作中の世界は我々のいる世界とは異なるパラレルワールドである。1980年代のU国が舞台となるが、ほぼほぼ我々の世界に似通った雰囲気である。
大きく異なるのがユニークなテクノロジーであるクラゲ型の小型飛行船「ジェリーフィッシュ」の存在である。詳細な科学技術による設定がされており説得力があり魅力的なガジェットとなっている。そして、ここで連続殺人事件が発生するのだ。
ジェリーフィッシュ内で進行する連続殺人を描く過去パートと警察による捜査が描かれている地上における現在パートのふたつが交互に進められていく。更に合間に犯人の短い独白が挿入される構成である。
著者にとってデビュー作であるが読み易く展開や世界観を活かしたトリックなども楽しめる秀作と思う。一方で犯行の動機や人間関係はもっと練られるべきと感じた。
パラレルワールドならではの不思議な空気感があり満足出来る一冊だった。
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ジェリーフィッシュは凍らない 〈マリア&漣〉シリーズ (創元推理文庫) Kindle版
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言語日本語
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出版社東京創元社
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発売日2019/6/28
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”。その発明者である、ファイファー教授たち技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところがその最中に、メンバーの1人が変死。さらに、試験機が雪山に不時着してしまう。脱出不可能という状況下、次々と犠牲者が…。第26回鮎川哲也賞受賞作。
--このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
市川/憂人
1976年神奈川県生まれ。東京大学卒。在学時は文芸サークル・東京大学新月お茶の会に所属。2016年、『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は各種年末ミステリベストにランクインし、話題を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
1976年神奈川県生まれ。東京大学卒。在学時は文芸サークル・東京大学新月お茶の会に所属。2016年、『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は各種年末ミステリベストにランクインし、話題を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07R53N9JH
- 出版社 : 東京創元社 (2019/6/28)
- 発売日 : 2019/6/28
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1871 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 356ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 16,179位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
途中までは正直そこまで面白いとは思えませんでした。捜査している刑事の女性と男性の掛け合いが少しオタクっぽくて好みではないし、化学的な用語の羅列は難しいし、会話文の改行の多さも結構気になって、なかなか読み進めることができませんでした。しかも犯人も予想通りの人でしたし…。
ただ、残りの50ページほどで、どうやって行ったのかということが語られるのですが、これが抜群に面白かったです。これまでの不満が一気に消化されました。
ただ、残りの50ページほどで、どうやって行ったのかということが語られるのですが、これが抜群に面白かったです。これまでの不満が一気に消化されました。
2021年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前半は途中でやめようかと思うくらい退屈でしたが、後半、見事本格らしくなり、堪能させていただきました。
口数の多い探偵、突っ込み役のワトソン、死体のトリック、軸となるトリック、もうおいしくおいしくいただきました。ごちそうさまです。
図面もあったし、最&高。
探偵役が巨乳美女のツンデレとか、動機が薄いとか、本格ならトリックさえよければどうでもいい派なのでOKです。
中心のジェリーフィッシュのトリックは、「なにこれ、ありなの? 都合よすぎない?」と思いましたが、理由付けが良い。ああありありだわ、と一発で納得。
やっぱり本格は良き良き。鮎川賞は裏切りませんな。
ジェリーフィッシュが空を行く美しい光景が所々にちりばめられているのも良きかな。
飛行船やら気球などが浮かんでいる世界に行ってみたくなりました。
ジェリーフィッシュっていう名前も良い。凍らない、っていうのはヒロインなのか、ヒロインへの主人公の思いなのか。などと読後もロマンチックにいろいろと考えていましたが、なるほど!
タイトルの妙が過ぎます。いやあ、深い深い。
ラスト、墓所にジェリーフィッシュが浮かんで消え去っていく場面、主人公のヒロインへの思い、など、美しい情景が浮かんできました。
口数の多い探偵、突っ込み役のワトソン、死体のトリック、軸となるトリック、もうおいしくおいしくいただきました。ごちそうさまです。
図面もあったし、最&高。
探偵役が巨乳美女のツンデレとか、動機が薄いとか、本格ならトリックさえよければどうでもいい派なのでOKです。
中心のジェリーフィッシュのトリックは、「なにこれ、ありなの? 都合よすぎない?」と思いましたが、理由付けが良い。ああありありだわ、と一発で納得。
やっぱり本格は良き良き。鮎川賞は裏切りませんな。
ジェリーフィッシュが空を行く美しい光景が所々にちりばめられているのも良きかな。
飛行船やら気球などが浮かんでいる世界に行ってみたくなりました。
ジェリーフィッシュっていう名前も良い。凍らない、っていうのはヒロインなのか、ヒロインへの主人公の思いなのか。などと読後もロマンチックにいろいろと考えていましたが、なるほど!
