2005年にリリースされたんですね。今さらですがきちんと読みました。(2019年1月)
なんとなく新刊の方が有り難がられる傾向にありますが、今からでも読んでおくべきと思いました。
「2045年」「シンギュラリティ」が独り歩きした感もありますが、未来学者でもあるレイ・カーツワイルは人類が進化為には「脳のリバースエンジニアリング」による「脳のソフトウェア化」が必要とし、
別の言葉に置き換えて「生物としての思考と存在が、みずから作り出したテクノロジーと融合する」臨界点を「特異点=シンギュラリティ」と定義しています。
これは『ホモデウス』にもつながっていく話かと思います。
さて「特異点」を支える主要なテクノロジーとして「遺伝子工学」「ナノテクノロジー」「ロボット工学」をあげ、コンピューティングにおける「第6のパラダイムシフト」を経て、コンピューティングリソースの低コスト化が実現し、低コスト化によりコンピューティングパワーの指数関数的な拡大が、全人類の知能容量の10億倍規模に達する時に「特異点」を迎えるとしています。その時期を2045年前後と予測しています。
本作でカーツワイルは「死は悲惨」なものであり、人類が進化する上でテクノロジーによる「延命」と「脳のソフトウェア化」が必要である、と主張していることを考慮すると、短絡的に「シンギュラリティ」→「人工知能の脅威」的に煽る論調が一部のメディア等で見受けられるのも「生物としての人間の意識、知性、存在とは?」といった人類として根源的、哲学的な「落ち着かなさ」を感じてのことと思えます。
30年後の世界、どうなっているのでしょうね。
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