20世紀半ばの作家の作品ですが、物語としては、前日譚、登場人物の紹介(かなり詳細でこれだけで面白い)、何幕かに分かれる実際の物語、そしてカタストロフ、という、古典的な物語のフォーマットをきちんと踏襲した作品です。1ページ使う挿絵の下に内容要約のキャプションが入るのも、最近の本ではあまり見ない形式かと思います。そして日本語に置き換えられたその文章も、朗々と謳い上げることを意識した叙事詩のような力のあるものです。
児童文学として考えたときに、子供の日常になじみやすい形式の作品だけでなく、こういう物語の骨格に則った作品も味わっておくのは、読書体験としても非常に有意義で楽しいものになるでしょう。
内容としても寓話性とストーリー性のバランスがよく、大人にとっても長く印象に残る作品です。この作品を子供の頃に知っていたら、その後、シェイクスピアをはじめとする古典劇の楽しみ方にも好影響を与えてくれたんじゃないかという気がするので、できれば10歳くらいのときに最初に読んでおきたかったと思います。
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シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 物語) 単行本 – 2008/5/20
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とおいむかし、クマたちは高くそびえる山の中で静かにくらしていた。ところが厳しい冬がやってきて、飢えと寒さにたまりかねたクマたちは山を下り、人間の住む平地をめざす。行く手に待ち受けるのは、残忍な大公に、ばけ猫、人食い鬼。ゆうれいもいれば、魔法使いもいる。さてはてクマたちの運命やいかに。さあ、それではまばたきもしないできこうではないか。おもしろく、やがて悲しい、シチリアを征服したクマ王国の物語を。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社福音館書店
- 発売日2008/5/20
- 寸法12.3 x 1.4 x 17 cm
- ISBN-104834023524
- ISBN-13978-4834023527
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
とおいむかし、厳しい冬の飢えと寒さにたまりかねたクマたちは、すみかの暗い洞穴から出て、山をおりることにした。行く手に待ち受けるのは、残忍な大公に、ばけ猫、人食い鬼。ゆうれいもいれば、魔法使いもいる。さてはてクマたちの運命やいかに。おもしろく、やがて悲しい、クマ王国の物語。小学校中級以上。
著者について
著者・画家 ディーノ・ブッツァーティ1906年、北イタリア、ベッルーノの図書館や礼拝堂を備えた山荘に生まれた。父親の仕事の関係で一家がミラノに移住した後も、幼年時代のブッツァーティはほとんどをこの別荘で過ごした。ミラノ大学卒業後、新聞記者として活躍。『山男バルナボ』で作家デビュー、『タタール人の砂漠』でイタリアのカフカと賞賛された。本書は、元々は子どものための新聞「ピッコリ・コリエーレ」に連載された物語で、リズミカルで楽しい作中の詩が、口ずさまれるなど、イタリアの子どもたちの愛読書の一つとして読み継がれている。生涯ドロミテアルプスを愛し、岩登りの達人で、山や森の神秘に触れてきた彼の心象が、その作品によく現れている。1972年没。訳者 天沢退二郎(あまざわ たいじろう)1936年東京生まれ。東京大学仏文科卒。詩人、評論家、宮沢賢治研究家、作家。詩集に『地獄にて』、『幽明偶輪歌』(以上思潮社)、翻訳に『青空』(晶文社)、『ヴィヨン詩集成』(白水社)、『ペロー童話集』(岩波書店)、評論『宮沢賢治の彼方へ』(思潮社)、創作に『光車よ、まわれ!』(ブッキング)など著作多数。訳者 増山暁子(ますやま きょうこ)イタリアの民話、伝説、中世文学研究家。論文多数。著書には『イタリア異界物語』(東洋書林)、『児童文学研究の現代史』(共著、小峰書店)、『日本児童文学大事典』(共著、大日本図書)などのほか、ブッツァーティの研究書もある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ブッツァーティ,ディーノ
1906年、北イタリア、ベッルーノの図書館や礼拝堂を備えた荘園に生まれた。父親の仕事の関係で一家がミラノに移住した後も、幼年時代のブッツァーティはほとんどをこの本邸で過ごした。ミラノ大学卒業後、「コッリエーレ・デッラ・セーラ」新聞の記者として活躍。『山男バルナボ』で作家デビュー、『タタール人の砂漠』でイタリアのカフカと賞賛された。1972年没
天沢/退二郎
1936年東京生まれ。東京大学仏文科卒。詩人、評論家、宮沢賢治研究家、作家
増山/暁子
