書にクルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』、ショート『ポル・ポト』ほか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
スノーデン,エドワード
ノースカロライナ州エリザベスシティで生まれ、メリーランド州フォートミードの影で育つ。システムエンジニアとして訓練を積み、CIA職員となって、NSA契約業者として働く。その公共サービスのため、ライト・ライブリフッド賞、ドイツ告発者賞、真実表明ライデンアワー賞、国際人権連盟からのカール・フォン・オシエツキー・メダルなど無数の賞を受賞。現在は報道の自由財団理事会の議長を務める
山形/浩生
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンク勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ノースカロライナ州エリザベスシティで生まれ、メリーランド州フォートミードの影で育つ。システムエンジニアとして訓練を積み、CIA職員となって、NSA契約業者として働く。その公共サービスのため、ライト・ライブリフッド賞、ドイツ告発者賞、真実表明ライデンアワー賞、国際人権連盟からのカール・フォン・オシエツキー・メダルなど無数の賞を受賞。現在は報道の自由財団理事会の議長を務める
山形/浩生
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンク勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2019/11/30)
- 発売日 : 2019/11/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4309227864
- ISBN-13 : 978-4309227863
- 寸法 : 15 x 2.7 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 45,405位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 574位英米文学研究
- - 5,286位ノンフィクション (本)
- - 5,362位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2020年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スノーデンが守秘義務より国民に使えることをを優先し米国憲法の精神を守った
ベスト100レビュアー
Amazonで購入
エドワード・スノーデンの独白録の日本語訳が出ると知って、早速アマゾンに予約していたのだが、きっとスノーデンが喋ったことをライターが適当に編集したものだろうとあまり期待してはいなかった。しかし、届いたものは思っていたより大部で、内容も明らかに著者自身の手になるものだった。いい意味で期待が裏切られた本だった。
母方の先祖がメイフラワー号の乗員で、プリマス植民地に入植した「第一世代」であるという話から始まって、6歳のころに出会った「スーパーマリオブラザーズ」がコンピュータ世界に入り込むきっかけとなったこと、コンパックのデスクトップパソコンとの出会い、インターネットとの遭遇で一気にその虜になったこと、教師に対する反発から学校へ行かなくなったこと、9・11がきっかけでの陸軍へ入隊したが挫折したこと、ネットでの恋人との出会い、CIAの技術情報セキュリティ職員としてのジュネーヴでの勤務、横田基地にあるNSA(全米国家安全保障局)太平洋技術センターでの勤務、等々がその時々の自身の思いと共に機知に富んだ文章で綴られる。
そして、この本の圧巻とも言うべきものが、帰国した後、ハワイや香港で、9・11を契機に作られたNSAの大量監視システムの存在を白日の下にさらすという(そのきっかけとなったのが、日本駐在時にNSAの機密報告書を目にしたこと)、アメリカ政府を震撼させる行動に出たことである。
この本を読み、最も興味深かったのはやはりその部分である。まるでドン・キホーテのごとく、アメリカ政府という巨大な風車に立ち向かってゆくスノーデンの信念と勇気には驚かされる。普通はいかに疑問をもったとしても、そのまま長いものにまかれるものだろう。ましてや相手は自分の母国でもあるアメリカというとてつもない怪物である。所詮勝ち目があろうはずがない。それを、情報を違法に操り、ありもしないフェイクを垂れ流して戦争をおこし、多くの人の命を奪っているということに対する疑念と怒りから、「ぼくは真実を語ることにした」という一言を旗印に、巨大国家に立ち向かってゆく。そして、あらゆる人間のプライバシーを把握し、丸裸にしている大国の愚挙を全世界に向けて告発する。恐るべき行動力だ。そして、ここからのスノーデンの身の上に起こった出来事は、まさにスパイ小説さながらである。大国と言われる国の殆どが、アメリカに忖度している様子もよく窺える。
