レンタルビデオ店でバイトする大学生の伊賀くん(23)が、職場の先輩である白川さん(24) に恋をするラブロマンス。
白川さんがこれまた変わったヒロインで、趣味の映画以外には全くの興味を持ち合わせていない。
恋愛やオシャレに関してはもちろん、人間関係や自身の存在についてすら興味なし。
同じ職場で働くキラキラした同僚達からは「圏外」の烙印を押されて、疎まれているのが白川さんなのです。
そんな白川さんに、当たっては砕け、当たっては砕け、砕けまくりながらも想いを伝えようとする伊賀くん。
周りからみたら明らかに「住む世界」が違う、白川さんと伊賀くん。そんな2人の恋の行く末は、といったようなお話です。
他の方々のレビューを見る限り、高評価がずらりと並んでいるのは、単なる恋愛物語ではなく、登場人物たちの心理描写が巧みだからでしょうね。
そしてそれは、恋愛という範疇を飛び出して、人間の抱える普遍的な気持ち(人を信じる、誰かを愛する、とか)などについても、本作では鋭く言及されています。
どちらかというと、白川さんと同じタイプの人間であるという自覚がある私にとっては、白川さんの伊賀くんを振り回す言動や考えの数々がそこまで突飛なものには感じられませんでした。むしろ、あーわかるわかる(笑)、みたいな。
第3巻での伊賀くんとその友人であり重要人物の宍戸くんとのやりとりです。
「お前、なんで自分が人を好きになってるかわかる?」
「………なんだよ、急に。そんなの自然にだろ。」
「普通に愛されたからだ。」
作者の大瑛ユキオ先生自身が「普通に愛された」人物なのかどうかは、私にはさっぱりわかりません。
しかしたとえそうではなくても、白川さんのような、「普通に愛されなかった」故に少しばかり浮いてしまうような人間に対して、寛容で大きな理解、そしてギリギリの救いを与えてくれる作者には、大変好感が持てました。
この作品が支持されているっていうのは、そういう部分に依るところが大きいのではないでしょうか。
冒頭ではラブロマンスと簡単にご紹介しましたが、単なる恋愛もので片付けてしまうにはもったいない作品でした。
この作者の次回作には心から期待しております!
ケンガイ(1) (ビッグコミックス) Kindle版
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言語:日本語
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出版社小学館
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発売日2012/12/27
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ファイルサイズ56317 KB
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
星5つ中の4.3
31 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年1月14日に日本でレビュー済み
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19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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ベスト500レビュアー
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変な人を好きになっちゃったことってありますか?
普通に考えて相手は絶対モテないタイプの人間、もし付き合えたとしてもちょっと恥ずかしくて人に紹介できない…
でも好き!理屈抜きでとにかく好き!みたいな。
ぶっちゃけヒロインの「ヒロインとしての魅力」は非常に低い。
髪はパサパサ、化粧もしない、タバコは吸うし言葉遣いも綺麗とは言えない。
性格はめんどくさく、自分が男から相手にされていないことを理解している。
主人公に飲みに誘われたときに「これなんかの罰ゲーム?」って聞いたり
主人公を「リア充の殿上人」扱いする卑屈さも持ち合わせている。
趣味の映画に金をつぎ込んでいるので食生活もままならず、体つきもガリガリで不健康。
