私はアラフォ世代であり、ファミコン世代、スト2世代。
80年代後半から90年代後半あたりまでゲーセンに通っていた身としては、そうだよな、そうだったよな、という確認させられる部分が半分、80年代前半あたりの、まだ年齢が低すぎてゲーセンに通っていなかった頃のゲーセンの雰囲気を知ることができたという部分が半分、といった内容であった。
石井ぜんじ氏がゲーメストの編集部に入られる前の、いちプレイヤーとしてゲーセンで過ごされた80年代中盤あたりまでは、ご本人も思い入れが強いのであろう、当時のゲーセンの雰囲気であるとかゲーセンにまつわる社会情勢、アーケードゲームに対する熱量だとかの解説や思いが文章から伝わってきて興味深い。
一方で、ゲーメストに入られてからの80年代後半から2000年代にかけての文章については、自分の思いや私情はあまり感じられなく、客観的視点のアーケード史解説といった感じになっている。
この本から伝わってくる印象でしかないが、石井ぜんじ氏はあまり対戦格闘ゲームは好みじゃないのだろう、90年代から対戦格闘ゲームがゲーセンを席巻したことについては歴史的出来事としてそこそこ詳しく書かれてはいるが、そこに自分がいちプレイヤーとしてどのようにゲーセンと接していたのかというような記述はない。
なので、前述した80年代前半の頃の文章のような、当時のゲーセンの空気感を感じられるような文章にはなっていない。
当時現役であった私としてはその辺が少し物足りないところではあるが、今の若い世代、80年代~90年代のゲーセンの事情を歴史的に追って把握したいのであれば、一読すべきであろう。
残念な点としては、当時の写真がもっと掲載されていたら良かった。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