ということで、この本はただの「スノーデン自伝」ではない。一人のゲーム好き、パソコン好き少年の人間形成の書であり、ネット社会の歴史を辿った書であり、そのネット社会に対する警世の書でもある。それにしても、民主主義大国を標榜しながら、その社会が嘘とプロパガンダとでっち上げで成り立っているアメリカというのは何という恐ろしい国なんだろう。そしてそのアメリカにたった一人でたてついたスノーデンとは何という男なんだろう。
最後に二点。まず、この本を読むと、日本というのは、本当に、”親分”のアメリカの物まねばかりしている国なんだなとつくづく思う。NSC(日本版安全保障会議)はその最たるものだし、幼いスノーデンを苦しめた教師の「シラバス」なんてものもアメリカ産である。ろくでもないものばかり真似しなさんなと言いたい。もう一点。この本の中で、スノーデンは、パソコンの「削除」機能に関して興味深いことを言っている。曰く、この機能は、「わたしはこの場所を重要な目的では使ってませんよ」と宣言するだけのものであると。つまり、「削除」してもデータは隠されているだけで、消えたわけではないのである。わが国のお偉いさんはそんなことすら知らなかったらしい。
短期間に急いで翻訳された本らしく、誤訳らしき箇所も散見されるが、全体としてとても”読ませる”本だった。
母方の先祖がメイフラワー号の乗員で、プリマス植民地に入植した「第一世代」であるという話から始まって、6歳のころに出会った「スーパーマリオブラザーズ」がコンピュータ世界に入り込むきっかけとなったこと、コンパックのデスクトップパソコンとの出会い、インターネットとの遭遇で一気にその虜になったこと、教師に対する反発から学校へ行かなくなったこと、9・11がきっかけでの陸軍へ入隊したが挫折したこと、ネットでの恋人との出会い、CIAの技術情報セキュリティ職員としてのジュネーヴでの勤務、横田基地にあるNSA(全米国家安全保障局)太平洋技術センターでの勤務、等々がその時々の自身の思いと共に機知に富んだ文章で綴られる。
そして、この本の圧巻とも言うべきものが、帰国した後、ハワイや香港で、9・11を契機に作られたNSAの大量監視システムの存在を白日の下にさらすという(そのきっかけとなったのが、日本駐在時にNSAの機密報告書を目にしたこと)、アメリカ政府を震撼させる行動に出たことである。
この本を読み、最も興味深かったのはやはりその部分である。まるでドン・キホーテのごとく、アメリカ政府という巨大な風車に立ち向かってゆくスノーデンの信念と勇気には驚かされる。普通はいかに疑問をもったとしても、そのまま長いものにまかれるものだろう。ましてや相手は自分の母国でもあるアメリカというとてつもない怪物である。所詮勝ち目があろうはずがない。それを、情報を違法に操り、ありもしないフェイクを垂れ流して戦争をおこし、多くの人の命を奪っているということに対する疑念と怒りから、「ぼくは真実を語ることにした」という一言を旗印に、巨大国家に立ち向かってゆく。そして、あらゆる人間のプライバシーを把握し、丸裸にしている大国の愚挙を全世界に向けて告発する。恐るべき行動力だ。そして、ここからのスノーデンの身の上に起こった出来事は、まさにスパイ小説さながらである。大国と言われる国の殆どが、アメリカに忖度している様子もよく窺える。
ということで、この本はただの「スノーデン自伝」ではない。一人のゲーム好き、パソコン好き少年の人間形成の書であり、ネット社会の歴史を辿った書であり、そのネット社会に対する警世の書でもある。それにしても、民主主義大国を標榜しながら、その社会が嘘とプロパガンダとでっち上げで成り立っているアメリカというのは何という恐ろしい国なんだろう。そしてそのアメリカにたった一人でたてついたスノーデンとは何という男なんだろう。
最後に二点。まず、この本を読むと、日本というのは、本当に、”親分”のアメリカの物まねばかりしている国なんだなとつくづく思う。NSC(日本版安全保障会議)はその最たるものだし、幼いスノーデンを苦しめた教師の「シラバス」なんてものもアメリカ産である。ろくでもないものばかり真似しなさんなと言いたい。もう一点。この本の中で、スノーデンは、パソコンの「削除」機能に関して興味深いことを言っている。曰く、この機能は、「わたしはこの場所を重要な目的では使ってませんよ」と宣言するだけのものであると。つまり、「削除」してもデータは隠されているだけで、消えたわけではないのである。わが国のお偉いさんはそんなことすら知らなかったらしい。
