映画館でこの「ゴールデンスランバー」を観たときにも感じたことなのだが、テープ録音の逆回し再生を多様したり、生のドラムセットの音を強調した曲が多かったりと、全体的に「ビートルズ」というよりも70年代ロックの雰囲気に満ち溢れている。最近テレビ番組などでこのサントラの曲が使われることが多い。中には映画では使われなかった後半部分を抜き出して使用していることもあるので気づかれる方は少ないだろう。その「映画では使われなかったパート」、これが結構な聴きどころでもあるのだ。そういうところは、なんとなくだがこのサントラCDを買ってトクをしたと感じたところ。
しかし、これをアーチスト「斉藤和義」の作品群の中に入れていいのかというと、それはやっぱり違うという気がする。ある種のコラボレーションではあるが、映画とのコラボであり、そしてやはりこの小説の原作者である伊坂幸太郎とのコラボと捉えたほうがいいのかもしれない。