読後感としてまずケチをつけるが、そのようなケチは無視できる。
これはGoogle=インターネットと見て、このインターネット世界の始まりから現在までの進化を知れる現代史でしょう。
・ボリュームが多い(3.5cm、600ページ)
・ラリーペイジ、セルゲイブリンに批判的な記述は一切ない。
内容はGoogleのスタートアップの1995年ころから出版時の2010年までのGoogleのストーリーを概観したもの。
今当たり前のようにあるGoogleがなぜそうなったのか。(これを知りたかった)
Googleの核は検索エンジンで、何か情報にアクセスしたいと思ってキーワードを入力したその結果を返すだけなのだが
検索エンジンの着想として、LINKに注目したため、比類なき検索エンジンとなった。
そこで終わらない。地球上のWEBサイト全てをインデックス化(インターネットの全てを入手)し
ユーザーの利用ログを徹底解析することでテスト、実験を繰り返して満足度の高い検索エンジンに変身した。
検索のサジェストや、音声解析の成長原因もここにある。
ここまでがスタートアップで利益はまだ乏しい。
ベンチャーキャピタルから資金を集めながら収益化を目指す苦しい時代があった。
そしてネット広告のAdSenseが生まれた。莫大な収益源となってGoogleの巨人化が始まる。
運用側にある思想として印象に残ったのは、スケーラブルであること、コンピューターの能力に期待しいわゆる人力や人間らしい部分を徹底排除する思想
これがGoogleらしさ。Google製品群を利用するときに感じるそっけなさの理由がわかった気になった。
デザインは人間らしいから排除され、機械らしさが優先されるのであのGoogleのトップページがある。
中国進出のくだりも見せ場となっている。
Googleは単なる商人ではない、人類の幸福のためにテクノロジーを最先端で活用したい、世界中の情報のアクセシビリティを高めるというGoogleの根本と中国国家の情報統制は共存が難しい性格。
最終的には中国がGoogleをハッキングして撤退を決める。
Googleでもハッキングされる。ITシステムに人が介在する以上、完璧にハッキングされないことは不可能なのだがそれでも驚きを感じる。
最後はFacebookの登場でこの書籍は終わるが、その考察がまた興味深い。
FacebookによってGoogleはインターネットの哲学の再考をつきつけられ、同時にGoogleというブランドはSNSの性格と親和性が低く足を引っ張る。
インターネットという世界は人間らしさの少ない情報アクセスツールだったもの(Google)が過去となり
インターネットの中で安心して人が時間を過ごす、社会的交流を志向する世界(ザッカーバーグ)がメインになるという未来予想を残す。
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