世評では、ジェフ・ベック・グループでの代表作のような言われ方をすることもありますが…。僕的には、印象が薄い。よく言えばバラエティに富んでいるのだろうけど、悪く言えば散漫で、焦点が定まっていない、と言う事になります。でも僕の意見に同意している評判を見たことがない。これはやはり僕の感性が歪んでいるのかな…。
今回、紙ジャケ・リマスターを揃えていく中で、今一度、じっくり聴きこんでみたのですけれども、印象は変わりませんでした。イマイチ掴み所がない…。
前作が全曲オリジナルだったのに対し、今作ではカヴァーが多いのも何かなぁ、と言う感じです。いや、カヴァーだから悪いということもないんですけど。原曲知ってる曲無いし。(^_^;
とはいえ、そこは、ジェフ・ベック。一曲づつに注目してみれば、名演揃いであります。
“アイスクリーム・ケーキ”はミドル・テンポのヘヴィ・ナンバー。疾走感あふれた前作とは異なった出だしですが、ファンキーな色合いは引き継いでいるといえるかも。
“グラッド・オール・オーバー”は一転してアップテンポで飛ばします。ここでもビートはファンク風味はあると言えますね。
“今宵はきみと”はグッとスローなナンバー。ディランのカヴァーだそうですが、どのアルバムの曲だったかな。(^_^;
“シュガー・ケイン”はミドル・テンポの軽めのナンバー。ここら辺が印象の薄い楽曲なんですよね〜。じっくり聴くと悪くはないんですけど、いまいち押しが弱い。
“帰らぬ愛 Can't Give Back The Lobe I Feel For You”は美しいインスト・バラード。いやまぁ、原曲は歌ものらしいですが。Bラスの“デフィニットリー・メイビー”とならんで、後年の“哀しみの恋人たち”の下敷きになった、とは、後知恵だから言えることですかね。
“ゴーイング・ダウン”、カッコイイ!。疾走してるね〜。BBAのライヴでもやっていた事もあって、僕的にはお気に入り度の高い曲。
“アイ・ゴット・トゥ・ハヴ・ア・ソング”、“ハイウェイズ”の二曲は、“シュガー・ケイン”同様、印象の薄いナンバーだなぁ。
“デフィニットリー・メイビー”は、ジェフの必殺の泣きのギターがうなるインスト・バラード。
各面の終わりにインストを持ってくる構成は、なかなかニクイですね。
だが、それでもやっぱり、僕は、前作の「
ラフ・アンド・レディ
」のほうが好きなのであった。(^_^;