自分の身を危険に晒しながら過激主義集団に潜入してその活動や勧誘の実態を描いた一冊です。
主にサイバー空間についての詳細に記述されていますが、つまるところは、『テクノロジーが明るみに出した、人間の性質における闇の面』ということであり、実に人間くさいところが根底にあるということ、そして、それがテクノロジーによって先鋭化していることがわかります。
筆者の当面のソリューションとしては、「さまざまなセクターや政党を超えて連携し、包括的な長期的アプローチをとる」「テクノロジーが結局は人間の欠点や長所を拡張し増幅するものでしかないとしたら、わたしたちはもっと人間重視のアプローチに立ち戻る必要がある」という、ありがちな結論に落ち着いてしまっているのですが、確かに、このような社会工学的なアプローチに立ち向かうためには、一人一人がトロールされてしまわないように教養を身につける(立場が違えど立場の違いがお互いの存在を脅かす対立に発展することを回避する知恵を身につける)しかないのだと思います。
白人主義者、イスラム過激派、陰謀主義者に焦点が当てられていますが、日本も対岸の火事ではありません。
日本ではネットというと個人に対する誹謗中傷やいじめに焦点が当たります(もちろん、それはそれとして問題です)が、ネットを通じた動員や社会の分断について、より注意深くアンテナを張る必要があります。いつか、「いつの間にこんな事態が!?」ということで手遅れとならないうちに。
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ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ 単行本 – 2021/12/31
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朝日新聞、日経新聞、共同通信ほか書評続々掲載!
2022/2/26 日経新聞朝刊
2022/3/5 朝日新聞朝刊 書評者:生井英考
2022/
共同通信 書評者:清義明
小説現代3月号 書評者:高橋ユキ
週間読書人3431号 書評者:井上弘貴
カリスマ白人至上主義インフルエンサー
愛国主義者専用の出会い系アプリ
ハマったら最後、Qアノンの陰謀論
ISISのハッカー集団による初心者講座
反フェミニスト女性のチャットルーム
ネオナチのロックフェスティバル
過激主義者はどうやって「普通の人びと」を取り込むのか?
白人至上主義、ミソジニー、移民排斥……差別的で攻撃的なイデオロギーを掲げる組織は、オンラインプラットフォームを駆使して、周縁のムーブメントをメインストリームへと押し上げる。
オンラインで始まった憎悪が、次第に現実世界へと移行していく様子をとらえた、緊迫のノンフィクション。
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オンラインで始まった憎悪が、次第に現実世界へと移行していく様子をとらえた、緊迫のノンフィクション。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社左右社
- 発売日2021/12/31
- 寸法12.8 x 2.8 x 18.8 cm
- ISBN-104865280545
- ISBN-13978-4865280548
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出版社より

目次


商品の説明
著者について
ユリア・エブナー(Julia Ebner)
1991年ウィーン生まれ。戦略対話研究所(ISD)上席主任研究官。オンラインの過激主義、偽情報、ヘイトスピーチなどを研究対象とする。研究結果をもとに、国際連合、北大西洋条約機構、世界銀行ほか数々の政府機関や諜報機関に対してアドバイスを行っている。「ガーディアン」「インディペンデント」などに寄稿。著書『The Rage: The Vicious Circle of Islamist and Far-Right Extremism』(I.B.Tauris & Co Ltd、2018年、未邦訳)で、「シュピーゲル」のベストセラー、2018年ブルーノ・クライスキー賞を受賞。
西川美樹(にしかわ・みき)
翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒。訳書にロバーツ『兵士とセックス』(共訳、明石書店、2015年)、バスコム『ヒトラーの原爆開発を阻止せよ! 』(亜紀書房、2017年)、ウィットマン『ヒトラーのモデルはアメリカだった』(みすず書房、2018年)、サカモト『黒い雨に撃たれて』(共訳、慶應義塾大学出版会、2020年)、ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』(みすず書房、2021年)など。
