この本は大きく分けると3つの内容が書かれていると言ってよいと思います。1つは、「日本書紀」がどのような意図で作られたか。2つは、「日本書紀」を軸に、その周りで書かれた加国史(相乗り本)や反国史(反対本)との関係。3つは、「日本書紀」とは違う次元で書かれた「日本霊異記」(国際性と個人性の特色を持つ)のこと、です。
それぞれ興味深い内容でしたが、私はやはり1つめの「日本書紀」の制作意図が面白かったです。「過去の支配」「未来の支配」とは言い得て妙だと思いました。また、次の一文が的確にものごとを捉えているように感じました。
「日本の皇統は、天皇家と藤原氏の二つの家系が密接不可分に融合して形成されたが、それは藤原不比等の念願するところでもあった。以後、藤原氏と天皇家は、あたかもDNAの二重らせん構造のように緊密に組み合わさって一つの複合体を形成し、それが明治維新まで継続されていった」
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