とにかく田中絹代の凄まじい存在感、「おサキさん」その人になりきっている演技力に圧倒されます。高橋洋子の若い頃なのにすごい演技にも驚きますし、作者のずるい・利己的な性格を栗原小巻があっけらかんと見事に演じています。水の江瀧子の演技と貫禄も見逃せません。これほどの名作が今日ではあまり省みられないのはなぜなのでしょうか。
映画の内容は「からゆきさん」となっていますが、実際は作者が聞き取りをした「おサキさん」ひとりの想像もつかない凄まじい苦難の話です。おサキさんの満州での話がないのは、おそらく作者が「からゆきさん」の部分にしか興味がなくおサキさん自身には興味がなかったことの現れかと思います。作者にとっておサキさんは取材対象でしかなかったのでしょう。「からゆきさん」の最盛期は幕末から明治にかけてですので、おサキさんは最後に近い「からゆきさん」なのでしょうか。「からゆきさん」が島原の人が多かったのにはそれなりに理由があったと思うのですが、その点は言及されていません。「からゆきさん」の実態は今日にいたってもわかっていないのでしょう。
映画は作者の意図した、人を、女性を、輸出品とした日本という国を批判しています。熊井啓監督はさらにこの作者をも批判しています。作者の人としての倫理観を批判しています。
私はこの映画が公開された当時に映画館でも観ています。今では忘れられたような本作も、公開当時はかなり評判になりました。残念ながらマスコミが多く取り上げたのは高橋洋子のヌードシーンでしたが。当時はどの映画会社も文芸大作と名打って、有名あるいは新人女優がスクリーンでヌードになることを売り物にしてしました。今では考えられないような有名女優たちが「芸術」のために裸を披露しました。なにかこの映画の中の日本とダブって感じられるのです。
余談ですが、吉永小百合は「お見せするほどの胸ではありませんから」と言って拒否したと聞いています。
サンダカン八番娼館 望郷 [DVD]
フォーマット | ブラック&ホワイト, ドルビー |
コントリビュータ | 栗原小巻, 広沢栄, 高橋洋子, 水の江滝子, 田中健, 熊井啓, 小沢栄太郎, 山崎朋子, 田中絹代 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 1 分 |
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商品の説明
Amazonより
ボルネオの港町サンダカンを訪れ、かつて“からゆきさん”と呼ばれた日本人娼婦たちの墓などを探す女性史研究家・圭子(栗原小巻)は、かつて九州で出会った元からゆきさんのおさき(田中絹代)から聞いた話の数々を思いかえしていく。戦前、若き日のおさき(高橋洋子)はサンダカンに娼婦として売られてきて、そこで苛酷な半生を過ごしたのだった…。
山崎朋子のノンフィクション・ルポを原作に、名匠・熊井啓監督が描いた社会派女性映画の大傑作。ひとりの女がたどった、まさに想像を絶する地獄の体験を映像はあますところなく捉え続け、観る者に怒りと悲しみを込めて告発していく。伊福部昭の重厚な音楽も、歴史と女の悲劇を見事に奏であげている。ラストに至っては、いつ観直してもショッキングで鳥肌が立つ思いだ。また、それらを裏打ちする名女優・田中絹代の存在感は、まさに映画が与えたもうた文化的財産といっても過言ではない。同年度キネマ旬報ベスト・テン第1位および監督・女優(田中)賞受賞。田中は海外でもベルリン国際映画祭女優演技賞を受賞している。(的田也寸志)
レビュー
監督: 熊井啓 原作: 山崎朋子 音楽: 伊福部昭 出演: 田中絹代/栗原小巻/高橋洋子/田中健
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- Is Discontinued By Manufacturer : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988104022868
- 監督 : 熊井啓
- メディア形式 : ブラック&ホワイト, ドルビー
- 時間 : 2 時間 1 分
- 発売日 : 2004/11/26
- 出演 : 栗原小巻, 高橋洋子, 田中絹代, 田中健, 水の江滝子
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : 東宝
- ASIN : B0002Z7QCI
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 136,443位DVD (の売れ筋ランキングを見るDVD)
- - 6,241位日本のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.5
星5つ中の4.5
172 件のグローバル評価
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社会派・熊井啓監督による「からゆきさん」を題材にした物語。日本にもこんな貧しい時代があったんだなあ。からゆきさんには、天草や島原半島の出身者が多かったというが、潜伏キリシタンの歴史ともオーバーラップし、重くうら悲しい。本作の主人公サキが暮らしているのも天草の崎津である。冒頭のシーンで、2018年に世界遺産に登録された崎津教会がでてくる。このような長閑で美しいところで多くの女性たちの悲しい物語があったとは。(写真は天草・崎津の遠景。本作にも映っていた崎津教会が見える。)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年10月13日に日本でレビュー済み
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24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2021年9月20日に日本でレビュー済み
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日本近代史の勉強のつもりで見たら,なにせ田中絹代さんの演技が凄まじいものだから,映画作品として見入ってしまった.