短期間に急いで翻訳された本らしく、誤訳らしき箇所も散見されるが、全体としてとても”読ませる”本だった。
ベスト50レビュアー
『スノーデン 独白――消せない記録』(エドワード・スノーデン著、山形浩生訳、河出書房新社)は、米国の大量監視システムを暴露したエドワード・スノーデンの自伝であり、愛の記録です。
「諜報の流れを管理し接続する仕事から、それを永遠に保存する方法を考案する仕事に移り、さらにそれがあらゆる場所からアクセス検索できるようにする仕事へと進んだわけだ。こうしたプロジェクトが明確になってきたのは、29歳でNSA(全米国家安全保障局)との新規契約のために移ったハワイでのことだった」。
「アメリカ政府は、その建国の憲章をまったく無視して、まさにこの誘惑の犠牲となり、いったんこの有毒の果実を味わったら、もはやどうしようもない熱にうかされてしまった。アメリカ政府は秘密裏に大量監視の力を身につけた。これは定義からして、罪人たちよりも無実の人々にはるかに大きく影響する権限だ。監視とその害についてもっと完全な理解に到達してやっと、ぼくたち市民――ある一国のみならず、全世界の市民――が、このプロセスで投票はおろか、自分の意見を述べる機会さえ与えられなかったという認識につきまとわれるようになった。ほぼ全面的な監視システムは、単に同意なしで設置されたというだけではない。その計画のあらゆる側面を意図的に知らせず隠すような形で設置されたのだった。変化する手順やその影響は、あらゆる段階でほとんどの立法者を含むほとんどの人々から隠された。誰に訴えればいいだろう? 誰に話をすればいいだろう? 真実を囁くだけでも、弁護士や裁判官や議会に対して告げるだけでも、あまりに重い刑事犯罪にされており、最も漠然とした事実の概略ですら連邦刑務所で終身刑となってしまう。ぼくは途方に暮れ、良心と苦闘する中で暗い気分へと沈んで行った」。
「国の自由は、その市民の権利尊重によってしか計測できず、こうした権利は実は国の権力に対する制限であり、政府がずばりいつ、どこで個々人の自由の領域を侵犯してはいけないのか定義しているのだとぼくは確信している。これはアメリカ独立革命では『自由』と呼ばれ、インターネット革命では『プライバシー』と呼ばれるものだった。世界中の、先進的だと言われる政府がこのプライバシーを守るという約束を軽視しているのを目撃したので、ぼくは告発した。もうすでにそれから6年になる」。
「ぼくは――そして国際連合も――このプライバシーを基本的人権だと考える。だがこの6年にわたり、こうした軽視は続く一方で、その間に民主主義国は専制主義的なポピュリズムへと退行した。この退行が最も露骨に出ているのは、政府とマスコミとの関係だ。選出された公職者がジャーナリズムを骨抜きにしようとする試みは、真実の原則に対する全面的な攻撃により後押しされ、促進されている。何が本当かが、意図的にフェイクとごっちゃにされ、そこで使われている技術は、その混同を空前の世界的な混乱へとスケールアップできてしまう。ぼくはこのプロセスを十分身に染みて理解している。というのも非現実の創造は、諜報業界の最も恐ろしい技術だからだ。ぼくのキャリア期間だけですら諜報を操作して戦争の口実を作り出したその機関は――そして違法な政策と影の法廷により、誘拐を『超法規的移送』として、拷問を『拡張された尋問』として、大量監視を『バルク収集』として許容したその機関は―― 一瞬のためらいもなくぼくを中国の二重スパイ、ロシアの三重スパイ、いやもっとひどい『ミレニアル』呼ばわりさえしたのだった」。
スノーデンの、自らが正しいと信じることへの使命感と行動力には脱帽あるのみです。
その彼の亡命をサポートしたサラ・ハリソンの勇気ある行動にも、深い感動を覚えました。彼女はウィキリークスのジャーナリストで編集人だが、スノーデンは、こう語っています。「(サラと)共に過ごした時間は、生涯の友情でぼくたちを結びつけた。彼女が一緒に過ごしてくれた数週間について、ぼくは彼女の誠実さと勇気にずっと感謝し続けるだろう」。
告発を決意したスノーデンは、心から愛する恋人、リンジー・ミルズに危険が及ぶことを恐れて、彼女に何も告げずに逃避行に旅立ちます。その後、彼女はFBIの尋問、監視、メディアの注目、オンラインでの嫌がらせに晒され、混乱と苦痛、怒りと悲しみを味わうことになります。とこらが、本書は、こう結ばれています。「リンジーのロシア語はぼくのよりうまい。またもっと笑うし、もっと辛抱強く,鷹揚で親切だ。今夜、ぼくたちは記念日を祝う。リンジーは3年前にここに引っ越してきて、2年前の今日、ぼくたちは結婚した」。ああ、よかった、私もホッとすることができました。
