今作の中で、「一人では無理がある」「彗星さんたち」を
特に気に入りました。
「一人では無理がある」では
サンタの変わりにプレゼントを届けるという夢のある会社を舞台に、
その会社に勤める、仕事のミスは多いけれど、
なんだか憎めない男「松田」が中心となって話が進んでいきます。
読んでいて、伊坂幸太郎さんの作品らしいなあ。と感じました。
短い話の中で、伏線が見事に回収されていくので、
のめり込んでしまい、あっという間に読んでしまいました。
「彗星さんたち」は、大泣きしました。
バス車内で読んでいたのですが、
涙が止まらない→続きが気になって読む→泣くの悪循環で...
周囲に高校生も多かったので、バス車内で泣いてる人が!なんて
ツイートされていたらと思うと、とても恥ずかしくてたまりません。
この話は、新幹線の車内清掃員として入社した「二村」と
パウエル国務長官に心酔している主任の「鶴田」が話の中心となります。
この鶴田さんに感情引入してしまうと本当に悲しくなりますが、
同時にこの女性の心の力強さにとても魅力を感じます。
鶴田さんの人生経験を踏まえた上で、彼女の発言を反芻すると、
その言葉の深さ、重さに心を動かされます。
「ちょっと砂糖があるだけで、苦い薬も飲めるのよ。
どんな花にも蜜がある、楽しみ方を見つければ、つらい仕事も楽しくなるの」
「どんな花にも蜜がある。どんな仕事にも砂糖はある。どんな人生でも価値はある。」
「彗星さんたち」で最も印象に残った言葉です。明日からまた仕事頑張ろうと、
楽しい人生を送るのは、自分次第なんだなあーと思わせてくれました。この本を読んで良かったです。
また巻末インタビューに書かれていますが
この話を書くにあたって、新幹線清掃の会社であるTESSEIさんを著者が取材したそうです。
私は勉強不足のため、恥ずかしながらこちらの会社をはじめて知ったのですが
あちこちのメディアから取材されている有名な会社のようです。
こちらの会社の本も出版されているようなので、次はこちらを読んでみたいと思います。
著者も「清掃の中でのドラマがかなり感動的で、事実がすでに小説的だ」と仰っていて
内容が気になります。
新幹線 お掃除の天使たち(あさ出版電子書籍)
奇跡の職場 新幹線清掃チームの働く誇り
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