貧困大国アメリカシリーズを著した
堤さんの私小説です。
9・11の時、著者はグラウンド・ゼロ
の隣のビルにいた。
テロを乗り越え、サバイバーとなったが
PTSDになり苦しむことになる。
文章・文体は荒削りな感じで、
現在の著者の作品を見ると成長した事がうかがえる。
未だ内在的ロジックが構築されておらず、
それが成長していく過程を垣間見ることができる。
経験したこと・感じたことを並べていくスタイルだが、
素直な表現で事件とその後の切実さ必死さが伝わってくる。
9・11を経験した日本人の手記としても、
ジャーナリスト堤さんの原点の作品としても
興味深く読むことができる。
又、9・11を通して見た米国・米国民の描写の
ディティールには米国の強さと弱さを感じる事ができる。
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グラウンド・ゼロがくれた希望 (扶桑社文庫) 文庫 – 2009/6/27
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2009/6/27
- ISBN-104594059848
- ISBN-13978-4594059842
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
自由の国に憧れてアメリカに渡り、9・11に遭遇した著者が、事後に陥ったPTSDと深い喪失感からの回復を描いたノンフィクション。抜け殻のようになっていたとき、世界平和のために行動する人々と出会い、彼らを通じて得た希望を綴る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
堤/未果
著作家・ジャーナリスト。東京都生まれ。和光小、中、高卒業後、アメリカに留学。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士課程修了。国連、アムネスティインターナショナルNY支局局員を経て、米国野村證券に勤務中に9・11に遭遇。現在はニューヨーク‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を続ける一方、テレビのサブキャスターやナビゲーターも務めている。著書に『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社・2006年度黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞受賞)『ルポ・貧困大国アメリカ』(岩波新書・2008年日本エッセイスト・クラブ賞受賞、新書大賞2009受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著作家・ジャーナリスト。東京都生まれ。和光小、中、高卒業後、アメリカに留学。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士課程修了。国連、アムネスティインターナショナルNY支局局員を経て、米国野村證券に勤務中に9・11に遭遇。現在はニューヨーク‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を続ける一方、テレビのサブキャスターやナビゲーターも務めている。著書に『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社・2006年度黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞受賞)『ルポ・貧困大国アメリカ』(岩波新書・2008年日本エッセイスト・クラブ賞受賞、新書大賞2009受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2009/6/27)
- 発売日 : 2009/6/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 243ページ
- ISBN-10 : 4594059848
- ISBN-13 : 978-4594059842
- Amazon 売れ筋ランキング: - 789,956位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 276位扶桑社文庫
- - 23,795位エッセー・随筆 (本)
- - 80,296位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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著者について
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堤 未果(つつみ みか)
ジャーナリスト、東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院で修士号取得。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞。2008年『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞を受賞。
カスタマーレビュー
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星5つ中の4.6
17 件のグローバル評価