まず,この映画に出てくる男は全員がどうしようもないクズばかりである.売春ブローカーが白スーツでカイゼル髭をしてニヤついているのが印象的だった.こういう胡散臭い品性の底辺みたいな連中が,いつの時代にもいるものなのだよなと思った.一人だけ,サキさんを救いだそうとする日本人青年がでてくるが,彼も自分の雇い主の娘と結婚してサキさんを捨てる.女衒の親父は売春婦から搾り取った金で南洋での経済活動に貢献したとかで勲章をひけらかすこれまたクズな俗物である.そしてサキさんの兄貴は妹に経済的に助けられておきながら,帰ってきた妹を実に酷薄な態度で扱う.ただ,この時代に極貧の環境で生まれていたら,自分はクズにならずに済んだだろうかと考えると,あまり自信がない.貧困は人間をクズにする.サキさんの兄も,けっきょくそういう貧しい環境で品性を貶めていってしまったのだろうし.
海軍の艦隊が寄港し,海兵が娼館に大挙して行進して,一人の女性が30人を相手にしないと回らない...という凄い話が出てくる.慰安婦っていうのはこういうものだったのか,という実感が少しばかり湧いた.しかし,その海兵たちが屈託もなく,これから抱く娼婦に満面の笑みで「お世話になります!」などというものだから,なんだか笑ってしまった.これは良いとか悪いとかではなく,当時にあってはそういうものだったのだろう.
研究者倫理を問われているような所もあった.この話の基本的な筋は「女性史研究者が(自分の研究の一環として,つまり研究者としてのエゴのために)元「からゆきさん」から聞き取り調査をしようとする」というものだが,誰も好き好んでそんな過去は振り返りたくはない.それで栗原小巻さんが演じる女性研究者が,サキさんの優しさにつけこみ,下心ありきで仲良くなって,目的も自らの出自も明かさずに聞き取りを行い,それを内緒で便箋に書き留めて東京の自宅に送る.若い女性が,東京から天草の田舎に突然やって来て,3週間も孤独なおばあさんの所に寝泊まりしていれば,狭いムラ社会のことだから当然周囲は邪推する.それでサキさんのムラでの立場が難しくなったりもする.多分これは現在の研究者倫理の基準からいくと完全にアウトだろう.終盤これについてこの女性史家が泣きながら謝罪するシーンがあるが,これすらも「自分から言わないということは,なにか言えない事情があるのだろう」と思って聞かなかった,と返すサキさんは,ほとんど聖人である.自分には何の責任もない咎を一身に背負って,文句を言わずにこれを耐え忍び,私は幸せだとまで言う.こんな人間造形にリアリティを与えている田中絹代さんの演技には圧倒される.
女郎に売られた女性が還ってきて差別を受ける,というのは教科書的な事実として知ってはいたが,こうして映画として見せられると認識の重みも変わる.まず,兄貴が帰ってきた妹を「外聞がよくない」と冷酷に扱う.その嫁も「あの女が自分たちの家の権利を主張したらどうしよう」などと,これまた人間性の欠片もないことを言う.そしてこうなることを解っているから,おサキさんの面倒をみたボルネオの「お母さん」であるところのキクさんは,女郎たちに「帰ってはいけない」と諭してから死ぬ.それでも帰ってしまったサキさんは,案の定ひどい差別にあう.そこで満州が新天地として,希望の光になる.彼女も満洲に渡るが,満洲での暮らしはほぼ描かれていない.そこで初めてまっとうな結婚をし,息子も出来たが,戦争で夫は死に,家財も再び全て失う.息子は結婚したが息子の嫁は元「からゆきさん」を敬遠して寄り付かない.こんな優しさのかけらもない環境の中で,サキさんはどこかピュアな童心を保っているところがある.終盤,障子を張り替えて床に新しく敷物をして,嬉しそうに跳ね回るシーンは強烈な印象を残す.