「諜報の流れを管理し接続する仕事から、それを永遠に保存する方法を考案する仕事に移り、さらにそれがあらゆる場所からアクセス検索できるようにする仕事へと進んだわけだ。こうしたプロジェクトが明確になってきたのは、29歳でNSA(全米国家安全保障局)との新規契約のために移ったハワイでのことだった」。
「アメリカ政府は、その建国の憲章をまったく無視して、まさにこの誘惑の犠牲となり、いったんこの有毒の果実を味わったら、もはやどうしようもない熱にうかされてしまった。アメリカ政府は秘密裏に大量監視の力を身につけた。これは定義からして、罪人たちよりも無実の人々にはるかに大きく影響する権限だ。監視とその害についてもっと完全な理解に到達してやっと、ぼくたち市民――ある一国のみならず、全世界の市民――が、このプロセスで投票はおろか、自分の意見を述べる機会さえ与えられなかったという認識につきまとわれるようになった。ほぼ全面的な監視システムは、単に同意なしで設置されたというだけではない。その計画のあらゆる側面を意図的に知らせず隠すような形で設置されたのだった。変化する手順やその影響は、あらゆる段階でほとんどの立法者を含むほとんどの人々から隠された。誰に訴えればいいだろう? 誰に話をすればいいだろう? 真実を囁くだけでも、弁護士や裁判官や議会に対して告げるだけでも、あまりに重い刑事犯罪にされており、最も漠然とした事実の概略ですら連邦刑務所で終身刑となってしまう。ぼくは途方に暮れ、良心と苦闘する中で暗い気分へと沈んで行った」。
「国の自由は、その市民の権利尊重によってしか計測できず、こうした権利は実は国の権力に対する制限であり、政府がずばりいつ、どこで個々人の自由の領域を侵犯してはいけないのか定義しているのだとぼくは確信している。これはアメリカ独立革命では『自由』と呼ばれ、インターネット革命では『プライバシー』と呼ばれるものだった。世界中の、先進的だと言われる政府がこのプライバシーを守るという約束を軽視しているのを目撃したので、ぼくは告発した。もうすでにそれから6年になる」。
「ぼくは――そして国際連合も――このプライバシーを基本的人権だと考える。だがこの6年にわたり、こうした軽視は続く一方で、その間に民主主義国は専制主義的なポピュリズムへと退行した。この退行が最も露骨に出ているのは、政府とマスコミとの関係だ。選出された公職者がジャーナリズムを骨抜きにしようとする試みは、真実の原則に対する全面的な攻撃により後押しされ、促進されている。何が本当かが、意図的にフェイクとごっちゃにされ、そこで使われている技術は、その混同を空前の世界的な混乱へとスケールアップできてしまう。ぼくはこのプロセスを十分身に染みて理解している。というのも非現実の創造は、諜報業界の最も恐ろしい技術だからだ。ぼくのキャリア期間だけですら諜報を操作して戦争の口実を作り出したその機関は――そして違法な政策と影の法廷により、誘拐を『超法規的移送』として、拷問を『拡張された尋問』として、大量監視を『バルク収集』として許容したその機関は―― 一瞬のためらいもなくぼくを中国の二重スパイ、ロシアの三重スパイ、いやもっとひどい『ミレニアル』呼ばわりさえしたのだった」。
スノーデンの、自らが正しいと信じることへの使命感と行動力には脱帽あるのみです。
その彼の亡命をサポートしたサラ・ハリソンの勇気ある行動にも、深い感動を覚えました。彼女はウィキリークスのジャーナリストで編集人だが、スノーデンは、こう語っています。「(サラと)共に過ごした時間は、生涯の友情でぼくたちを結びつけた。彼女が一緒に過ごしてくれた数週間について、ぼくは彼女の誠実さと勇気にずっと感謝し続けるだろう」。
告発を決意したスノーデンは、心から愛する恋人、リンジー・ミルズに危険が及ぶことを恐れて、彼女に何も告げずに逃避行に旅立ちます。その後、彼女はFBIの尋問、監視、メディアの注目、オンラインでの嫌がらせに晒され、混乱と苦痛、怒りと悲しみを味わうことになります。とこらが、本書は、こう結ばれています。「リンジーのロシア語はぼくのよりうまい。またもっと笑うし、もっと辛抱強く,鷹揚で親切だ。今夜、ぼくたちは記念日を祝う。リンジーは3年前にここに引っ越してきて、2年前の今日、ぼくたちは結婚した」。ああ、よかった、私もホッとすることができました。
2020年5月2日に日本でレビュー済み
アメリカ政府による大量監視システムを暴露したスノーデンの手記。時系列の淡々とした記述で、それなりに興味深いが、面白さや情報量でのオススメ順序は、
オリバー・ストーン監督「スノーデン」>グリーンワルド著『暴露』>ポイトラス監督「シチズンフォー」>本書。
2013年の暴露から6年経つので、その後の活動を踏まえた分析、最近のGAFAをはじめとする企業の大量監視システムへの意見も期待したが、特になかったのは残念。