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トップレビュー
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2010年10月12日に日本でレビュー済み
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10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2014年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かつてはアメリカの同時多発テロなんてものは、単なる因果応報、自業自得として関心を向けなかった。
著者は、9.11のことを、「パンドラの匣を開いた」ようだと表現する。
そして、著者の「希望」、即ち「世界の人々がみな幸せでありますように」と同調する人々が極僅かでも存在する。
それは「希望」と成りうる。
そう、「パンドラの匣を開いた」以上、最後には「希望」が出てくるのである。
私もこの「希望」を共有したいと思う。
大したことはできそうもないが。
著者は、9.11のことを、「パンドラの匣を開いた」ようだと表現する。
そして、著者の「希望」、即ち「世界の人々がみな幸せでありますように」と同調する人々が極僅かでも存在する。
それは「希望」と成りうる。
そう、「パンドラの匣を開いた」以上、最後には「希望」が出てくるのである。
私もこの「希望」を共有したいと思う。
大したことはできそうもないが。
2011年3月31日に日本でレビュー済み
堤 未果の文書はいくつか読ませてもらっているが、彼女の精神の神髄は、このエッセイの中にあると思っている。
国連、アムネスティ、野村證券と通じて、まだ無垢な彼女は徐々に「人のために働く」ことの矛盾に気付いていく。
そして9.11事件をきっかけに、それは爆発を迎える。同時に彼女はテロ後遺症のPTSDに陥り、心が迷走するようになる。
幼い頃から培ってきたアメリカに対する憧れは消滅し、代わりに今まで見えなかったアメリカの姿を知ることになる。
だが、彼女は立ち直ることに成功した。そして、目をそらしていた本当のアメリカに向き合うようになり、現在に至る。
憧れていた物に裏切られ、ショックを受けた時の心情は克明に描かれており、そこでは様々な感情が分裂し、交錯する。
混沌とした心を修正するには、やはり猶予期間が必要なのだと思う。その過程で彼女は、卑しい感情も剥き出しにする。
しかし、彼女には帰れる場所があり、帰るべき信念があった。その点、彼女はじつに運が良かった。
違う視点と触れ合うことで、しだいに彼女は、自身も背伸びをしようとするあまり、本質を失っていたことに気がつく。
そして、日本で活動するアメリカ人との出会い。これが最終的に、彼女のアメリカに対する思いを決定づけた。
どんなに絶望的な現実を描こうとも、常にアメリカに希望を見いだそうとする、彼女のスタイルの土台は、ここにある。
ふとしたきっかけで、自分を見失うことはままある。だが、彼女は幸いにも新たな自分を手にすることに成功した。
現実に直面したとき、新たな秩序が生まれる。それこそが彼女の自我であり、彼女の主張する「希望」でもあったのだ。
自己を喪失し、自分に悩めるとき、これまで意識しなかった「希望」を見いだすことが、どんなに励みになることか。
文庫本で追加されたあとがきにて、彼女は、当時の心のジレンマを振り返り、こう語る。
「変わらなければならないのは、世界ではなく私のほうだった。
ひとつの国が抱える矛盾、それと同じものを私達ひとりひとりもまた抱えている。
それを無視して理想だけを求めれば、世界は絶対的な善と悪だけに分けられ、憎しみのらせんをまわし続けるだろう。」
人間の心は単純ではない。だから過ちも起こす。彼女がアメリカに託す思いは、無知な自分に対する戒めでもあったのだ。
この本を読まずして、堤 未果という人物像は完成しない。是非この本で、彼女の生き方の原点を参考にしてほしい。
国連、アムネスティ、野村證券と通じて、まだ無垢な彼女は徐々に「人のために働く」ことの矛盾に気付いていく。
そして9.11事件をきっかけに、それは爆発を迎える。同時に彼女はテロ後遺症のPTSDに陥り、心が迷走するようになる。
幼い頃から培ってきたアメリカに対する憧れは消滅し、代わりに今まで見えなかったアメリカの姿を知ることになる。
だが、彼女は立ち直ることに成功した。そして、目をそらしていた本当のアメリカに向き合うようになり、現在に至る。
憧れていた物に裏切られ、ショックを受けた時の心情は克明に描かれており、そこでは様々な感情が分裂し、交錯する。
混沌とした心を修正するには、やはり猶予期間が必要なのだと思う。その過程で彼女は、卑しい感情も剥き出しにする。
しかし、彼女には帰れる場所があり、帰るべき信念があった。その点、彼女はじつに運が良かった。
違う視点と触れ合うことで、しだいに彼女は、自身も背伸びをしようとするあまり、本質を失っていたことに気がつく。
そして、日本で活動するアメリカ人との出会い。これが最終的に、彼女のアメリカに対する思いを決定づけた。
どんなに絶望的な現実を描こうとも、常にアメリカに希望を見いだそうとする、彼女のスタイルの土台は、ここにある。
ふとしたきっかけで、自分を見失うことはままある。だが、彼女は幸いにも新たな自分を手にすることに成功した。
現実に直面したとき、新たな秩序が生まれる。それこそが彼女の自我であり、彼女の主張する「希望」でもあったのだ。