最後,ボルネオにあるからゆきさんの墓地を尋ねるシーンで,墓がすべて日本に背を向けていたことに触れて映画が終わる.うかつに戦前にロマンを投影するのはほんと良くないなと思う.
まず,この映画に出てくる男は全員がどうしようもないクズばかりである.売春ブローカーが白スーツでカイゼル髭をしてニヤついているのが印象的だった.こういう胡散臭い品性の底辺みたいな連中が,いつの時代にもいるものなのだよなと思った.一人だけ,サキさんを救いだそうとする日本人青年がでてくるが,彼も自分の雇い主の娘と結婚してサキさんを捨てる.女衒の親父は売春婦から搾り取った金で南洋での経済活動に貢献したとかで勲章をひけらかすこれまたクズな俗物である.そしてサキさんの兄貴は妹に経済的に助けられておきながら,帰ってきた妹を実に酷薄な態度で扱う.ただ,この時代に極貧の環境で生まれていたら,自分はクズにならずに済んだだろうかと考えると,あまり自信がない.貧困は人間をクズにする.サキさんの兄も,けっきょくそういう貧しい環境で品性を貶めていってしまったのだろうし.
海軍の艦隊が寄港し,海兵が娼館に大挙して行進して,一人の女性が30人を相手にしないと回らない...という凄い話が出てくる.慰安婦っていうのはこういうものだったのか,という実感が少しばかり湧いた.しかし,その海兵たちが屈託もなく,これから抱く娼婦に満面の笑みで「お世話になります!」などというものだから,なんだか笑ってしまった.これは良いとか悪いとかではなく,当時にあってはそういうものだったのだろう.
研究者倫理を問われているような所もあった.この話の基本的な筋は「女性史研究者が(自分の研究の一環として,つまり研究者としてのエゴのために)元「からゆきさん」から聞き取り調査をしようとする」というものだが,誰も好き好んでそんな過去は振り返りたくはない.それで栗原小巻さんが演じる女性研究者が,サキさんの優しさにつけこみ,下心ありきで仲良くなって,目的も自らの出自も明かさずに聞き取りを行い,それを内緒で便箋に書き留めて東京の自宅に送る.若い女性が,東京から天草の田舎に突然やって来て,3週間も孤独なおばあさんの所に寝泊まりしていれば,狭いムラ社会のことだから当然周囲は邪推する.それでサキさんのムラでの立場が難しくなったりもする.多分これは現在の研究者倫理の基準からいくと完全にアウトだろう.終盤これについてこの女性史家が泣きながら謝罪するシーンがあるが,これすらも「自分から言わないということは,なにか言えない事情があるのだろう」と思って聞かなかった,と返すサキさんは,ほとんど聖人である.自分には何の責任もない咎を一身に背負って,文句を言わずにこれを耐え忍び,私は幸せだとまで言う.こんな人間造形にリアリティを与えている田中絹代さんの演技には圧倒される.
女郎に売られた女性が還ってきて差別を受ける,というのは教科書的な事実として知ってはいたが,こうして映画として見せられると認識の重みも変わる.まず,兄貴が帰ってきた妹を「外聞がよくない」と冷酷に扱う.その嫁も「あの女が自分たちの家の権利を主張したらどうしよう」などと,これまた人間性の欠片もないことを言う.そしてこうなることを解っているから,おサキさんの面倒をみたボルネオの「お母さん」であるところのキクさんは,女郎たちに「帰ってはいけない」と諭してから死ぬ.それでも帰ってしまったサキさんは,案の定ひどい差別にあう.そこで満州が新天地として,希望の光になる.彼女も満洲に渡るが,満洲での暮らしはほぼ描かれていない.そこで初めてまっとうな結婚をし,息子も出来たが,戦争で夫は死に,家財も再び全て失う.息子は結婚したが息子の嫁は元「からゆきさん」を敬遠して寄り付かない.こんな優しさのかけらもない環境の中で,サキさんはどこかピュアな童心を保っているところがある.終盤,障子を張り替えて床に新しく敷物をして,嬉しそうに跳ね回るシーンは強烈な印象を残す.
