右手人差し指1本を上下させる独自の奏法で、独特のニュアンスと強烈なグルーヴを弾き出し、現存するエレキベース奏者の頂点に君臨するチャック・レイニーが70年代初期に残した初リーダー作。 チャックのそれまでになく饒舌で骨太でカラフルなベースを中心に、後にStuffとなるメンバー達との息の合ったやりとりと、バーナード・パーディーやスパイダー・ウェブらの豪華・多重ドラムスが絡み合うファンキーなリズム、(おそらく)ゲイリー・マクファーランドのアドヴァイスによりダビングされたスリリングなストリングスを配した躍動感溢れるサウンドは、荒削りながらもNYフュージョンのひとつの雛型に。 しかし時折覗かせるお茶目なセンス、「モンド」とも表現できそうな独特の雰囲気は後のフュージョンには聴かれない貴重なもの。クロスオーヴァー黎明期の重要なドキュメントとしては勿論、あらゆる「インスト音楽」愛好家に聴いていただきたい楽しさ満載の一枚。 CORNELL DUPREE,ERIC GALE,BILLY BUTLER(g),BERNARD PURDIE,KEN RICE,HERB LOVELLE,JIMMY JOHNSON(ds),RICHARD TEE(p,org),GEORGE STUBBS(p),MONTEGO JOE(conga),WARREN SMITH,SPECS POWELL(perc),MELVIN LASTIE(tp),TREVOR LAWRENCE(ts),SELWART CLARKE(strings),GARY MCFARLAND&CHUCK RAINEY(prod)。 紙ジャケット仕様。 収録曲: 1. エロイーズ(ファースト・ラヴ) 2. ハウ・ロング・ウィル・イット・ラスト 3. ジュニイン・ジョン 4. レイン・ソング 5. ガット・イット・トゥゲザー 6. ローン・ストレンジャー 7. ハーレム・ノクターン 8. イッツ・ゴナ・レイン 9. ピーター・ガンのテーマ