自己を喪失し、自分に悩めるとき、これまで意識しなかった「希望」を見いだすことが、どんなに励みになることか。
文庫本で追加されたあとがきにて、彼女は、当時の心のジレンマを振り返り、こう語る。
「変わらなければならないのは、世界ではなく私のほうだった。
ひとつの国が抱える矛盾、それと同じものを私達ひとりひとりもまた抱えている。
それを無視して理想だけを求めれば、世界は絶対的な善と悪だけに分けられ、憎しみのらせんをまわし続けるだろう。」
人間の心は単純ではない。だから過ちも起こす。彼女がアメリカに託す思いは、無知な自分に対する戒めでもあったのだ。
この本を読まずして、堤 未果という人物像は完成しない。是非この本で、彼女の生き方の原点を参考にしてほしい。
2007年5月13日に日本でレビュー済み
自由の国に憧れて若くしてアメリカに渡って9・11を体験した著者のその後のPTSD・喪失感からの回復と
9・11以降世界平和のために立ち上がった人々との出会いを通じて垣間見た希望が綴られています。
9・11の記述は臨場感あり、その後の現地の人々の愛国心の高揚と憎しみの連鎖の傾向を見せる怖さの現実
日本に帰ってみて改めて感じる日本の良さ、「自分の国の長所というのはね、他の文化を通して見たときに初
めて分かるものなのよ。 それともう一つ大事なことはね、日本を愛して自分が日本人であることを誇りに思う
ことが出来なければ、どれだけ英語が喋れたって、えらくもなんともないわ」との言葉は其の通りだと思います。
その後、日本での反戦活動家たちとの出会いを通じてアメリカの可能性・希望も見出せたこと其の小さな流れ
が大きなうねりになっていくことを願って止みません。
翻って、対米追従一辺倒の日本の在り方も注意深く見守っていく必要があると改めて感じました。
9・11以降世界平和のために立ち上がった人々との出会いを通じて垣間見た希望が綴られています。
9・11の記述は臨場感あり、その後の現地の人々の愛国心の高揚と憎しみの連鎖の傾向を見せる怖さの現実
日本に帰ってみて改めて感じる日本の良さ、「自分の国の長所というのはね、他の文化を通して見たときに初
めて分かるものなのよ。 それともう一つ大事なことはね、日本を愛して自分が日本人であることを誇りに思う
ことが出来なければ、どれだけ英語が喋れたって、えらくもなんともないわ」との言葉は其の通りだと思います。
その後、日本での反戦活動家たちとの出会いを通じてアメリカの可能性・希望も見出せたこと其の小さな流れ
が大きなうねりになっていくことを願って止みません。
翻って、対米追従一辺倒の日本の在り方も注意深く見守っていく必要があると改めて感じました。
VINEメンバー
9.11の実際の現場の状況、その後のPTSDと体験した者でないと書けない部分は興味深く読みましたが、後半の「米の平和運動家は、非国民としてバッシングされ、9.11の報復を米市民は叫ぶのに、原爆を落とされた日本人は『人類への犯罪』として、繰り返さないよう声をあげ続けている」という部分に関しては、日本で癒された経験からか、日本びいきと思わざるをえません。
筆者も、イラクの被害を日本のマスコミが政治的に記事にできない可能性が高いと書いているように、米政策に反対する記事さえ発表しにくい日本で、日本の恥部は更に発表しにくい、程度の予想は何故働かないのか?
現在でも被爆者を切り捨て、米に無条件追随してイラクへ軍人を派遣し、反戦ビラを家のポストに投函しただけで70日間も拘留される日本は、米に比べてそんなに素晴らしいのでしょうか?
筆者の大学院でのブドロー先生の言葉「世界を一つのユニットとしてみるんだよ!マスコミの報道を聞くときは、そのネットワークを所有しているのが、どの大企業のクソ野郎なのか把握してからにしろよ。それがいったい何によって動かされているか、どんな連中がどんな目的で動かしているかを掴むんだ。」を深く理解すれば、もっと深みのある良い本になったと思います。
筆者も、イラクの被害を日本のマスコミが政治的に記事にできない可能性が高いと書いているように、米政策に反対する記事さえ発表しにくい日本で、日本の恥部は更に発表しにくい、程度の予想は何故働かないのか?
現在でも被爆者を切り捨て、米に無条件追随してイラクへ軍人を派遣し、反戦ビラを家のポストに投函しただけで70日間も拘留される日本は、米に比べてそんなに素晴らしいのでしょうか?
筆者の大学院でのブドロー先生の言葉「世界を一つのユニットとしてみるんだよ!マスコミの報道を聞くときは、そのネットワークを所有しているのが、どの大企業のクソ野郎なのか把握してからにしろよ。それがいったい何によって動かされているか、どんな連中がどんな目的で動かしているかを掴むんだ。」を深く理解すれば、もっと深みのある良い本になったと思います。
VINEメンバー
911の際に、グラウンドゼロの一帯からの避難を体験した筆者の見たアメリカ。
個人のリアルな体験は、読んでいて、とても強い印象を残した。
この本は、歴史的、文化的な(学術的な)考察を期待して読んではいけない。
そういったところに、この本の意味はあるのではなく、
あの事件を、日本人の個人の視線から眺めてみたい時に、読んでみるといい本だと思った。
NGOでの仕事など、ちょっと垣間見えた世界も、興味深かった。
個人のリアルな体験は、読んでいて、とても強い印象を残した。
この本は、歴史的、文化的な(学術的な)考察を期待して読んではいけない。
そういったところに、この本の意味はあるのではなく、
あの事件を、日本人の個人の視線から眺めてみたい時に、読んでみるといい本だと思った。
NGOでの仕事など、ちょっと垣間見えた世界も、興味深かった。