イタリアの民話、伝説、中世文学研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1906年、北イタリア、ベッルーノの図書館や礼拝堂を備えた荘園に生まれた。父親の仕事の関係で一家がミラノに移住した後も、幼年時代のブッツァーティはほとんどをこの本邸で過ごした。ミラノ大学卒業後、「コッリエーレ・デッラ・セーラ」新聞の記者として活躍。『山男バルナボ』で作家デビュー、『タタール人の砂漠』でイタリアのカフカと賞賛された。1972年没
天沢/退二郎
1936年東京生まれ。東京大学仏文科卒。詩人、評論家、宮沢賢治研究家、作家
増山/暁子
イタリアの民話、伝説、中世文学研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著者について
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2015年10月6日に日本でレビュー済み
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18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年11月10日に日本でレビュー済み
日本でも来年(2022年1月)に本作品のアニメ映画が公開されるのをきっかけに、私は本作品と作者名を初めて知った。
「・・・とおいむかし、厳しい冬の飢えと寒さにたまりかねたクマたちは、すみかの暗い洞穴から出て、山をおりることにした。行く手に待ち受けるのは、残忍な大公に、ばけ猫、人食い鬼。ゆうれいもいれば、魔法使いもいる。さてはてクマたちの運命やいかに。おもしろく、やがて悲しい、クマ王国の物語。」
以上に一字一句そのまま引用したのはカバー裏記載のあらすじだが、やや暗い結末を暗示してはいるものの、これを読んで興味が湧き、ワクワクしながら一気に読み通したのであった。
軽妙かつユーモラスなストーリー展開、作者自らが手掛けたという表紙や本文挿絵等魅力的な要素が多く在る中で、私が最も惹き付けられたのは、クライマックスであるクマの王様の遺言だった。
それは人間社会に溶け込みすぎたことに対する戒めとして、彼の遺体と共に全てのクマへ山への帰還を命ずるものであった。
これをある種の文明社会批判(ルソー流の“自然へ還れ”)として捉えることは可能であり、おそらく作者の意図もそこに在るのであろう。
だが、私は敢えて別の捉え方を試みたい。
そこで、本作品ともシチリア島とも無関係なので一見奇妙に思われるが、日本人にもわりあい馴染みのある元朝と清朝(どちらも異民族による中国統一王朝)との比較を通して、それについて分かりやすく説明していきたいと思う。
どちらも異民族として長期間征服・統治を行ったものの、漢民族とその文化を滅ぼすどころか、その発展に寄与するといった逆の結果をもたらしたのである。
結局、どちらも本作品のように平和裏に撤退することは叶わなかったのも共通している。
しかしそれでも、両者において決定的に異なる点が存在するーそれは即ち、父祖の眠る故地を保持したか否かである。
本作品のクマ達には全く手付かずの昔ながらの山々があったように、元には帝国建設前からあった草原が殆どそのままの姿で残されていた。
一方清の方といえば、支配者である満洲族が長年の漢民族の文化に浸かり過ぎたばかりか(その為“ラストエンペラー”溥儀のように満洲族自身が満洲語を忘れる羽目に陥った)、清朝末期に開発目的で満洲へ漢民族の入植を始めた結果、彼らは少数者と成り果てて父祖の地を喪失したのだった。
やがて還るべき父祖の地をその流儀と共に絶対に喪失してはならないーそれはおそらく作者の意図せざるものではあったかもしれないが、本作品が我々読者へ遺した貴重かつ重要な示唆ではなかっただろうか。クマの王の死に際、戦いで先に逝った部下のクマ達の他に、親や祖先の魂もまた彼を迎えにやってきたことは、そのことを逆説的に裏付けてはいないだろうか。
私の解釈が果たして正しいか否か、どうか賢明なる読者諸兄の御判断を仰ぎたく願う次第である。
「・・・とおいむかし、厳しい冬の飢えと寒さにたまりかねたクマたちは、すみかの暗い洞穴から出て、山をおりることにした。行く手に待ち受けるのは、残忍な大公に、ばけ猫、人食い鬼。ゆうれいもいれば、魔法使いもいる。さてはてクマたちの運命やいかに。おもしろく、やがて悲しい、クマ王国の物語。」
以上に一字一句そのまま引用したのはカバー裏記載のあらすじだが、やや暗い結末を暗示してはいるものの、これを読んで興味が湧き、ワクワクしながら一気に読み通したのであった。
軽妙かつユーモラスなストーリー展開、作者自らが手掛けたという表紙や本文挿絵等魅力的な要素が多く在る中で、私が最も惹き付けられたのは、クライマックスであるクマの王様の遺言だった。
それは人間社会に溶け込みすぎたことに対する戒めとして、彼の遺体と共に全てのクマへ山への帰還を命ずるものであった。
これをある種の文明社会批判(ルソー流の“自然へ還れ”)として捉えることは可能であり、おそらく作者の意図もそこに在るのであろう。
だが、私は敢えて別の捉え方を試みたい。