1991年ウィーン生まれ。戦略対話研究所(ISD)上席主任研究官。オンラインの過激主義、偽情報、ヘイトスピーチなどを研究対象とする。研究結果をもとに、国際連合、北大西洋条約機構、世界銀行ほか数々の政府機関や諜報機関に対してアドバイスを行っている。「ガーディアン」「インディペンデント」などに寄稿。著書『The Rage: The Vicious Circle of Islamist and Far-Right Extremism』(I.B.Tauris & Co Ltd、2018年、未邦訳)で、「シュピーゲル」のベストセラー、2018年ブルーノ・クライスキー賞を受賞。
西川美樹(にしかわ・みき)
翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒。訳書にロバーツ『兵士とセックス』(共訳、明石書店、2015年)、バスコム『ヒトラーの原爆開発を阻止せよ! 』(亜紀書房、2017年)、ウィットマン『ヒトラーのモデルはアメリカだった』(みすず書房、2018年)、サカモト『黒い雨に撃たれて』(共訳、慶應義塾大学出版会、2020年)、ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』(みすず書房、2021年)など。
登録情報
- 出版社 : 左右社 (2021/12/31)
- 発売日 : 2021/12/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 432ページ
- ISBN-10 : 4865280545
- ISBN-13 : 978-4865280548
- 寸法 : 12.8 x 2.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 111,978位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 9位犯罪者関連
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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星5つ中の4
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トップレビュー
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Amazonで購入
役に立った
2022年3月10日に日本でレビュー済み
これはただのプロパガンダ本であり、秘密組織の内部情報を期待して買うと損をする。
問題点はいくつかあるが、
① 文章が下手(原文も)で内容が取っ散らかっている
② 秘密組織の内部への記述が薄っぺらい。殆ど書いていないと言ってもいい
③ 視点が完全にグローバリストのものであり、偏見が随所にみられる
④ ③とも関連するが、独善的でいつでも自分は正しく相手が悪い
⑤ 自己の思想を披瀝するだけの内容になっている
⑥ 極論や極例を持ち出して、それを何故か暗にトランプへ結びつけたりしてプロパガンダをしている
などが主のものだ。
結局のところ潜入による情報収集は、自分を信じさせ相手を裏切ることによって成立している。
それは潜入先がどんな組織であれ、人間の根本的な倫理観を逸脱した行為だ。
その行為をこんなにも複数行うためには、「自分の側にこそ正義があるのだ!」 という思い込みがなければならない。
この著者も 「自分は正義、相手は悪」 という図式の中に完全に自分自身を落とし込んでいる。
「相手は異常な人間たちで、それとは反対に自分は正常であり、政府筋に情報を提供するという大義まであるのだから、私の側にはまったく非がない。政府や私たち正常な人間が異常な人々の現実を世界に広めなければならない!」
そういう著者の叫びが聞こえてくる。
これが本書の行動原理なのだ。
つまり自己弁護とプロパガンダのために色々の思想的な説明が繰り広げられている。
しかし、果たして、現代に生きる我々は社会というものを善悪や左右(グローバリスト vs ナショナリスト)などのような単純図式に当て嵌めて解読できるものではないと知っている。
確かに私自身も行き過ぎた人たちには嫌悪を覚えることもあるし、女性を殴って教育するなどということには反対だ。
それでも、イスラム教徒が全部悪いというプロパガンダには乗らないし、政府がいつでも正直であるというような幻想を信じるわけもない。
この本は、グローバリストが極右勢力の気持ち悪さを喧伝し、それを何故かトランプと結びつけ、自分たちの正当性を主張するために作ったものだ。
極左勢力を取り上げないということだけ上げても、その歪みが見て取れる。
そういうことを織り込み済みで読んだ方がいい本だと思う。
問題点はいくつかあるが、
① 文章が下手(原文も)で内容が取っ散らかっている
