1960年代にはヤードバーズ、70年代にはエアロスミスがカヴァーし、世界的なヒットを記録した伝説の名曲「ザ・トレイン・ケプト・ア・ローリン」のオリジネイターとして名高いタイニー・ブラッドショウが1940年代後半から50年代初頭「KING」で録音したスウィンギン&ジャンピンなナンバーを出し惜しみなくコンパイル。上品そうな風貌からは到底想像がつかないアグレッシヴなシャウトっぷりが魅力の歌モノと、反対に洗練され実に都会的なインスト・チューンとのギャップに悶絶するべし。
ミュージシャンとしての才能以外に作曲家/バンドリーダーとしても非常に評価の高いタイニー・ブラッドショウ。
そんな器用で多芸なタイニーが1949年~1952年にキングで録音した楽曲はまさにバラエティに富み、「ブラッドショウ・ブギ」や「グルーヴィー・トレイン」のような王道ジャンプもあれば「ソフト」「ヘビー・ジュース」「ピンポン」といった、非常にジャジーでソフィスティケイト(洗練された)インストゥルメンタルのダンスチューン、反対に「ウェル・オー・ウェル」「ブレイキング・アップ・ザ・ハウス」また「ウォーク・ザット・メス」みたいな破壊力あふれるアグレッシヴなヴォーカル・チューンもあったりと、まさに「油断できない」全25曲。
こういったサウンドが後のロックンロールに大きな影響を与えたんだ、という事実を本作を通して十二分に感じて欲しい。