この著作は、その『ココロ』の海に潜行し、その動きを自分自身の中で『発見』するための心の旅に誘います。
情動、認知、記憶、動機付け、注意、選好など、
様々な処理過程に潜在意識が存在することを実験を通じて、明らかにします。
この働きの解釈について、
認知的不協和、帰属理論、二要因理論、親近性効果などを用いて、潜在過程の存在と働きを推測していきます。
その結果、浮かび上がってくる『潜在的人間観』は、
決して現代社会が無視できない程、影響を与えていることがわかります。
特に、CMによるメディアを通じた広告の影響は、『自己意識』とは無自覚に行動を誘導し、
否応なく、人間一人一人がそのコントロール下にあって、『シアワセ』という幸福の意味を消費するという、
『大衆消費社会』の『共同幻想』としての実態を暴露します。
この、無自覚ゆえの自己正当化という誤帰属は、『幸せ』とはまったく逆の、
実に空しい作業にも、思えてきます。
せいぜい、『自由意思』が、何者にも依存せず、決定を下すものではなく、
メディアから発せられる潜在意識下のコントロールを受け、
その事後的正当化とその確信を増幅処理する過程に過ぎないという、
単なる『フィーリング』に成り下がった実態が、ありありと見えてきます。
『ワタシ』の中のほんの一部である、自覚している私を『意識』というなら、
『意識』自身が、いかに自分が統一され、他者(もう一人のワタシ?)の影響を排した独立した自己像を、
必死に取り繕っているか。
誰も、抵抗できない潜在的な自己への操作を受け続け、『意識』や『自由』は、犯され続けているのかもしれません。
もはや、無視できない存在である、もう一人、或いは、複数の『ワタシ』が、天使なのか、悪魔なのか。
どちらにせよ、自分自身が一人称で観察される以上、
共存共栄を図っていくしかなさそうです。
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