② 秘密組織の内部への記述が薄っぺらい。殆ど書いていないと言ってもいい
③ 視点が完全にグローバリストのものであり、偏見が随所にみられる
④ ③とも関連するが、独善的でいつでも自分は正しく相手が悪い
⑤ 自己の思想を披瀝するだけの内容になっている
⑥ 極論や極例を持ち出して、それを何故か暗にトランプへ結びつけたりしてプロパガンダをしている
などが主のものだ。
結局のところ潜入による情報収集は、自分を信じさせ相手を裏切ることによって成立している。
それは潜入先がどんな組織であれ、人間の根本的な倫理観を逸脱した行為だ。
その行為をこんなにも複数行うためには、「自分の側にこそ正義があるのだ!」 という思い込みがなければならない。
この著者も 「自分は正義、相手は悪」 という図式の中に完全に自分自身を落とし込んでいる。
「相手は異常な人間たちで、それとは反対に自分は正常であり、政府筋に情報を提供するという大義まであるのだから、私の側にはまったく非がない。政府や私たち正常な人間が異常な人々の現実を世界に広めなければならない!」
そういう著者の叫びが聞こえてくる。
これが本書の行動原理なのだ。
つまり自己弁護とプロパガンダのために色々の思想的な説明が繰り広げられている。
しかし、果たして、現代に生きる我々は社会というものを善悪や左右(グローバリスト vs ナショナリスト)などのような単純図式に当て嵌めて解読できるものではないと知っている。
確かに私自身も行き過ぎた人たちには嫌悪を覚えることもあるし、女性を殴って教育するなどということには反対だ。
それでも、イスラム教徒が全部悪いというプロパガンダには乗らないし、政府がいつでも正直であるというような幻想を信じるわけもない。
この本は、グローバリストが極右勢力の気持ち悪さを喧伝し、それを何故かトランプと結びつけ、自分たちの正当性を主張するために作ったものだ。
極左勢力を取り上げないということだけ上げても、その歪みが見て取れる。
そういうことを織り込み済みで読んだ方がいい本だと思う。
2022年4月24日に日本でレビュー済み
ユリアさんが描写する極右の活動家の言葉に耳を傾けていると、不満を抱えている人は誰でもそっちに行ってしまう可能性があるな、と思いました。それは私も含めてのことです。特に国境線が他国と接している国の人の危機感は大きいと感じます。先進国は軒並み少子高齢化です。押し寄せる移民に少数派である自分達の地位が脅かされる、と思う人が出てくるのも理解はできます。(私はそれを陰謀の結果とは思いませんが)だからトランプという大統領が出現したのだし、未だ支持されています。
少し言葉の選び方が難解で読みにくいですが、こういう考え方の人々がいるんだな、と見識を深めるのにいい本だと思います。女性が本名で発信することについてのデメリットなども書かれていて(男性より叩かれやすく、性的な脅迫や住所を晒すなどの攻撃を受けやすい等)なんとなく感じていた圧迫感が説明されていてすっきりする、というより暗い気持ちになりました。女性相手には無意識にマウントを取れると思っているのでしょう。
少し言葉の選び方が難解で読みにくいですが、こういう考え方の人々がいるんだな、と見識を深めるのにいい本だと思います。女性が本名で発信することについてのデメリットなども書かれていて(男性より叩かれやすく、性的な脅迫や住所を晒すなどの攻撃を受けやすい等)なんとなく感じていた圧迫感が説明されていてすっきりする、というより暗い気持ちになりました。女性相手には無意識にマウントを取れると思っているのでしょう。
2022年5月2日に日本でレビュー済み
国際テロドラマを見ている感じだ。主人公は、昨日はイスラム強硬派、今日はキリスト原理主義、明日は、極右の敵と戦う。ドラマと違うのは、銃撃戦が起こらないことくらい。ドラマでありがちのように著者は比較的に若い女性だ。
最後の章の対策は、根本を押さえていない気がする。過激な行動を防止する方向が説明されているが、問題委はそこではない。極右の章の始めのあるように、閉塞感を持つ人が、強いムーブメントの中で生きがいを見つけるのが、問題の根本だ。誰もあえて行わないような行動をとれば注目されるし、ヒーローになった気がする。価値観が強く共用されているので、「オレはそう思わないな。」みたいに言われる可能性は低い。そこにこそ、光を当てるべきでは?
そうでない限り、「ゴーイング・ダーク シーズン100」になるだけだ。
最後の章の対策は、根本を押さえていない気がする。過激な行動を防止する方向が説明されているが、問題委はそこではない。極右の章の始めのあるように、閉塞感を持つ人が、強いムーブメントの中で生きがいを見つけるのが、問題の根本だ。誰もあえて行わないような行動をとれば注目されるし、ヒーローになった気がする。価値観が強く共用されているので、「オレはそう思わないな。」みたいに言われる可能性は低い。そこにこそ、光を当てるべきでは?
そうでない限り、「ゴーイング・ダーク シーズン100」になるだけだ。