第一部の少年時代は、あまり新しい話はない。沿岸警備隊の家族に育った、デジタル記録がない最後のアナログ世代だった、政府に付加価値税を払うことに子どもながら疑問を持った、スーパーマリオは一方向にしか進めないがコンピュータは入力と出力とが完全に対応していて感銘を受けた、日本語クラスに参加した、90年代の黎明期インターネットは人々の人々のためのものだった、911を経て陸軍を目指した、等々。
第二部のキャリア初期は、彼の思考のルーツがわかるところがあった。シスアドやSEを経験する中で、システムがうまくいかないときはルールが破たんしているか、または誰かがシステムを濫用しているかと考えるが、その考え方をアメリカという国全体についても当てはめるようになったという。
いまや公僕の時代は終わり、民間の契約業者が実質的に国家諜報の中枢を担っているという事実は驚きだが、人材不足に直面してアウトソーシングが多い日本政府にとっても他人ごとではない。
CIAからNSAに契約業者として転任した東京の横田基地は、筆者が大統領監視プログラム(PSP)の実態を知ることになった重要な時期だ。個人に的を絞った令状による捜査ではなく、バルク収集(=大量監視)すべきという当局の正当化にスノーデンは愕然とする。ついでながら、広島と長崎に行けずじまいだったことを悔やみつつ、東日本大震災後にアメリカに帰国したようだ。
グリーンワルド『暴露』にもあったが、「自分には隠し事がないからプライバシーなんてどうでもいい」という意見の是非について考えさせられる。市民の自由は相互依存しているから、自分のプライバシーを放棄することは全員のプライバシーを放棄することになる。今日の自分にとってどうでもいいことが、他の人や明日の自分にとってどうでもいいことは限らない、と言う。政治全体に当てはまることだけど、プライバシーを守ることは公共財なのだから、ニヒリズムに陥るのは良くない。EUのGDPRなどは明るい動きだろう。
読み物として面白いのは本の最後のほうで、ハワイからひそかに香港に行くときの終末的感覚、香港からの出国とモスクワでの足止め、それと恋人リンジーの日記が再録された28章だ。ヨガのインストラクターをして平穏な日々を過ごすはずが、こんな人生になるとは夢にも思わなかっただろう。
オリバー・ストーン監督「スノーデン」>グリーンワルド著『暴露』>ポイトラス監督「シチズンフォー」>本書。
2013年の暴露から6年経つので、その後の活動を踏まえた分析、最近のGAFAをはじめとする企業の大量監視システムへの意見も期待したが、特になかったのは残念。
第一部の少年時代は、あまり新しい話はない。沿岸警備隊の家族に育った、デジタル記録がない最後のアナログ世代だった、政府に付加価値税を払うことに子どもながら疑問を持った、スーパーマリオは一方向にしか進めないがコンピュータは入力と出力とが完全に対応していて感銘を受けた、日本語クラスに参加した、90年代の黎明期インターネットは人々の人々のためのものだった、911を経て陸軍を目指した、等々。
第二部のキャリア初期は、彼の思考のルーツがわかるところがあった。シスアドやSEを経験する中で、システムがうまくいかないときはルールが破たんしているか、または誰かがシステムを濫用しているかと考えるが、その考え方をアメリカという国全体についても当てはめるようになったという。
いまや公僕の時代は終わり、民間の契約業者が実質的に国家諜報の中枢を担っているという事実は驚きだが、人材不足に直面してアウトソーシングが多い日本政府にとっても他人ごとではない。
CIAからNSAに契約業者として転任した東京の横田基地は、筆者が大統領監視プログラム(PSP)の実態を知ることになった重要な時期だ。個人に的を絞った令状による捜査ではなく、バルク収集(=大量監視)すべきという当局の正当化にスノーデンは愕然とする。ついでながら、広島と長崎に行けずじまいだったことを悔やみつつ、東日本大震災後にアメリカに帰国したようだ。
グリーンワルド『暴露』にもあったが、「自分には隠し事がないからプライバシーなんてどうでもいい」という意見の是非について考えさせられる。市民の自由は相互依存しているから、自分のプライバシーを放棄することは全員のプライバシーを放棄することになる。今日の自分にとってどうでもいいことが、他の人や明日の自分にとってどうでもいいことは限らない、と言う。政治全体に当てはまることだけど、プライバシーを守ることは公共財なのだから、ニヒリズムに陥るのは良くない。EUのGDPRなどは明るい動きだろう。
読み物として面白いのは本の最後のほうで、ハワイからひそかに香港に行くときの終末的感覚、香港からの出国とモスクワでの足止め、それと恋人リンジーの日記が再録された28章だ。ヨガのインストラクターをして平穏な日々を過ごすはずが、こんな人生になるとは夢にも思わなかっただろう。