評者は、一応、大学院でゲーム理論をかじったことがある。本書は学部入門レベルである。
本書以前でゲーム理論の入門書としては、例えば
『ゲーム理論入門』(武藤滋夫)
が挙げられるが、本書はこれ以上に入門的な著作である。事前知識はほぼ不要と言って良く、数式も出てこない。
【概要】
とは言っても、さすがに
経済誌
の特集よりはボリュームがある。
本書は、専ら非協力ゲームを扱ったものである。非協力ゲームというからには協力ゲームというものもあるのだが、本書では登場しない。超・入門書なので、それで良いと考える。
【評価】
具体例も、海外でのラーメン屋出店競争や、人気アニメ作品を模した例、芸能人の交際駆引きなど、親しみやすい内容になっている。
一方、ゲーム理論では必ず出てくる”利得表”がほとんど出て来ず、その代わりに著者オリジナル(?)のイメージ図が出てくる。超・入門書なのでイメージで理解できればという着想なのだろうが、ゲーム理論は精緻なものなので、却って混乱する。
【構成】
はじめに この本を手にとったあなたに
第1章 ゲーム理論とはー戦略的思考の理論
第2章 ナッシュ均衡ー相手の動きを読め!
第3章 複数均衡の問題ーどのナッシュ均衡?
第4章 非存在の問題ーナッシュ均衡がない?
第5章 完全情報ゲームと後ろ向き帰納法ー将来のことから考える
第6章 不完全情報ゲームと完全ベイジアン均衡、そして前向き帰納法ー過去について考える
読書案内
おわりに
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