プロローグのあとの本編が始まってすぐ、マラソン大会で爆弾テロが起きる。しかしその阿鼻叫喚の地獄絵というか、惨状の描き方が拙劣だ。全く臨場感というものがない。そのせいで作家の筆力に疑問が生じ、以後読み続けるうちに、総じてB級感を強く持つようになった。
ゴールデン・ブラッドというのは、輸血を受ける側の血液型を問わない万能の人工血液だ。この人工血液の開発を巡って爆弾事件や殺人事件、放火などが起きる。しかし全体に緊張感が感じられない。主人公は消防官であり救命救急士でもある。物語を作る上で主人公が救命救急士であることは必要だったと思うが、何も特徴のない、ただのお兄ちゃんでしかない。主人公でありながらキャラクターが立っていないのである。
ゴールデン・ブラッド開発を巡る陰謀が物語の主題なのかと期待するが、そういう展開にはならず、周辺の動きとでもいうべき事柄ばかりが語られるため、全く重厚感がない。結局作家の力量の問題と言うべきか? それともゴールデン・ブラッドの開発を巡る陰謀は小説のモチーフではないということか?
- 本商品を含み合計¥400以上ご購入いただきますと、Amazonパントリーの購入にご使用いただける200円OFFクーポンをプレゼント。別途、クーポンコードをお届けするためにメールが送信されますので、ご了承の上ご購入ください。 キャンペーンページはこちら 販売元: Amazon.co.jp。 詳細はこちら (細則もこちらからご覧いただけます)