今年になって、公海の漁業資源をワシントン条約で保護しようという
国際的な動きが出てきて、ヨーロッパ産ウナギの取引制限などが決まった。
そんなニュースを聞いて、この本を手に取ったのだが、
世界の漁業資源の現状を知って、愕然としてしまった。
1970年代の、魚群探知機の出現や冷凍輸送技術の進歩により、
「一網打尽」に魚を獲り、鮮度を保ったまま輸送することが可能になった。
1つの漁場で魚を獲り尽すと、別の漁場に移る、
ある種類の魚を獲り尽すと、似た別の魚を探してきて獲る・・・
こうしたことを繰り返してきたことによって、
魚によっては1970年代の5%程度にまで数が減り、
もはや回復不能なレベルにまで激減してしまったものもあるという。
「それなら養殖すればいいじゃないか」と思うところだが、養殖も多くの問題を抱えている。
実際、「養殖」と聞き、てっきり卵から育てているのかと思っていたウナギやマグロも、
本当は養殖ではなく、稚魚を獲ってきて育てる「蓄養」という方法によるものだという。
本書はこうした、消費者に知らされていない、世界の漁業資源の実情について
センセーショナルに書くことなく、データをもとに淡々と事実を列挙していく。
海から魚が姿を消すなんて、これまで考えたこともなかったが、
最近では、このまま魚を獲り続ければ、2048年には世界の海から食べられる魚が姿を消す・・・という研究も出た。
回転寿司店の急増、マグロやウナギやエビが安くなった背景に、こうした事情があったなんて!
多くの消費者にぜひ、読んで欲しい一冊だと思った。
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