最後,ボルネオにあるからゆきさんの墓地を尋ねるシーンで,墓がすべて日本に背を向けていたことに触れて映画が終わる.うかつに戦前にロマンを投影するのはほんと良くないなと思う.
ベスト500レビュアー
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栗原小巻の映画が観たくなって検索すると、この作品に行き当たった。
興味のあるテーマなので原作を読んだことがある。なぜか映画は今回が初めてだ。ちょうど良かった。
女性史研究家(栗原小巻)が、からゆきさんの史実を調査するために天草を訪れる。
人々の口は重かったが、老女サキ(田中絹代)の廃屋に住み込んで少しづつ事実を掘り起こしていく。
優れた原作を映画化するときのお手本にしたいような秀作だ。ノンフィクションの映画化は難しかったと思うが、原作の精神を汲み取って新たな場面を付け加え、見事に映像化してみせた。
夜這い未遂の村の男は、男の性の下劣さを体現した存在だ。
今の世間も、女性を性奴隷として売買した時代から、それほど進歩していないという事実を強調したのだろう。
若いころのサキを演じる高橋洋子は、可愛いけど美人すぎず何より演技が達者だ。
帰郷したサキを迎える家族の冷酷さは、外地の体験よりも心が冷える。
アメリカに「黒人に靴を磨かせておいて、黒人は靴磨きだから下等だと差別する」という言葉がある。
それと同じだ。好きで娼婦になる人間などいない。ましてや十四歳の少女である。
集金システムとして性奴隷を搾取し、利益は得るくせに当事者を差別する。
忘れてはいけない日本近代史を題材とした名作である。
興味のあるテーマなので原作を読んだことがある。なぜか映画は今回が初めてだ。ちょうど良かった。
女性史研究家(栗原小巻)が、からゆきさんの史実を調査するために天草を訪れる。
人々の口は重かったが、老女サキ(田中絹代)の廃屋に住み込んで少しづつ事実を掘り起こしていく。
優れた原作を映画化するときのお手本にしたいような秀作だ。ノンフィクションの映画化は難しかったと思うが、原作の精神を汲み取って新たな場面を付け加え、見事に映像化してみせた。
夜這い未遂の村の男は、男の性の下劣さを体現した存在だ。
今の世間も、女性を性奴隷として売買した時代から、それほど進歩していないという事実を強調したのだろう。
若いころのサキを演じる高橋洋子は、可愛いけど美人すぎず何より演技が達者だ。
帰郷したサキを迎える家族の冷酷さは、外地の体験よりも心が冷える。
アメリカに「黒人に靴を磨かせておいて、黒人は靴磨きだから下等だと差別する」という言葉がある。
それと同じだ。好きで娼婦になる人間などいない。ましてや十四歳の少女である。
集金システムとして性奴隷を搾取し、利益は得るくせに当事者を差別する。
忘れてはいけない日本近代史を題材とした名作である。
2019年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「黒部の太陽」が好きで、流れで見てみたのですが、
栗原小巻さんという圧倒的正統派の存在感が、当時の社会問題作品に見事にマッチングしていますね。
他配役も見事。波乱な人生であっても気丈に生き抜く女性を、初主演(「旅の重さ」)
で圧倒的な存在感を発揮した、当時の新鋭女優である、高橋洋子さん。
(本作品の演技を見て、正直惚れましたw)
その晩年の姿を往年の大大女優、田中絹代さん。
この3女優の見事な演技が、絶妙に本作品を重厚かつ悲哀たっぷりの作品に仕上げていますね。
いやぁ、さすが熊井作品!
栗原小巻さんという圧倒的正統派の存在感が、当時の社会問題作品に見事にマッチングしていますね。
他配役も見事。波乱な人生であっても気丈に生き抜く女性を、初主演(「旅の重さ」)
で圧倒的な存在感を発揮した、当時の新鋭女優である、高橋洋子さん。
(本作品の演技を見て、正直惚れましたw)
その晩年の姿を往年の大大女優、田中絹代さん。
この3女優の見事な演技が、絶妙に本作品を重厚かつ悲哀たっぷりの作品に仕上げていますね。
いやぁ、さすが熊井作品!
