バレエ「オネーギン」はジョンクランコ財団に厳しく管理されている作品です。
よって、全幕映像化されている作品は、このシュッツトガルト「オネーギン」だけだと思います。
そして、本家本元の「オネーギン」は永久凍土の中に炎が渦巻いているような、静かな情熱を感じます。
ファーゲルとアマトリアンの美しく、悲しいPDD。PDDの見せ場もいくつかありますが、オネーギンの哀愁、レンスキーの無邪気さと、絶望、タチアーナの求めてやまない愛と、それを諦める強さ。そのヴァリアシオンが素晴らしい。
何度繰り返し観ても、新しい発見があり、何が正しく間違っているかということは些末な事だと感じます。
すべての感情、喜怒哀楽が、バレエを通して表現されており、胸が詰まり泣きたくなります。
チャイコフスキーの音楽も素晴らしく、最後のPDDの曲は音楽を聴いただけですべてのシーンが蘇ります。
是非多くの人に観ていただきい、素晴らしいバレエです。