でも好きになったものは仕方がない。主人公は懸命にアプローチを実行するが
彼女の思考がわけわからな過ぎて振り回される日々。
でも非常に存在がリアルに感じられ、気が付いたら「魅力無しの圏外ヒロイン」のことが
好きになってきている自分がいる。不思議。
流行している「なろう系ヒロイン」や、よくある「テンプレエロゲヒロイン」のように
男の理想や希望しか持ち合わせていない記号のような存在ではなく、
とても奇妙で理解不能な「ただの人間」としてのヒロインの魅力に、形のないエロスを感じる。
普通に考えて相手は絶対モテないタイプの人間、もし付き合えたとしてもちょっと恥ずかしくて人に紹介できない…
でも好き!理屈抜きでとにかく好き!みたいな。
ぶっちゃけヒロインの「ヒロインとしての魅力」は非常に低い。
髪はパサパサ、化粧もしない、タバコは吸うし言葉遣いも綺麗とは言えない。
性格はめんどくさく、自分が男から相手にされていないことを理解している。
主人公に飲みに誘われたときに「これなんかの罰ゲーム?」って聞いたり
主人公を「リア充の殿上人」扱いする卑屈さも持ち合わせている。
趣味の映画に金をつぎ込んでいるので食生活もままならず、体つきもガリガリで不健康。
でも好きになったものは仕方がない。主人公は懸命にアプローチを実行するが
彼女の思考がわけわからな過ぎて振り回される日々。
でも非常に存在がリアルに感じられ、気が付いたら「魅力無しの圏外ヒロイン」のことが
好きになってきている自分がいる。不思議。
流行している「なろう系ヒロイン」や、よくある「テンプレエロゲヒロイン」のように
男の理想や希望しか持ち合わせていない記号のような存在ではなく、
とても奇妙で理解不能な「ただの人間」としてのヒロインの魅力に、形のないエロスを感じる。
2019年1月30日に日本でレビュー済み
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狂言まわし役は、親や友人や元恋人から必要十分な愛情や好意や信頼を受けて育った、いかにも中産階級的な気のいい男性。この男性が、主人公の女性のことを好きになる。
主人公は、祖父から受け継いだ映画愛を除けば、家庭やコミュニティーから何も与えられずに育った、貧しい、しかし自恃心と自立心の強い女性だ。
また、彼女は「デミセクシャル(Demisexual)」、あるいは「デミロマンティック・アセクシャル(Demiromantic Asexual)」な人間でもある。
この「文化衝突」を、極端な行動や事件やキャラクターを使わず、現代の日本社会の風景のなかに冷静に配置して描いている。
登場人物は頻繁に対話し、考えているが、作者の自意識の投影みたいな寸句を突然吐くことはなく、身の丈に合った言葉だけを使っている。その日常的な言葉や態度のやり取りはよく練られていて、美的に思わせぶりなところはいっさいなく、筋立ては論理的で明晰だ。
つまり、若い作家にはめずらしく、設定の細部ではなく、大きな脚本の流れそのものに最大の力点を置いている。この俯瞰的な才能を持つ物語作家は、えらくローカルな素材を使いながら、できのいい外国の短編ドラマのほんを読んだときのような感銘を与えてくれる。
ただ、絵に、もうちょっとクセや影があればなあ。白川さんは、服装や、猫背チックな歩き方や、骨ばった身体つきはいい感じだが、いくつかのコマを除けば、顔がただの漫画チックな美人でしかない(たとえば、この顔と髪のまま、一流企業の出世頭のキャラに再利用しても、違和感がないだろう)。脳内で、自分なりの「ケンガイ」な顔や目つきに補正しながら読まなくてはならないのが、すこししんどかった。
でも、これはガラス玉にちょっとだけついた数ミクロンの傷でしかない。ユニークで優れた物語なのは変わらない。
主人公は、祖父から受け継いだ映画愛を除けば、家庭やコミュニティーから何も与えられずに育った、貧しい、しかし自恃心と自立心の強い女性だ。
また、彼女は「デミセクシャル(Demisexual)」、あるいは「デミロマンティック・アセクシャル(Demiromantic Asexual)」な人間でもある。
この「文化衝突」を、極端な行動や事件やキャラクターを使わず、現代の日本社会の風景のなかに冷静に配置して描いている。