2022年3月11日に日本でレビュー済み
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主役の人が演技が下手でリアリティが感じられない。
冒頭で虫が床に這うような家に寝泊まりするのに綺麗に化粧して清潔な格好で寝て、布団や猫もいてダニやノミだらけのはずなのに、朝になると綺麗にホテルでも泊まって起きたみたいな感じには興ざめです。
ほかにも貧乏で金の代わりに指輪をもらって売春していた話はおかしな話で、その指輪を売らずに取っておいたのにどうやって生活していたのかさっぱりわからない。
いろいろと細かいところが気になると映画に入っていけなくなりますが、知らなかったじゃぱ雪さんの実情を概要だけでも知らしめてくれたのはよかったと思う。
冒頭で虫が床に這うような家に寝泊まりするのに綺麗に化粧して清潔な格好で寝て、布団や猫もいてダニやノミだらけのはずなのに、朝になると綺麗にホテルでも泊まって起きたみたいな感じには興ざめです。
ほかにも貧乏で金の代わりに指輪をもらって売春していた話はおかしな話で、その指輪を売らずに取っておいたのにどうやって生活していたのかさっぱりわからない。
いろいろと細かいところが気になると映画に入っていけなくなりますが、知らなかったじゃぱ雪さんの実情を概要だけでも知らしめてくれたのはよかったと思う。
2019年1月26日に日本でレビュー済み
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社会派・熊井啓監督による「からゆきさん」を題材にした物語。日本にもこんな貧しい時代があったんだなあ。からゆきさんには、天草や島原半島の出身者が多かったというが、潜伏キリシタンの歴史ともオーバーラップし、重くうら悲しい。本作の主人公サキが暮らしているのも天草の崎津である。冒頭のシーンで、2018年に世界遺産に登録された崎津教会がでてくる。このような長閑で美しいところで多くの女性たちの悲しい物語があったとは。
(写真は天草・崎津の遠景。本作にも映っていた崎津教会が見える。)
(写真は天草・崎津の遠景。本作にも映っていた崎津教会が見える。)

社会派・熊井啓監督による「からゆきさん」を題材にした物語。日本にもこんな貧しい時代があったんだなあ。からゆきさんには、天草や島原半島の出身者が多かったというが、潜伏キリシタンの歴史ともオーバーラップし、重くうら悲しい。本作の主人公サキが暮らしているのも天草の崎津である。冒頭のシーンで、2018年に世界遺産に登録された崎津教会がでてくる。このような長閑で美しいところで多くの女性たちの悲しい物語があったとは。
(写真は天草・崎津の遠景。本作にも映っていた崎津教会が見える。)
(写真は天草・崎津の遠景。本作にも映っていた崎津教会が見える。)
このレビューの画像

2020年8月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山崎朋子の原作を読んで[からゆきさん]に深い関心を寄せていた時、映画化されたと聞き
すぐに映画館にかけつけた。
歴史に翻弄されてきた底辺女性。原作の主題に忠実に熊井啓監督が見事に描き出していた。
そして、何よりも驚愕したのが田中絹代の演技力だった、
名女優とよばれてきたが、初めてその意味を深くやきつけたのが、ほかならぬこの映画だった。
久しぶりに観ました。アマゾンさん良質な映画の提供をありがとうございます。
すぐに映画館にかけつけた。
歴史に翻弄されてきた底辺女性。原作の主題に忠実に熊井啓監督が見事に描き出していた。
そして、何よりも驚愕したのが田中絹代の演技力だった、
名女優とよばれてきたが、初めてその意味を深くやきつけたのが、ほかならぬこの映画だった。
久しぶりに観ました。アマゾンさん良質な映画の提供をありがとうございます。
2018年5月11日に日本でレビュー済み
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小学生の頃この映画を観てからゆきさんという人達がいた事、国が外貨を稼ぐために売られて日本に戻ってもその事で孤独な女性達がいた事が子供心に衝撃的であり田中絹代さんの最後の出演作品?だったのでもう一度観たいな というのとパートナーはからゆきさんという人達がいた事を知らなかったのでフィクションな部分もありますが説明するより早いやと
久しぶりに一緒にこの作品を観ました。
田中絹代さんの演技が素晴らしかったからこの作品が心に残っていたんだなと再確認しました。
久しぶりに一緒にこの作品を観ました。
田中絹代さんの演技が素晴らしかったからこの作品が心に残っていたんだなと再確認しました。