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シャッター商店街と線量計 大友良英のノイズ原論 単行本 – 2012/11/21
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- 本の長さ356ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日2012/11/21
- ISBN-104791766776
- ISBN-13978-4791766772
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
音楽家、ギタリスト、ターンテーブル奏者。1959年横浜生まれ。十代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに多種多様な作品をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。ノイズやフィードバックを多用した大音量の作品から、ジャズやポップス、歌謡曲、音響の発生そのものに焦点をあてた作品までその幅は広く、この数年は美術の領域にまたがる作品も数多く手がけている。映画音楽家としても、数多くの作品を手がけ、中国香港映画からNHKのドラマまで、現時点で70作品を超えるサントラを制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 青土社 (2012/11/21)
- 発売日 : 2012/11/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 356ページ
- ISBN-10 : 4791766776
- ISBN-13 : 978-4791766772
- Amazon 売れ筋ランキング: - 983,352位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について

1984年福島県生まれ。東京大学大学院情報学環准教授(2021-)。
他に、
福島県立医科大学非常勤講師(2021-)。
東日本大震災・原子力災害伝承館上級研究員(2020-)。
ふくしまFM番組審議会委員(2017-)。
東日本国際大学客員教授(2016-)。
経済産業省汚染水処理対策委員会多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会委員(2016-)。
楢葉町放射線健康管理委員会副委員長(2015-)。
これまでに、
立命館大学衣笠総合研究機構准教授(2016-2021)。
福島県アーカイブ拠点施設調査研究・研修検討委員会委員(2018-2020)。
京都女子大学非常勤講師(2018)。
福島大学客員研究員(2016-2018)。
Yahoo!基金審査委員(2017-2019)。
Yahoo!基金評議委員(2015-2017)。
経済産業省資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会原子力小委員会委員(2014-2017)。
福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員(2012-2016)。
早稲田大学文化構想学部非常勤講師(2014-2015)。
読売新聞読書委員(2013-2014)。
復興庁東日本大震災生活復興プロジェクト委員(2013-2014)。
福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)ワーキンググループメンバー(2011-2012)。
等を歴任。
東京大学文学部卒。同大学院学際情報学府博士課程単位取得満期退学。専攻は社会学。
著書に『日本の盲点』(PHP研究所)『社会が漂白され尽くす前に: 開沼博対談集』(徳間書店)『はじめての福島学』(イースト・プレス)『漂白される社会』(ダイヤモンド社)『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』(幻冬舎)『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)『東電福島原発事故 自己調査報告 深層証言&福島復興提言:2011+10』(徳間書店、編著)『福島第一原発廃炉図鑑』(太田出版、編著)『常磐線中心主義』(河出書房新社、編著)『地方の論理 フクシマから考える日本の未来』(青土社、佐藤栄佐久氏との共著)『「原発避難」論 避難の実像からセカンドタウン、故郷再生まで』(明石書店、編著)など。学術誌の他、新聞・雑誌等にルポ・評論・書評などを執筆。
第65回毎日出版文化賞人文・社会部門。
第32回エネルギーフォーラム賞特別賞。
第6回地域社会学会賞選考委員会特別賞。
第36回エネルギーフォーラム賞優秀賞。
第37回エネルギーフォーラム賞普及啓発賞。
2018Openbook年度好書奨(台湾の大手書評サイト「Openbook」の賞)。
尾崎行雄記念財団咢堂ブックオブザイヤー2021総合部門大賞。
(媒体プロフィール・イベント告知などで略歴が必要な場合は上のプロフィールを、近影が必要な場合は隣の写真をご利用下さい)
ご連絡はhiroshikainuma「アット」gmail.comまでお願い致します。
カスタマーレビュー