タイトルの妙が過ぎます。いやあ、深い深い。
ラスト、墓所にジェリーフィッシュが浮かんで消え去っていく場面、主人公のヒロインへの思い、など、美しい情景が浮かんできました。
2018年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
21世紀の「そして誰もいなくなった」の殺文句にまけ購入しました本作ですが、購入して市川先生にハマるきっかけとなった作品です。
レビューをかいていませんでしたが、続編を読むにいたり、どうしてもこの作品を知ってほしいという思いで記入しました。
ミステリ好きにはたまらない密室空間で、過去でありながら近未来を思わせる美しい舞台で、叙述的なトリックも加えながら、最後の推理まで楽しめた作品です。個人的には結末が少し物足りないませんが、けっして評価か落ちる訳ではなく、物凄く世界観を作りあげている作品であり、本に没頭したい方におすすめです。
レビューをかいていませんでしたが、続編を読むにいたり、どうしてもこの作品を知ってほしいという思いで記入しました。
ミステリ好きにはたまらない密室空間で、過去でありながら近未来を思わせる美しい舞台で、叙述的なトリックも加えながら、最後の推理まで楽しめた作品です。個人的には結末が少し物足りないませんが、けっして評価か落ちる訳ではなく、物凄く世界観を作りあげている作品であり、本に没頭したい方におすすめです。
2020年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「十角館の殺人」や「そして、誰もいなくなった」と比較する書評が散見されるが、それはあまりにも酷だと感じた。
何より読んでいて苦痛なのが、ホームズとワトソン役として出てくる刑事2名のステレオタイプなキャラクター造形だ。
このキャラに関してはまるでライトノベルを読んでいるような気持ちにさせられる。(また、女性キャラクターのみ執拗な容姿解説がなされているのも気になる)
閉鎖環境での殺人トリックや、犯人の動機等は、納得できるものであったが故に、上述の表現が残念に感じた。
この作品が1990〜2000年代に発表された、というものであれば納得がいくが、2016年発表である事実からするに、作者のジェンダー観が昭和からアップデートされていないのがうかがえる。
世間で人気の作品が優れているとは限らないということを再認識させられた。この作者の本を再度手に取ることはないだろう。
何より読んでいて苦痛なのが、ホームズとワトソン役として出てくる刑事2名のステレオタイプなキャラクター造形だ。
このキャラに関してはまるでライトノベルを読んでいるような気持ちにさせられる。(また、女性キャラクターのみ執拗な容姿解説がなされているのも気になる)
閉鎖環境での殺人トリックや、犯人の動機等は、納得できるものであったが故に、上述の表現が残念に感じた。
この作品が1990〜2000年代に発表された、というものであれば納得がいくが、2016年発表である事実からするに、作者のジェンダー観が昭和からアップデートされていないのがうかがえる。
世間で人気の作品が優れているとは限らないということを再認識させられた。この作者の本を再度手に取ることはないだろう。
2020年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは面白かったです。
それほど推理小説は読み漁ってないけど、自分の知る限りではたしかに「そして、誰もいなくなった」(以下「誰も」と略)を意識してるんだなと思えました。「誰も」に比べると、推理パートが充実しているのが大きな違いですが、後書きによると、当初は推理パートがなくてより「誰も」に近い構成だったようです。
まずは本筋にもネタバレにも関係ない部分から。
・時代は80年代。自動操縦装置のRAMが「大容量256キロバイト」(!)だとか、修正ソフトのインストールに「フロッピーディスク」が使われているのも時代に合わせたためでしょう。8801が81年だから、当時としては256KBは間違いなく大容量だ。5インチフロッピーもビジネス用途限定の高級品。
・携帯電話やインターネットはない。アマチュア無線はあるだろうけど、普及率は低い。今のように「ネット経由でPCにハッキング」や「携帯電話で911に電話する」のような手段は議論の対象にさえなりません。ジェリーフィッシュの自動操縦装置も、今のドローンより遙かに原始的なものだし、もちろんGPSなどはない。
