表題の「ゴジラ」「ヤマト」の他、「沈黙の艦隊」「おもいでぽろぽろ」「風の谷のナウシカ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「アリオン」「ゴースト/ニューヨークの幻」などのアニメ・漫画・特撮作品等を、学術的・学究的な視点で捉えた評論集です。
一章 二つのヤマトとナショナリズム
二章 ナウシカとタエ子、それぞれの矛盾
三章 ゴジラはなぜ日本を襲うのか
四章 ウルトラマンの夢と挫折
五章 「十二歳の少年」の堂々めぐり
六章 明日の影
(まとめ)作品を破綻させないための20の法則
全般的に辛口の表現にはなっていますが、一貫して(当時の)熱心なファンとしての各作品への思いの深さと理性的な批評姿勢が感じられる点、そしてトータルで日本の戦後民主主義に対する優れた再認識論になっているという点が評価出来ると思います。
長年のヤマトファンなので、特に一章を興味深く読みました。
「パートⅠ」及び「さらば」に限定して、「ナショナリズムと絶対平和主義を両立させようとする作品のイデオロギー的矛盾を論じる」という形で、当時の社会背景や企画成立までの経緯を含め丁寧に紹介されています。(「沈黙の艦隊」も取り上げられています)
が、その受け取り方は、人によって色々あるかもしれませんね。
ただ、単なるツッコミに留まらないレベルの評論は、ファンを鍛えるというか作品観をさらに深める(反論を含めて)のに役立ちますし、例えば現実世界に投影して考察する事も可能なのだなと、本書を読んで改めて認識する事が出来ました。
ヤマト以外では二章~四章が充実していますので、それぞれのファンの方は「力試し」として一読されるのも良いかもしれません。
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ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義 単行本 – 1992/7/1
- 本の長さ309ページ
- 出版社文藝春秋
- 発売日1992/7/1
- ISBN-104163466606
- ISBN-13978-4163466606
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ヤマトの「宇宙愛」とは何か、タエ子の「農村」とは何か、ゴジラの「復活」とは何か、ウルトラセブンの「明けの明星」とは何か、アリオンの「革命」とは何か、そして80年代の日本とは何だったのか。「愛と正義」の謎を解く。
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1992/7/1)
- 発売日 : 1992/7/1
- 単行本 : 309ページ
- ISBN-10 : 4163466606
- ISBN-13 : 978-4163466606
- Amazon 売れ筋ランキング: - 270,458位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 612位サブカルチャー一般の本
- - 9,817位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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2012年3月20日に日本でレビュー済み
本書は、「ゴジラ」や「宇宙戦艦ヤマト」といった代表的娯楽作品の分析を通して、戦後民主主義の理念の破綻を明らかにしたものである。
具体的には、ここでいう戦後民主主義の理念とは
・個人主義
・権力的でない政府
・博愛主義的国際主義(平和主義)
ということであり、個人に干渉する国家は否定的にとらえられ、反権力のポーズが賞賛され、ナショナリズムは時代遅れとされた。
そして、本書では、取り上げた娯楽作品が、戦後民主主義の理念に立脚しながらも、集団主義、権力、ナショナリズムも肯定するという矛盾を抱えていることを指摘し、戦後民主主義の理念の破綻を明らかにしている。
私が印象に残ったのは、第4章「ウルトラマンの夢と挫折」である。
ここでは、ウルトラマンとウルトラマンセブンのチーフライターであった金城哲夫が取り上げられている。
彼もまた、戦後民主主義の理念を信奉していたが、ウルトラマン、ウルトラマンセブンのシナリオを書くうちに、戦後民主主義の理念にある甘えに気づき、もがき苦しむことになる。
その甘えとは、 博愛主義的国際主義にひそむ甘えで、
『現実にたいして断固として対応するべきときに、第三者の行為をあてにして何もしないこと』
である。
要するに、悪者がいたとしても誰かが助けてくれる、というものだ。
子供ならまだしも、自立した大人にとってはこの考えはプライドが許さないだろう。
金城哲夫もそうだった。
ウルトラマン、ウルトラマンセブンが無償の愛で我々を助けてくれる、という物語の構造に、金城哲夫自身が次第に耐えられくなったのだ。
そこには、金城哲夫の沖縄人としてのナショナリズムの回帰があったのではないか、と本書では分析している。
最後に。
最終章で「ゴースト/ニューヨークの幻」を分析しているが、これ自体はアメリカ映画であり、日本の戦後民主主義批判の材料に持ってくるのはちょっと行き過ぎのように思った。
具体的には、ここでいう戦後民主主義の理念とは
・個人主義
・権力的でない政府
・博愛主義的国際主義(平和主義)
ということであり、個人に干渉する国家は否定的にとらえられ、反権力のポーズが賞賛され、ナショナリズムは時代遅れとされた。
そして、本書では、取り上げた娯楽作品が、戦後民主主義の理念に立脚しながらも、集団主義、権力、ナショナリズムも肯定するという矛盾を抱えていることを指摘し、戦後民主主義の理念の破綻を明らかにしている。
私が印象に残ったのは、第4章「ウルトラマンの夢と挫折」である。
ここでは、ウルトラマンとウルトラマンセブンのチーフライターであった金城哲夫が取り上げられている。
彼もまた、戦後民主主義の理念を信奉していたが、ウルトラマン、ウルトラマンセブンのシナリオを書くうちに、戦後民主主義の理念にある甘えに気づき、もがき苦しむことになる。
その甘えとは、 博愛主義的国際主義にひそむ甘えで、
『現実にたいして断固として対応するべきときに、第三者の行為をあてにして何もしないこと』
である。
要するに、悪者がいたとしても誰かが助けてくれる、というものだ。
子供ならまだしも、自立した大人にとってはこの考えはプライドが許さないだろう。
金城哲夫もそうだった。
ウルトラマン、ウルトラマンセブンが無償の愛で我々を助けてくれる、という物語の構造に、金城哲夫自身が次第に耐えられくなったのだ。
そこには、金城哲夫の沖縄人としてのナショナリズムの回帰があったのではないか、と本書では分析している。
最後に。
最終章で「ゴースト/ニューヨークの幻」を分析しているが、これ自体はアメリカ映画であり、日本の戦後民主主義批判の材料に持ってくるのはちょっと行き過ぎのように思った。



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