登場人物は頻繁に対話し、考えているが、作者の自意識の投影みたいな寸句を突然吐くことはなく、身の丈に合った言葉だけを使っている。その日常的な言葉や態度のやり取りはよく練られていて、美的に思わせぶりなところはいっさいなく、筋立ては論理的で明晰だ。
つまり、若い作家にはめずらしく、設定の細部ではなく、大きな脚本の流れそのものに最大の力点を置いている。この俯瞰的な才能を持つ物語作家は、えらくローカルな素材を使いながら、できのいい外国の短編ドラマのほんを読んだときのような感銘を与えてくれる。
ただ、絵に、もうちょっとクセや影があればなあ。白川さんは、服装や、猫背チックな歩き方や、骨ばった身体つきはいい感じだが、いくつかのコマを除けば、顔がただの漫画チックな美人でしかない(たとえば、この顔と髪のまま、一流企業の出世頭のキャラに再利用しても、違和感がないだろう)。脳内で、自分なりの「ケンガイ」な顔や目つきに補正しながら読まなくてはならないのが、すこししんどかった。
でも、これはガラス玉にちょっとだけついた数ミクロンの傷でしかない。ユニークで優れた物語なのは変わらない。
ベスト100レビュアー
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ひねくれた性格の先輩に惹かれた主人公が
苦労しながらもなんとか気を引こうとする話。
人付き合いが悪く、周囲からの評価も低い女性に対し、
唯一、興味を持ってくれる映画の話題をきっかけに
少しずつ近づこうとする主人公の努力が健気で感情移入しやすい。
達観したような割り切った性格で
周囲と交流を深めようとしないヒロインは
恋愛マンガとしてはかなり珍しいキャラクターで、
どういう反応を示すか読めないところが逆に面白い。
ありきたりではない新鮮な読み応えの恋愛ものを味わいたい人向け。
苦労しながらもなんとか気を引こうとする話。
人付き合いが悪く、周囲からの評価も低い女性に対し、
唯一、興味を持ってくれる映画の話題をきっかけに
少しずつ近づこうとする主人公の努力が健気で感情移入しやすい。
達観したような割り切った性格で
周囲と交流を深めようとしないヒロインは
恋愛マンガとしてはかなり珍しいキャラクターで、
どういう反応を示すか読めないところが逆に面白い。
ありきたりではない新鮮な読み応えの恋愛ものを味わいたい人向け。
2017年11月2日に日本でレビュー済み
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別の作品を出すべきではないと思うが、例えば押見修造先生の"悪の華"を読んで、「この気持ち分かる」と感じた人には合うと思う。どこかの言葉を借りれば、内向型の人。自分の一面を探り当てられる人、そんな時もあったなと笑う人もいるかもしれない。人によっては、自分だけじゃないんだと、安心できる拠り所にすらなり得るかもしれない。
日々を過ごしていて、あれ?それおかしくない?と、誰にも言い出せず心の中で呟いたあの時、自分でも整理のつかずにモヤモヤとしたあの時。自分だけじゃないのだ。ああー!あの時の!!分かる!!と思いながら、楽しく読みました。
日々を過ごしていて、あれ?それおかしくない?と、誰にも言い出せず心の中で呟いたあの時、自分でも整理のつかずにモヤモヤとしたあの時。自分だけじゃないのだ。ああー!あの時の!!分かる!!と思いながら、楽しく読みました。
2014年2月17日に日本でレビュー済み
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ヒロインが完全に人生諦めててゾンビ状態。
勝手に自分を異性から「圏外」と位置づけ、どうにか自分の好意を信じてもらいたい主人公の好意をガンガン踏みにじる…。
ヒロインのダメっぷりが完全に自分にダブる。ヒロインに感情移入して、主人公に「このダメヒロイン(俺)を助けてあげて!」と祈るような気持ちになってしまう。
もう読んでて痛いんだけど、止められない切ない作品。
勝手に自分を異性から「圏外」と位置づけ、どうにか自分の好意を信じてもらいたい主人公の好意をガンガン踏みにじる…。
ヒロインのダメっぷりが完全に自分にダブる。ヒロインに感情移入して、主人公に「このダメヒロイン(俺)を助けてあげて!」と祈るような気持ちになってしまう。
もう読んでて痛いんだけど、止められない切ない作品。
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