・架空のU国とかA州とか出てくるけれど、ほぼUSAのArizona州フラグスタッフ周辺を想像すれば良いでしょう。人口密度が低い砂漠地帯。J(apan),C(anada)、R(ussia)の各国家も同様。
・主人公の女性警部は、有能だけど素行に問題があって僻地に飛ばされた感じ?パトレイバーでいう後藤隊長みたいな人だな。田舎警察にしてはかなりの切れ者。
・ジェリーフィッシュとは真空気嚢を使った、画期的に小型化された新型硬式飛行船。しかしこの真空気嚢に関しては …… 仮に中を真空にしても飛躍的に小型化するのは理論上不可能です。ここはスチームパンク的なガジェットとしてスルーしましょう。
事件は新型ジェリーフィッシュがその実験中に開発者ともども山中に墜落炎上。現場にかけつけると、そこには6人全員の他殺死体が。雪の密室で殺したのは誰だ。一体なんのために、そしてどうやって。
トリックとしては、「巧妙な不可能犯罪」というよりは「単純で不可解」。
毒薬の入手、侵入方法、ジェリーフィッシュへの破壊工作、「密室」の構築など、一つ一つには十分に穴がある。ある意味ではその犯罪は誰にでも可能だった。だけど誰にもできない。一つ一つのピースは手に入るけれど、パズル全体として全てのピースをを一つに填めようとしても嵌まらない。
例えば関係者全員が殺されるのは「誰も」と同じだけど、「島から出た者は一人もいないことが目的証言から明らか」だった「誰も」とは違い,ジェリーフィッシュに目撃証言はありません。極論すれば、十分な装備と経験と時間があれば、墜落現場からの脱出は徒歩ででも可能なのです。しかしそれは同時に非現実的でもある。ベテランの登山家でさえこの悪天候下では困難だし、そもそも周到に用意した犯人が、そんな不確実な手段に訴えるだろうか?まさか雪山に謎の七人目が隠れて待ち伏せしていたのか?(この気温でいつ来るかも分からない相手を?)ジェリーフィッシュの中に隠し部屋があって、そこにずっと隠れていた?(開発者にも秘密で水と食料も込みで?重量計もパスして?)空中で飛び移る?どれにしても不可能ではないにせよ、あまりに筋が通らない。真相はいったい?
そもそも犯人はなぜ全員を明らかに他殺と分かる状況で殺す必用があったのか。目撃者のいない雪山なのだから、中の一人を機外に放置して凍死させたり、撲殺したうえで斜面を滑落させれば、ちょっとくらい不自然でも「仲間割れの末、犯人自信も事故死or自殺」でケリがつく話なのだ。なぜ犯人はわざわざ事故ではなく事件にしたがったのか?
それだけに最期にパズルが嵌まる爽快感は良かった。一度読み終わってからもう一度読み返して、最初からはられていた多くの伏線がようやく理解できました。(まだ気づいてないのがあるかも。)
にしても、あの質問に対してあの答は寂しいねえ。
自動操縦装置回りの設定は少し不自然だった。
8bitパソコンレベルのIT技術でも、飛行船用なら原始的な自動操縦装置は可能だろう。しかしおかしいのは、自動操縦装置が故障した際に「解除できなかった」という部分。このような装置を設計する時は、物理的に壊しても解除できないような設計にはしないだろう。ましてやこれは初飛行したばかりの試作品。しかも民間機用の後付けタイプなのだから、適当な工具があれば開発技術者である彼等に外せないわけがない。(あくまで試験飛行なのだから、必用なメンテナンス装備一式くらいは持参してるはず。)
たとえソフトが書き換えられていても、なんらかの異常が認められた時点で持ってきた工具で装置を取り外し、手動操縦で雪山を脱出すれば良かったのだ。(むしろ技術者が同行する最大の理由がコレだろう。)自動操縦装置を壊してもいいなら、開発者に解除できないはずがない。
これについては月並みだけど、「爆弾が仕掛けられていて、蓋をあけるとドカンだ」「設計図にはなかった分厚い鉄板で覆われていて、手持ちの道具では手が出せない」などの一言が欲しかった。
それほど推理小説は読み漁ってないけど、自分の知る限りではたしかに「そして、誰もいなくなった」(以下「誰も」と略)を意識してるんだなと思えました。「誰も」に比べると、推理パートが充実しているのが大きな違いですが、後書きによると、当初は推理パートがなくてより「誰も」に近い構成だったようです。
まずは本筋にもネタバレにも関係ない部分から。
