息子を実家の親に預けた際、誤ってプールに堕ちて、肩を脱臼
させてしまい、息子を治療したら、お父さんが倒れるシーンが印象的。
その後奥さんに責められ、お父さん屋根の上に逃避するんです。
その時に息子が「怒っているお母さんから僕が守ってあげる」と
言ってなぐさめてあげるんです。
その他、自分が鳥になると思い込んだ親友（恋人？）を看病しつつ、ある日
部屋にいた小鳥に「行くな・・」と呟く男。
無銭飲食で転がり込んだどーしようもない男に入れあげる姉妹が
その後、自分たちの生き方の目標を見出し、男なんかどーでもいいや・・
と、悟るお話。どれも良いです。
若かりし頃は、先生の作品の刹那的で、どーしようもない男が腹立たしく、
そんな男に入れあげ、人生を狂わす女性（男性）が切なくて、正視出来なかったんですが、
年と共に、どーしようもない男にも愛すべき点はあるよね・・と、思える
ようになりました。
先生はデビューした時から、人生の敗北者に愛を込めて描いており、若い頃
から、人生の達観者であったという事実に驚嘆しつつ、何度も読み返したくなる
作品集だとお薦めします。
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