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テーマは、ふたつで、ひとつ。全国展開のショッピングモールやチェーン店進出によって、つぎつぎに閉店に追い込まれた地元商店。そして、原発事故後の福島の人々。原発は地方を圧倒する中央資本そのものだった。
著者の大友さん。ごぞんじ、「あまちゃん」の音楽担当者。でも、この本は、あまブレイク前の2012年末発行。福島高校出身。卒業後は福島を離れていたが、原発事故以来、足繁く通う。
「カーネーション」の脚本家・渡辺あやさんや、福島県いわき市出身の若手社会学者「フクシマ論」の開沼博さん、小説家の高橋源一郎さん、福島の果樹園の安齋伸也さんとの対談がおもしろい。
大友さんの自伝的な短い小説も掲載されている。
福島県の人々が事故や避難や除染やこれからのことで、また、大友さんがご自身と福島とのことで、わりきれずに悩んでいる姿が、そのまま出ているのが、現実に即していて、本当っぽい。
たとえば、放射能のことばっかり考えていては精神的にまいっちゃうはずなのに、いつも考えていないといけないと言われたり、なぜ避難しないのかと責められたりして、福島の人々が傷ついてしまっている、という大友さんの指摘。
職人の手作りのものから大量生産のプラスチック製品に変わってしまったという渡辺さんの言葉を受けて、21世紀は鉄腕アトムや大阪万博が描いた未来ではなく、「携帯とシャッター商店街」、そして「チープなもの」に囲まれる時代になってしまった、と大友さん。
避難や除染についての議論にも、地元の人の顔が見えてこない、とは開沼さん。イオンやブックオフやデニーズロイヤルホストの進出によって、町固有のお店のシャッターが閉まってしまった、とは大友さん。どちらの場合も、中央が地方を見えなくしている。
意味はノイズの洪水の中にある、ノイズがない脳はありえない、社会のノイズは弱者、それがないと社会は滅ぶ、とは高橋さん。原発は地場産業、地元企業、地方の顔というノイズを、大型店は地元商店、地元飲食店というノイズを消し去ってしまい、その結果が、この本のタイトル。
けれども、望みが全く絶たれたわけではない。
福島で果樹園をやっていて、今は北海道に住む安齋さんは、福島を捨てたのではなく、今は畑を休ませているだけ、ここ数年ということではなく、ずっと長いスパンで考えたいと語る。現に果樹園には、樹齢百年の梨の木がある、と言う。
本書は2011年夏から2012年にかけて筆者自身が綴ったもの、対談、あるいは寄稿された文章をまとめたもので、上記のイベントを企画、実施した時期とその後、どのような心もちであったのかを知ることが出来ました。
本書でも書かれている通り、確固たる揺らがぬ信念のようなものがあったのではなくやむにやまれぬ気持ちで行動したこと、福島生まれではあるものの3.11までは切り離していた故郷に対峙しようとしたときまずそこに住む人の中に飛び込むことを選んだこと、難しいことを言う人はたくさんいる中で人間としてその人を信用できるかどうかで判断したこと。これらの筆者の気持ちが良くわかります。
筆者自身の、SPEEDIのデータが公開されなかったことへの怒り、年20ミリシーベルトまでOKとした判断への異議、原発再稼働なんてあってはならないという思い、も明確に綴られています。
また、巻末近くの対談に参加した筆者の知り合いの女性たちのことば、
「避難する人もいれば、家族でいろいろと考えてここに住むと決めたという場合には、建築にたずさわる者として、震災前と同じ家を建てていていいのか、それは違うんじゃないか、という思いで日々仕事をしていて、すごくそれにやりがいも感じているし、このまま福島で、と思ってやっています。だけどもう一方で、NHKがやっていたベラルーシの特集番組を見たりすると、本当にここにいていいんだろうか?とか、いろいろな考えが錯綜します」
「山下(俊一)教授は問題あると思うけど、結局その人自身はそういう考えの人なのだから、否定できないんですよ。私は、その人しか置かないという仕組みに問題があると思います。」
から判るように、福島に住み続ける人たちも頑固に安全情報だけに盲目的にすがって生きている訳ではなく、私たちと同じようにいろいろな情報や日々のことを気にしながら生きているのですよね。今、東日本に住む人ならば誰もが持つ、共通の思いではないでしょうか。
また、ご家族が避難されたあんざい果樹園のお父さんとの対談がいいですね。避難が家族の分断ではなく、家族の長い歴史の中での選択としてお父さんも息子さんも認めていること、がすばらしいと思いました。
「あまちゃん」の音楽で脚光を浴びている筆者ですが、テレビに直接は現れなくても切り捨てることが出来ない、にじみ出る思いが伝わってくる、アーティストの著作らしい本書だと思います。
最後に、前述のETV特集で(2011年時点で)23ベクレルが出た桃のあんざい果樹園さん、懸命の努力で2012年は1.5ベクレルまで下がったとのこと。全国の桃を測れば、もしかしたら低い方なのかも知れないこの値を実現したのですね。良いニュースはなかなか流れませんが、忘れてはならないですね。果たして2013年夏の桃はどうか、どうぞ皆さんご自身で確かめて下さいね。
それからフクシマや震災地での活躍からは目が離せない。
この本では、大友さんの対談集。
ドラマ、カーネーションの作家さん、高橋源一郎さん、もんじゅ君、フクシマ論の開沼博さんなど。
どの対談もとても興味深く読んだ。
ノイズを排除する日本の社会について語る、高橋源一郎さんとのノイズ対談はおもしろかった。
それにしても高橋源一郎さんのぶっとんだ高校生活は面白すぎる。今の高校生とは大違い。
最後には大友さんの短編小説もあります。