そこで、本作品ともシチリア島とも無関係なので一見奇妙に思われるが、日本人にもわりあい馴染みのある元朝と清朝(どちらも異民族による中国統一王朝)との比較を通して、それについて分かりやすく説明していきたいと思う。
どちらも異民族として長期間征服・統治を行ったものの、漢民族とその文化を滅ぼすどころか、その発展に寄与するといった逆の結果をもたらしたのである。
結局、どちらも本作品のように平和裏に撤退することは叶わなかったのも共通している。
しかしそれでも、両者において決定的に異なる点が存在するーそれは即ち、父祖の眠る故地を保持したか否かである。
本作品のクマ達には全く手付かずの昔ながらの山々があったように、元には帝国建設前からあった草原が殆どそのままの姿で残されていた。
一方清の方といえば、支配者である満洲族が長年の漢民族の文化に浸かり過ぎたばかりか(その為“ラストエンペラー”溥儀のように満洲族自身が満洲語を忘れる羽目に陥った)、清朝末期に開発目的で満洲へ漢民族の入植を始めた結果、彼らは少数者と成り果てて父祖の地を喪失したのだった。
やがて還るべき父祖の地をその流儀と共に絶対に喪失してはならないーそれはおそらく作者の意図せざるものではあったかもしれないが、本作品が我々読者へ遺した貴重かつ重要な示唆ではなかっただろうか。クマの王の死に際、戦いで先に逝った部下のクマ達の他に、親や祖先の魂もまた彼を迎えにやってきたことは、そのことを逆説的に裏付けてはいないだろうか。
私の解釈が果たして正しいか否か、どうか賢明なる読者諸兄の御判断を仰ぎたく願う次第である。
2022年1月6日に日本でレビュー済み
知らなかったよ、ブッツァーティが絵も描いていたなんて。そんなこと、彼の翻訳本の解説のどこにも書いてなかったよ。
本書の主人公はクマ王国の王さま。魔法使いの教授やおそろしい化け猫など、魅力的なキャラも登場する。山の上の王国から下りてきたクマたちは、人間たちと壮絶な死闘を繰り広げる。その結果クマが天下をとって、人間と共生するようになる。しかしクマたちもやがて堕落し、目に余る所業の数々……そしてエンディングは必ずしもハッピーではない。いかにもブッツァーティらしい結末。
各章に挿入された魅力的な絵は、おとなが見ても楽しめる。数知れないクマ、たくさんの兵士や市民、何頭もの空飛ぶイノシシが描き込まれている。ちなみに、第七章扉の絵でクマを数えてみたら、なんと182頭! 子どもが喜ばないはずがない。
この絵本が出版されたのは、戦争直後の1945年。ブッツァーティは昼間に新聞記者の仕事をしながら、夜に(それも戦時下の夜に)これらの絵を描いていたのかもしれない。そう想像すると、絵の見方も違ってくる。
(p.s. 2019年、フランス・イタリア合作でアニメ映画化。予告編はYouTubeで視聴が可能。……いま知ったけど、2022年、日本でも公開されるって。)
本書の主人公はクマ王国の王さま。魔法使いの教授やおそろしい化け猫など、魅力的なキャラも登場する。山の上の王国から下りてきたクマたちは、人間たちと壮絶な死闘を繰り広げる。その結果クマが天下をとって、人間と共生するようになる。しかしクマたちもやがて堕落し、目に余る所業の数々……そしてエンディングは必ずしもハッピーではない。いかにもブッツァーティらしい結末。
各章に挿入された魅力的な絵は、おとなが見ても楽しめる。数知れないクマ、たくさんの兵士や市民、何頭もの空飛ぶイノシシが描き込まれている。ちなみに、第七章扉の絵でクマを数えてみたら、なんと182頭! 子どもが喜ばないはずがない。
この絵本が出版されたのは、戦争直後の1945年。ブッツァーティは昼間に新聞記者の仕事をしながら、夜に(それも戦時下の夜に)これらの絵を描いていたのかもしれない。そう想像すると、絵の見方も違ってくる。
(p.s. 2019年、フランス・イタリア合作でアニメ映画化。予告編はYouTubeで視聴が可能。……いま知ったけど、2022年、日本でも公開されるって。)
2009年12月22日に日本でレビュー済み
むかしむかし、シチリアに高い山地と、美しい都があったころのお話。息子を猟師に連れ去られた勇敢なクマの王は、素朴で気のいい一族を率いて人間の国へ攻め込む。華々しい戦いの後、シチリアはクマによって支配される。
古の英雄譚を思わせる物語が、ユーモアにみちた口調で語られます。あっと驚く意外な展開で、読み手はただ巻き込まれるようにおとぎばなしの世界をつきすすむ、そんな印象でした。
著者による挿絵が不思議な世界に誘い込む効果を存分に発揮しています。明るい色調の水彩画で描かれた戦場の場面など、キリコ的な違和感のただよう素晴らしい絵です。クマがかわいい。
古の英雄譚を思わせる物語が、ユーモアにみちた口調で語られます。あっと驚く意外な展開で、読み手はただ巻き込まれるようにおとぎばなしの世界をつきすすむ、そんな印象でした。
著者による挿絵が不思議な世界に誘い込む効果を存分に発揮しています。明るい色調の水彩画で描かれた戦場の場面など、キリコ的な違和感のただよう素晴らしい絵です。クマがかわいい。








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