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サロメ 単行本 – 2017/1/16

5つ星のうち 4.1 8件のカスタマーレビュー

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商品の説明

メディア掲載レビューほか

原田マハさんが『サロメ』をテーマに描くミステリ 2人の天才、ワイルドとビアズリーに翻弄される世界とは

原田マハさんが新境地を切り開き、したたるような妖しいエロスの世界をくり広げる。

世紀末ヨーロッパで一世を風靡した作家オスカー・ワイルド、彼の戯曲『サロメ』に悪魔的挿画の数々を提供した夭折の画家オーブリー・ビアズリー、姉で女優のメイベル・ビアズリー。この三人の関係が、史実という大樹に絡みつく蔓草のようなフィクションに彩られる。

発端は現代のロンドン。ワイルド研究家がビアズリー研究家に、新発見の「サロメ」の絵を見せる。それは有名なクライマックスシーン、つまりサロメが預言者ヨハネの首に接吻する瞬間を描いた、紛れもないビアズリー真筆であったが、しかしその生首の顔はヨハネではなかった。

では一体誰なのか?

ぞくぞくするような謎を提示した後、物語は十九世紀末のロンドンへと遡る。メイベルの目を通して読者は、ヴィクトリア朝時代の息苦しい政治文化状況、ワイルドのエキセントリックな言動、ビアズリーの成功と挫折、そして結核による早すぎる死を、追体験してゆく。

だが何より息詰まる思いをさせられるのは、メイベル自身が――ワイルドとビアズリーという二人の天才に翻弄されているかに見えながら――本人も気づかぬうち、何やら化けものめいた存在へと変容するその過程である。

上質のミステリであり、心理劇でもある本作はまた、メイベルの口を借りたビアズリー讃歌でもある。曰く、「美しい絵を上手に描く、というのではまったくなかった。もっと痛いような、苦しいような、狂おしいような」。「なんという闇。なんという光。なんという力。――なんという圧倒的な世界」。「画室に満ち溢れる狂気と豊穣に、メイベルは静かに首を絞められる思いがした」。

大久保明子さんによる素晴らしい装丁も、書店で原田さんの艶めかしい世界へ強く誘なうに違いない。

評者:中野 京子

(週刊文春 2017.2.23号掲載)

内容紹介

現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。
このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。
彼の名は、オーブリー・ビアズリー。
保険会社の職員だったオーブリー・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、オスカー・ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になった後、肺結核のため25歳で早逝した。
当初はフランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。
退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。

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登録情報

  • 単行本: 322ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2017/1/16)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4163905898
  • ISBN-13: 978-4163905891
  • 発売日: 2017/1/16
  • 商品パッケージの寸法: 18.8 x 13 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1 8件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

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トップカスタマーレビュー

投稿者 トップ500レビュアー 投稿日 2017/1/17
形式: 単行本 Amazonで購入
 19世紀末のイギリスの画家・ビアズリーの生涯と、病弱な彼を影に日向に支えた姉のメイベル、そして作家のオスカー・ワイルドとの愛憎を描いた作品です。
 何十年も前の話ですが、学生の頃、ビアズリー展を見に行ったことがありましたが、確かに一目見たら忘れられない画風でした。当時、宇野亜喜良氏や俳優の米倉斉加年氏の幻想的な絵を見慣れていたにもかかわらず、です。これが19世紀末のイギリス(シャーロック・ホームズの時代ですね)で発表された時は、どれだけセンセーショナルでスキャンダラスだったことか。

 ただ、原田マハさんがどんなに筆舌を尽くしても、ビアズリーの絵を見たことがない読者には、そのすごさがピンと来ないのが実情でしょう。単行本の表紙は、ビアズリーが手がけた「イエロー・ブック」の体裁で、絵は「サロメ」の「お前の口に口づけしたよ、ヨカナーン」を用いていますが、この絵だけでは(いや、この絵だけでもある意味十分ですが)、本文中に出てくる絵のすべてを想像するのは無理かと思われます。
 まあ今の時代、ネットで画像検索すれば絵をいくらでも見つけることができるでしょうが、本作を読んでいて絵をすぐに思い浮かべられる方は、見た経験のある方か、画集をお持ちの方に限られると思います。
 せっかくの力作ですが、絵が見られないという致命的な欠点はどうにかならなかったものか。その点が非常に残念に思います。
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形式: 単行本
おもしろかったんですが~オーブリー・ビアズリーと”彼”との関係がなんだか安手のBLっぽいような気がしたのがちょっとアレでした・・・現代の話、必要でしたかね?個人的にはなくても良かったです。
次回作はぜひともミュシャ(今はムハのほうが正しいのかな?)のお話とか読んでみたいです。
(サラ・ベルナールのポスターで一躍有名になった話も実はちょっと盛っていたらしいとか、死因がナチスによる尋問だった?など、現代史の闇のようなお話を期待してますが・・・)
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形式: 単行本
「サロメ」の著者オスカーワイルド、そしてあの有名な挿絵を描いた
オーブリーピアズリーとその姉・メイベルとの愛憎渦巻く微妙な三角
関係(…といってよいのだろうか?)が、ワイルドの恋人・アルフレッド
ダグラスをも含めて錯綜し、破綻してゆく様が濃密に描かれる。

サロメというモチーフ自体が強烈なのに加えて、ワイルドらの中心的
登場人物だけでなく、周囲の人たちも含めたすべてがこの「サロメ」に
輻輳し、いつまでも消えない余韻が残る。
表紙のイラストや舞台の暗転を思わせるような処々に挿入された黒い扉
など、装丁の寄与しているところも大きいだろう。
エンディングには苦心したのか、やや不満も残る。
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形式: 単行本
サロメのついては聖書も読んだことがあったし、オスカーワイルドの作品も読んだことがあったが、オーブリービアズリーの絵は知っていたけど生涯は知らなかったし、ましてや姉のメイベルがいることは知らなかったので興味深く読んだ。
オーブリーの当時のインパクトは衝撃だったと感じた。
また、ワイルドも聖書のわずかな記述の少女に「サロメ」と名づけ1つの作品にしたのもすごいことだと感じた。
現在においても「サロメ」に関する作品が誕生し続けているのはワイルドの功績だろう。
サロメは魔性の女とか聖人殺害をした悪女などと評価されているが、強い意志を持った女性だったのではないだろうか。
また、メイベルもサロメの化身のようにこの物語では描かれているが、彼女も意志の強い女性だったのだと思う。
オーブリーが死んだその後の人生も彼女は力強く生きたのではないかと想像できる。
サロメの性質上仕方ないが、ドロドロしているので好き嫌いが分かれるのではないかと感じる。
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