・時代は80年代。自動操縦装置のRAMが「大容量256キロバイト」(!)だとか、修正ソフトのインストールに「フロッピーディスク」が使われているのも時代に合わせたためでしょう。8801が81年だから、当時としては256KBは間違いなく大容量だ。5インチフロッピーもビジネス用途限定の高級品。
・携帯電話やインターネットはない。アマチュア無線はあるだろうけど、普及率は低い。今のように「ネット経由でPCにハッキング」や「携帯電話で911に電話する」のような手段は議論の対象にさえなりません。ジェリーフィッシュの自動操縦装置も、今のドローンより遙かに原始的なものだし、もちろんGPSなどはない。
・架空のU国とかA州とか出てくるけれど、ほぼUSAのArizona州フラグスタッフ周辺を想像すれば良いでしょう。人口密度が低い砂漠地帯。J(apan),C(anada)、R(ussia)の各国家も同様。
・主人公の女性警部は、有能だけど素行に問題があって僻地に飛ばされた感じ?パトレイバーでいう後藤隊長みたいな人だな。田舎警察にしてはかなりの切れ者。
・ジェリーフィッシュとは真空気嚢を使った、画期的に小型化された新型硬式飛行船。しかしこの真空気嚢に関しては …… 仮に中を真空にしても飛躍的に小型化するのは理論上不可能です。ここはスチームパンク的なガジェットとしてスルーしましょう。
事件は新型ジェリーフィッシュがその実験中に開発者ともども山中に墜落炎上。現場にかけつけると、そこには6人全員の他殺死体が。雪の密室で殺したのは誰だ。一体なんのために、そしてどうやって。
トリックとしては、「巧妙な不可能犯罪」というよりは「単純で不可解」。
毒薬の入手、侵入方法、ジェリーフィッシュへの破壊工作、「密室」の構築など、一つ一つには十分に穴がある。ある意味ではその犯罪は誰にでも可能だった。だけど誰にもできない。一つ一つのピースは手に入るけれど、パズル全体として全てのピースをを一つに填めようとしても嵌まらない。
例えば関係者全員が殺されるのは「誰も」と同じだけど、「島から出た者は一人もいないことが目的証言から明らか」だった「誰も」とは違い,ジェリーフィッシュに目撃証言はありません。極論すれば、十分な装備と経験と時間があれば、墜落現場からの脱出は徒歩ででも可能なのです。しかしそれは同時に非現実的でもある。ベテランの登山家でさえこの悪天候下では困難だし、そもそも周到に用意した犯人が、そんな不確実な手段に訴えるだろうか?まさか雪山に謎の七人目が隠れて待ち伏せしていたのか?(この気温でいつ来るかも分からない相手を?)ジェリーフィッシュの中に隠し部屋があって、そこにずっと隠れていた?(開発者にも秘密で水と食料も込みで?重量計もパスして?)空中で飛び移る?どれにしても不可能ではないにせよ、あまりに筋が通らない。真相はいったい?
そもそも犯人はなぜ全員を明らかに他殺と分かる状況で殺す必用があったのか。目撃者のいない雪山なのだから、中の一人を機外に放置して凍死させたり、撲殺したうえで斜面を滑落させれば、ちょっとくらい不自然でも「仲間割れの末、犯人自信も事故死or自殺」でケリがつく話なのだ。なぜ犯人はわざわざ事故ではなく事件にしたがったのか?
それだけに最期にパズルが嵌まる爽快感は良かった。一度読み終わってからもう一度読み返して、最初からはられていた多くの伏線がようやく理解できました。(まだ気づいてないのがあるかも。)
にしても、あの質問に対してあの答は寂しいねえ。
自動操縦装置回りの設定は少し不自然だった。
8bitパソコンレベルのIT技術でも、飛行船用なら原始的な自動操縦装置は可能だろう。しかしおかしいのは、自動操縦装置が故障した際に「解除できなかった」という部分。このような装置を設計する時は、物理的に壊しても解除できないような設計にはしないだろう。ましてやこれは初飛行したばかりの試作品。しかも民間機用の後付けタイプなのだから、適当な工具があれば開発技術者である彼等に外せないわけがない。(あくまで試験飛行なのだから、必用なメンテナンス装備一式くらいは持参してるはず。)
たとえソフトが書き換えられていても、なんらかの異常が認められた時点で持ってきた工具で装置を取り外し、手動操縦で雪山を脱出すれば良かったのだ。(むしろ技術者が同行する最大の理由がコレだろう。)自動操縦装置を壊してもいいなら、開発者に解除できないはずがない。
これについては月並みだけど、「爆弾が仕掛けられていて、蓋をあけるとドカンだ」「設計図にはなかった分厚い鉄板で覆われていて、手持ちの道具では手が出せない」などの一言が欲しかった。